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文部科学省「大学教育・学生支援推進事業(大学教育推進プログラム)」
に関わるお知らせ

プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育
「PBL教育における多面的評価―PBLは社会で役に立つか―」【2011年2月26日開催】

開催報告

2月26日(土)、今出川キャンパス明徳館1番教室にてPBL推進支援センター主催の文部科学省大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラムの取組のひとつとしてシンポジウムを開催した。PBL(Project-Based Learning)に対する関心は年々高まっており、大学を中心とした教育研究機関関係者、企業関係者や大学生など、146人の参加(シンポジウム参加者内訳 [PDF 462KB])があった。
開催報告
シンポジウムは土田道夫副学長の挨拶後、3部構成で行い、第1部では、キャリア形成や大学教育に深い見識、鋭い視点をお持ちの海老原嗣生氏(株式会社ニッチモ代表取締役)・松本美奈氏(読売新聞東京本社編集局教育取材班記者)より「大学教育に期待すること」と題した提言を頂いた。両氏の率直、明快な語り口に、深く頷く参加者の姿が数多く見られた。
第2部では、プロジェクト科目受講生の北村龍弥さん(法学部4年次生)、中谷しのぶさん(文学部4年次生)より、「プロジェクト科目で学生は何を学んでいるか」と題した事例報告が行われた。授業で培ったスキルを発揮した堂々としたプレゼンテーションに、大きな拍手が寄せられた。続く第3部の「PBL教育を考える~提言者・在学生・卒業生の視点から~」をテーマとしたシンポジウムでは、冒頭で、プロジェクト科目を受講した卒業生である三宅将史氏(鳥取環境大学キャリア支援課)・安本梓氏(京都市立松尾中学校英語科教諭)に、卒業後に社会の現場で、プロジェクト科目を通しての学びや経験がどのように活かされているかを報告していただいた。受講で得られたスキルや学びに加え、「人とのつながり」が大きな財産になった、とのことだった。引き続き、山田和人PBL推進支援センター長を司会に、海老原氏、松本氏、北村さん、中谷さん、三宅氏、安本氏の6名にご登壇いただき、会場からの質問や意見を取り込みながら、大学に求められる学びや、社会の現場で役に立つ学びについて、終始、活発な議論が展開された。

シンポジウムの成果

今回のシンポジウムでは、提言者の提言を軸に、PBLの可能性と課題についての問題提起を行うことができた。今回のシンポジウムの主旨は、副題に表れているように「PBLは社会で役に立つか」という大胆な問いかけであり、プロジェクト科目が実践型・参加型の学習スタイルの社会連携型のPBLである限り、PBLの教育方法や教育効果を考える上で、非常に重要な問題提起である。在学生によるプロジェクト科目の取組紹介に加え、卒業生によるプロジェクトの学びの検証―どのように現在の仕事に結びついているか―を採り入れ、さらにPBLの教育効果を提言者から客観評価してもらうことで、多角的な検証を試みたのであるが、おそらく、このような報告やシンポジウムはこれまで行われたことがなかったのではないか。
シンポジウムの成果
『PBLが学生主体の学びである限り、学生自身の報告を通してしか、その教育効果や教育方法について示すことはできない』というのが、数年来続けてきた同志社大学プロジェクト科目の基本コンセプトであった。今回は、さらに「卒業生による検証」というもうひとつの柱を設定し、「卒業生による評価」という新たな評価指標を付け加えた「多面的評価」を提起してみたのであるが、あらためて、在学生が取り組んでいるプロジェクトにおいて育まれている力が、実は、将来、社会で求められる力や、未来を担っていく力に繋がっていることが明らかになったように思う。PBLを『プロジェクトの経験を通して、学び方、生き方に関わる姿勢や態度を身につける創造的な営み』として捉え直す良い機会となった。
プロジェクトは常に変化し、流動する。変化に日々対応していくことで不断の振り返りと気づきを共有していくことが必要になる。そのことが学習者の学びの幅を拡げるとともに学びの深度を深めていくことにもなる。学びの深度は学習者が必要とする主体的な意志と判断によっても変化する。コミットが深ければ深いほど学びは深度を深めていく。提言者からの『現代社会において求められる課題』、期待されることにつながる課題が、シンポジウムのプロセスで明確になっていったことが最も大きな成果と言えるだろう。
以下に個別の議論の中で明らかになってきた内容を箇条書きに示す。
PBLは、プロジェクト活動に実践的に取り組むことを通して、学生が自律的・主体的に学ぶ意欲を引き出すアクティブな学習スタイルであり、学生同士が学びあう協調学習であることを前提とする。なお、同志社大学プロジェクト科目は全学共通教養教育科目として位置づけられていることも再度断っておきたい。

  1. PBLは協働的、即時的な推進が求められるために、日々の振り返りと気づき、不断のフィードバックとリフレクションが内在されており、学生の自律的な学習意欲を引き出すことができる。そのために学生同士の学び合いを重視すると共に、それが自己満足に終わらないように、その成果を社会的に問いかける姿勢が大切である。

  2. PBLは、授業内学習よりも、授業外学習において学生の成長を促すことが多い。そのために、学生同士で授業外に学び会える環境と条件を作り出すことが求められる。そこではお互いの関心や興味、ものの見方や考え方について配慮し、相手を尊重しつつ、プロジェクトの目的の達成に貢献できるようにまとめていくコミュニケーション力が求められる。

  3. PBLは、多様性と個性を備えており、専門科目のPBL、教養教育のPBL、課外活動のPBL等、それぞれに特徴を有する。教養教育の場合には、課題解決のために自分たちで専門的な知識やスキルをその場その場で臨機応変に組み替えながら、差し替えながら活用していく総合知を身に付ける絶好の機会である。

  4. PBLでは、一人では実現できない課題に取り組むことで、プロジェクトの目標設定、役割分担、創造的な人間関係を希求する意識の向上、チームのコミュニティを形成していく創造的な人間関係を作り上げていくことができるようになる。

  5. 学生の事例報告を通して、PBLは、現代社会の抱える問題と向き合うことで、試行錯誤を繰り返しながら課題を探求していく課題設定・解決力を身につけることができることが明らかになった。プロジェクトには、目標設定を明確化し、それを共有できなければ推進できないという特性があり、それが課題の発見・設定・解決型の学習を促すことになる。

  6. 在学生の事例報告は、プレゼンテーションのスキルの高さとともに自らの活動についての的確な振り返りと気づきがしっかりと組み込まれた報告内容であった点について、提言者からも高い評価がなされた。また、卒業生による『プロジェクト科目で学んだこと』についての報告はPBLの教育効果が社会の現場でも、人間関係を築いて協働していく姿勢や態度として結実していることが示された。

  7. 学生の事例報告やシンポジウムを通して、PBLでは、プロジェクトを通して現場・実物と向き合うことで、それをリアルな鮮度のよい生きた教材として活用し、学生の自発的な学びを誘発することが明らかになった。大学と社会の関係を考える時、現場や本物の持つリアルさを大学の教育(フィクション)のなかにいかに組み込んでいくべきかが課題である。

  8. 教養教育としてのプロジェクト科目と専門科目のゼミとの学びの関係については、大学では教養と専門、小中高では総合的学習と教科の学習として、その両立がしばしば問題になるが、プロジェクト科目では、プロジェクトを通して、いわば学び方や生き方を学ぶ―専門知のベースとなる教養(リベラルアーツ)を仲間と共に身に付ける―ことを目指しており、それが専門のゼミでの学びにも活かされている事が学生の報告からも明らかになった。

  9. 今後、PBLの評価指標の明確化とそれを活用していく方法についてのさらなる詳細な検討が必要である。課題とともに同志社大学のPBLに対する果敢な挑戦への期待が示された。

今後の事業への反映

大学教育・学生支援推進事業の最終年度の取り組みに向けて、PBLの教育方法・教育効果・評価指標について、多面的に検証していく視点とその方向性を得られたのは大きな成果であった。PBLは従来の教育観や評価観の再検討を促す変革力を持っている。教育の原点に戻って、大学における学びを再考することが、今、求められている。学生はPBLを通して何を得ることができるのか、PBLは学生のどのような成長をもたらすのか、それに我々は応えていかなければならない。また、我々が目指している教育や学習を可能にするためには、学習環境や教育条件、プログラム設計、支援体制についても具体的に検討していくべきである。そうした視座を得られたことが今回のシンポジウムの大きな成果と言えるだろう。シンポジウムであぶり出されたこれらの問題を最終年度に取り組むべき課題として再認識し、引き続き、PBLの研究および推進・支援に努めていきたい。

アンケート結果について [PDF 462KB]
今後の事業への反映

2010年度同志社大学PBL推進支援センター第2回シンポジウム<終了しました>

文部科学省「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」に採択されました「プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育」に係るシンポジウムを開催します。

参加ご希望の方は、2011年2月21日(月)までに、E-mailまたはFAXにより、下記問合先へお知らせ下さい。
ポスター

※画像をクリックすると、拡大版がPDFで開きます。

日時2011年2月26日(土)13:00~16:30
場所同志社大学 今出川校地 明徳館1番教室
(京都市営地下鉄烏丸線 今出川駅下車)
アクセスマップ(今出川キャンパス)
キャンパスマップ(明徳館)
参加費入場無料
テーマ「PBL教育における多面的評価-PBLは社会で役に立つか-」
プログラム あいさつ
同志社大学 副学長 法学部教授 土田道夫

第1部 提言「大学教育に求めるもの」
海老原 嗣生(株式会社ニッチモ 代表取締役)
松本 美奈(読売新聞 東京本社 編集局 教育取材班記者)

第2部 在学生による報告「プロジェクト科目で学生は何を学んでいるか」
北村 龍弥(2010年度プロジェクト科目受講生/法学部4年生)
中谷 しのぶ(2010年度プロジェクト科目受講生/文学部4年生)

第3部 シンポジウム
「PBL教育を考える~提言者・在学生・卒業生の視点から~」

海老原 嗣生(株式会社ニッチモ 代表取締役)
松本 美奈(読売新聞 東京本社 編集局 教育取材班記者)
北村 龍弥(2010年度プロジェクト科目受講生/法学部4年生)
中谷 しのぶ(2010年度プロジェクト科目受講生/文学部4年生)
三宅 将史(鳥取環境大学 キャリア支援課/2007・2008年度プロジェクト科目履修)
安本 梓(京都市立松尾中学校 英語科教諭/2007年度プロジェクト科目履修)

<司会>
山田 和人(同志社大学 PBL推進支援センター センター長・文学部教授)
主催PBL推進支援センター
申込方法 参加申込書を下記からダウンロードし、ご記入のうえ、2011年2月21日(月)までに、教務課へお申し込みください(メール又はFAXにて受け付けします)。
※先着150名受付

参加申込書 [PDF 76KB]
※プリントアウトしてお使い下さい。
お問い合わせ先同志社大学教務課 
TEL:075-251-4630
FAX:075-251-3064
E-mail:ji-pbl@mail.doshisha.ac.jp

※『プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育』についてはプロジェクト・リテラシーと新しい教養教育をご覧ください。
※プロジェクト科目の詳細な取組についてはプロジェクト科目(オリジナルサイト)をご覧ください。