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ONE PURPOSE(同志社大学通信)

最新号

『ONE PURPOSE』は、在学生および卒業生の皆さまと大学とのコミュニケーションをはかることを目的として発行しています。 本誌に関するご意見や企画のご提案、日頃学生生活を送っている中で気づいたことや疑問に思うこと、また悩んでいることなど、ささいなことでも結構ですので、どしどし広報課までお寄せください。
同志社大学通信 198号 2019年7月1日発行[PDF 9.1MB]

特集
同志社スポーツの今
̶大学スポーツの今後に向けて̶

同志社人訪問
関西ラグビーフットボール協会会長
坂田 好弘さんに聞く

My Purpose ~挑戦する人~
阪田 美枝さん
大学院総合政策科学研究科博士課程(前期)1年次生

My purpose 挑戦する人

日本の貴重な伝統文化である仕事唄を50年以上の歳月をかけて収集
その集大成をデジタルアーカイブ化して世界に発信するために
80歳で本学大学院に入学して日々研究に打ち込んでいる

阪田美枝さん

阪田美枝さん
大学院総合政策科学研究科博士課程(前期)1年次生

 同志社女子中学校に入学して間もない頃の礼拝で、同志社初期の用務員を新島襄先生が「五平さん」と呼ばれた話を聞き、人ひとりを大切にする新島先生の思いに感銘を受けたという阪田美枝さん。大学卒業後京都ホテル(社長秘書等)を経て、同志社女子大学の職員として多忙な日々を送る。ゼミの嶋田啓一郎先生が「専門以外のことを毎日一時間勉強しなさい」との教えを思い出し、仕事唄の収集に没頭する。全国各地で受け継がれてきた「紙漉き唄」や「酒造り唄」である。作業唄とも称される仕事の成功と安全を願い、神に捧げる唄であった。「大学の図書館司書だった頃です。研究発表で習ってきた紙漉きの実演も行うことになりました。参考資料も展示したいと思って同志社大学の書庫で探していた時、長唄『加美の里』という唄が出てきたのです。昭和15 年に越前地方で奉納されたものでした。一人だけ唄っておられた方が見つかったのですが、もう憶えていないというお返事でした。歌詞はあっても、曲が分からない。このままでは日本の伝統文化が忘れ去られてしまうという焦燥感にかられて調査を始めました」。母親が長唄の名取であり、譜面おこしにはその手ほどきを受けていたことも役立ったとふり返る。北海道から沖縄までを視野に入れた収集の旅はすでに半世紀を超える。これらの成果は書籍として結実している。1992 年に出版した『日本の紙漉き唄』(竹尾研究所: 大蔵省印刷局朝陽会より第1回受賞)、1999 年に刊行した『定本日本の酒造り唄』(チクマ秀版社: 日本酒造組合中央会日本酒大賞受賞)などである。「神様の導きか、ふっと思った時には夏休みや冬休みなどを利用して、4WD にビデオやカメラなどを積み込んで全国各地を一人で巡りました。山深い地で豪雪に行く手を阻まれ、恐ろしい思いをしたこともあります。でも、いつも取材先では大歓迎を受け、貴重な映像と音声を収録することができました。本当にチャレンジして良かったと思っています」。
 今年、阪田さんは同志社大学大学院総合政策科学研究科博士課程(前期)に入学した。80 歳で大学院での研究を志す契機になったのは、世界的に著名なジャズピアニスト山下洋輔氏の激賞だった。「2年ほど前のことです。友人を通じて山下さんのお手元に届き、『仕事唄は日本の文化の原点。極めて貴重な研究である』と背中を強く押していただいたのです。心から感激しました」。その直後に体調不良に陥った阪田さんは、がんと診断され、余命数年の宣告を受ける。昨年の6月のことだった。だが、この過酷な状況にも怯むことなく、治療を続けながら猛勉強し、合格を果たした。

 5月28 日から2日間、市内で山下洋輔ジャズピアノコラボ「造漉創(つくる)」が開催された。その惹句は「阪田美枝の唄への情熱を受けて山下洋輔の魂に火が付いた!」。第1部では阪田さんが熱い心を注いできた「紙漉き唄」や「酒造り唄」への思いを語り尽くし、第2部で日本文化の原風景と呼応する山下洋輔氏の演奏が披露された。「連日、満席でした。お客様から『素晴らしくて、鳥肌が立った!』というお言葉もいただきました。中学から大学まで、職員さらには理事も務めさせて頂き同志社に育てられたご恩と、神様とたくさんの方々とのご縁に恵まれたありがたい人生です」。現在、阪田さんは50 年余に及ぶ研究の集大成を国内外に発信するために、寸暇を惜しんでデジタルアーカイブ化を進めている。

My purpose動画

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