2025年4月22日 学部1年次生を対象に開催した「新島塾」講演会には、多くの学生が参加しました。
新島塾は、同志社の建学の精神を引き継ぎ、文系・理系の枠を越えて多様な視点を持つリーダーの育成を目的とした教育プログラムです。
この講演会では、新島塾が提供する1年半の集中プログラムの内容や理念について、佐藤先生優先生(同志社大学特別顧問)、後藤琢也先生(新島塾コーディネーター)、そして小原克博学長(新島塾塾長)自らが熱く語りました。
新島塾は、文理の壁を越え、フィールドワークや資格取得支援などを通じて「複合的視点からの考察力」や「物事の本質を見抜く力」を養うことを目的としています。
以下3つの必修プログラムを中心に、塾生は主体的に学びを深めていきます。
■「リーダーシップ論・ワークショップ」
■「読書から始まる知の探究」
■「合宿で鍛える知的基礎体力」
中でも最も重要なのが夏の合宿プログラム。
毎年さまざまな分野の講師を招き、塾生たちと3泊4日の間「びわこリトリートセンター」で空間と学びを共有しながら議論を重ねます。厳しいながらも充実した学びの時間が、塾生同士の絆を育み、新たな視野を広げる機会となっています。
合宿のテーマは毎年変わり、昨年度は「ビジネスと良心」、 今年度は「正義と良心」をテーマに実施予定です。
後藤琢也先生は「新島塾で求められるのは、協働的な学びに積極的に参加できる柔軟性と、逃げずに自分の苦手分野にも挑戦する姿勢」と述べました。
また、佐藤優先生は「新島塾を修了した塾生を見ると、学部を3つ4つ修了したかのような知識と教養を身につけている」とその成長ぶりを紹介しました。
参加者からは次のような質問があり、同席していた現役塾生からのリアルな声を聞くことができました。
学長は最後に、「同志社のレガシーを受け継ぎ、自分が本当に追い求める真理を探し続けてほしい」と新島塾の本質を語り、学生たちに強いメッセージを送りました。
講演会は、新島襄の精神を体現する「新島塾」の意義を広く伝える貴重な機会となりました。
なお、新島塾では、今年度の合宿(9月4日~7日)に参加する体験生(1年次生対象)を、最大10名まで募集する予定です。実際のプログラムを体験できる貴重なチャンスです。
興味のある1年生の皆さんは、ぜひこの機会にチャレンジしてみてください。
▶昨年度の合宿の様子
体験参加の募集は、6月初旬にHP・DUET・Portal・SNS等でお知らせする予定です。
▶Instagram
(事務局・高等研究教育院事務室)
関連情報 |
VISION2025 新島塾特設サイト 新島塾の詳細はこちらからご覧ください。 |
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生命医科学研究科 ティッシュエンジニアリング研究室の稲垣蒼一朗さん(2025年3月修了)らの研究成果が、「Experimental Eye Research」に掲載されました。
本研究は、ドイツのエアランゲン・ニュルンベルク大学との共同研究による成果です。
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)は角膜内皮細胞の変性と細胞外マトリックスの異常蓄積を特徴とする眼疾患で、角膜移植の最も多い原因です。今回の研究では、FECD患者の角膜内皮細胞におけるスプライシング(遺伝子情報の編集過程)の異常、特にイントロン保持と呼ばれる現象に着目しました。解析の結果、フィブロネクチンという、FECDに特徴的な角膜の裏側の構造物の主要成分の遺伝子で、イントロン保持の低下が見られました。興味深いことに、このイントロン保持の減少と、FECD患者の角膜内皮におけるフィブロネクチンの過剰発現には関連があることが判明しました。この発見は、スプライシングの異常がFECDの病態形成にどのように関わるかを示す重要な知見であり、将来的な治療法開発につながる可能性があります。
【稲垣蒼一朗さんのコメント】
本研究ではFECDの発症原因を探求するため、イントロン領域にのみ焦点を当てて行った初めての研究であり、発症原因の特定と将来の新規治療法開発に向けた重要な一歩です。
本研究で明らかとなった事実は、今後の病態解明の手掛かりになると考えています。
この場をお借りして、ご指導・ご支援を賜りました先生方、共同研究者の皆様に深く御礼申し上げます。
TCF4 expansion–associated loss of FN1 intron retention drives extracellular matrix accumulation in Fuchs endothelial corneal dystrophy
Soichiro Inagaki, Taichi Yuasa, Theofilos Tourtas, Ursula Schlötzer-Schrehardt, Friedrich Kruse, Noriko Koizumi, Naoki Okumura
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生命医科学部・生命医科学研究科事務室 TEL:0774-65-6020
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2025年4月28日
【大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト】
4月9日(水)に、「同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト(SPRING)」2025年度採用者向け説明会&交流会を今出川校地良心館ラーニングコモンズにて実施しました。
説明会・交流会には、2025年度に新規に採用された1、2、3年次生29名、既存のSPRING生12名の計41名が参加しました。
初めに、事業統括である小原克博学長から、日本の科学技術・イノベーション基本計画の中で、博士人材を養成する施策が検討された背景や、同志社大学大学院のSPRING事業で養成する人材像やプログラムの意義について説明がありました。また、事業統括のメッセージの中で「イノベーションはテクノロジーだけでなく、新しい価値を生み出し、社会を変革していくための「新結合」である。自身の専門分野の外側の異なる学問領域の人との話をし、関わり、つながりを持てる能力を身につけ、さらに知的好奇心を掻き立て、知の冒険者であってほしい」と学生たちに力強いエールをおくるとともに、これからはじまるSPRING生の活躍に期待を寄せました。
プログラムの説明会のあと、参加者全員での交流会を実施しました。参加者は、一人ずつ簡単に自身の研究テーマを紹介し、6つのグループに分かれて、自身の興味や研究内容のほか、先輩の活動経験などを話し合いました。「分野」や「文化」の異なる仲間や関係者との交流を通して、博士後期課程での研究のさらなる向上や新たな学びにつながることが期待されます。
関連情報 | 同志社大学大学院 博士人材育成支援 同志社大学大学院 博士人材育成支援のページは上記よりご確認いただけます。 次世代研究者挑戦的研究プログラム(概要) 同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト(SPRING)の詳細は上記よりご確認いただけます。 SPRING支援活動報告 SPRING支援活動報告のページは上記よりご確認いただけます。 |
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このたび、岩手県大船渡市で発生した山林火災、そしてミャンマーにおける大地震により、多くの方々が大切なものを失い、日常を奪われるという深刻な被害を受けました。大船渡市では広範囲にわたって森林が焼失し、避難を余儀なくされた住民の方々が不安の中で過ごしています。一方、ミャンマーでは、建物の倒壊やインフラの崩壊により、支援の手が届きにくい状況が続いており、多くの命が危機にさらされています。
このような苦難の中にある人々に、私たちは何ができるでしょうか。
「隣人を自分のように愛しなさい」
(マタイによる福音書22章39節)
この言葉が示すように、遠く離れた地にいる人々であっても、痛みを分かち合い、思いを寄せ、支援の手を差し伸べることは、私たちが果たすべき大切な使命です。
そこで、私たち同志社大学キリスト教文化センターは、大船渡市とミャンマーの被災地を支援するための募金活動を実施いたします。皆さまからの募金は、日本赤十字社を通じて、被災者の生活再建や地域の復興に活用されます。たとえ小さな一歩でも、その思いが集まれば、大きな希望となって届きます。「自分のように」大切に想い、支え合う心を、今、形にしませんか。皆さまの温かいご協力を、心よりお願い申し上げます。
2025年4月15日(火)~2025年6月20日(金)
受付時間 | 〔火曜日〕 17:05~17:15,17:55~18:05 |
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〔水曜日~金曜日〕 12:25~12:35,13:00~13:10 |
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受付場所 | 同志社礼拝堂 |
受付時間 | 〔月曜日~金曜日〕 9:00~11:30, 12:30~17:00 |
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受付場所 | キリスト教文化センター事務室(今出川) 〔クラーク記念館1階〕 |
いずれも祝日(祝日授業日含む)は、対応しておりません。
お預りした募金については、キリスト教文化センターが責任を持って、日本赤十字社へお届けします。
受け皿となる日本赤十字社の取り組みついては、こちらをご確認ください。
関連情報 |
大船渡市山林火災・ミャンマー大地震 被災地支援募金のお願い(京田辺校地) 京田辺校地での募金活動については、こちらをご参照ください。 |
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キリスト教文化センター事務室(今出川) TEL:075-251-3320
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このたび、岩手県大船渡市で発生した山林火災、そしてミャンマーにおける大地震により、多くの方々が大切なものを失い、日常を奪われるという深刻な被害を受けました。大船渡市では広範囲にわたって森林が焼失し、避難を余儀なくされた住民の方々が不安の中で過ごしています。一方、ミャンマーでは、建物の倒壊やインフラの崩壊により、支援の手が届きにくい状況が続いており、多くの命が危機にさらされています。
このような苦難の中にある人々に、私たちは何ができるでしょうか。
「隣人を自分のように愛しなさい」
(マタイによる福音書22章39節)
この言葉が示すように、遠く離れた地にいる人々であっても、痛みを分かち合い、思いを寄せ、支援の手を差し伸べることは、私たちが果たすべき大切な使命です。
そこで、私たち同志社大学キリスト教文化センターは、大船渡市とミャンマーの被災地を支援するための募金活動を実施いたします。皆さまからの募金は、日本赤十字社を通じて、被災者の生活再建や地域の復興に活用されます。たとえ小さな一歩でも、その思いが集まれば、大きな希望となって届きます。「自分のように」大切に想い、支え合う心を、今、形にしませんか。皆さまの温かいご協力を、心よりお願い申し上げます。
2025年5月13日(火)~2025年6月20日(金)
※上記期間は、京田辺校地での受付期間です。
受付時間 | 〔火曜日、水曜日、金曜日〕 12:25~12:35, 13:00~13:10 |
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受付場所 | 同志社京田辺会堂 言館(KOTOBA-KAN)礼拝堂 |
受付時間 | 〔月曜日~金曜日〕 9:00~11:30, 12:30~17:00 |
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受付場所 | キリスト教文化センター事務室(京田辺) 〔同志社京田辺会堂 光館(HIKARI-KAN)新館〕 |
お預りした募金については、キリスト教文化センターが責任を持って、日本赤十字社へお届けします。
受け皿となる日本赤十字社の取り組みついては、こちらをご確認ください。
関連情報 |
大船渡市山林火災・ミャンマー大地震 被災地支援募金のお願い(今出川校地) |
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キリスト教文化センター事務室(京田辺) TEL:0774-65-7370
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文化情報学部卒業生 近藤安香里さん(ソーシャルロボティクス研究室)が、第21回ACジャパン広告学生賞・テレビCM部門において「奨励賞」を受賞しました。
<奨励賞>
タイトル:知ることからはじめよう
テーマ :交通マナー
制作者 :近藤 安香里(制作代表者)、 神田 載伸、木野邑 匠史、吉野 紘司、梶川 碧
なお、本受賞作の制作者5名は、2024年度プロジェクト科目秋学期成果報告会にて「最優秀賞」を受賞しました。
2024年度プロジェクト科目「クリエイティブな映像制作で道路交通の安心安全を守る!」
科目担当者:堀出 大介
科目代表者:佐野 明子(文化情報学部)
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文化情報学部・文化情報学研究科事務室 TEL:0774-65-7610
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2025年3月1日に開催された日本設計工学会関西支部 2024年度研究発表講演会において、理工学研究科機械工学専攻の梅田知希さんが学生優秀発表賞を受賞しました。
梅田知希さんは、プラズマCVD法で形成したSiC膜の形成条件の1つであるTMSとH2ガス流量比がその構造、硬さ、摩擦特性に及ぼす影響を調査しました。
同志社大学理工学研究科 機械工学専攻博士課程(前期課程) 2年次生
(理工学部エネルギー機械工学科 卒業)
同志社大学理工学部機械システム工学科 4年次生
中村 守正同志社大学理工学部機械理工学科 教授
松岡 敬同志社大学理工学部機械システム工学科 教授
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理工学部・理工学研究科研究室事務室 TEL:0774-65-6211
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同志社社史資料センター TEL:075-251-3042
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同志社社史資料センターでは、2025年3月に『山岡家文書目録』を刊行いたしました。
本目録は、山岡尹方関係文書目録、山岡邦三郎関係文書目録、山岡春関係文書目録、書画・屏風目録で構成されています。
山岡家とは旧岸和田藩上級武士の家系で、ここで登場する3名は明治から昭和初期にかけて活躍した人物です。特に尹方と邦三郎は同志社とゆかりが深く、彼らの資料は岸和田と同志社の関係の深さを物語ります。春は岸和田を越えて女性活動家として知られていますが、彼女の資料には激動期の庶民の生活を物語る側面もあります。
同志社大学学術リポジトリにて目録を公開していますので、教育、研究にご活用ください。
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同志社社史資料センター TEL:075-251-3042
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2025年2月23日(日)、京都新聞文化ホールにて「第20回京都手話フェスティバル」が開催され、サポートスタッフとして活動している学生が、パソコン通訳(PC通訳)として参加してくれました。今回は、学外でのPC通訳を初めて経験したサポートスタッフのレポートを紹介します!
(政策学部政策学科 2年次生)
私は初めてイベントでパソコン通訳を担当しました。これまで何度かパソコン通訳を目にする機会はありましたが、見る側と提供する側の両者を体験することで改めて情報保障の重要性や支援の難しさを理解することができました。
特に、この度参加させて頂いた「手話フェスティバル」は聴者の方だけでなく、聴覚障がい者の方も沢山参加されていました。そのため、普段私が担当している学内授業でのパソコン通訳よりも多くの人が表示画面を利用されていると感じました。パソコン通訳は音声と文字表記を同時に表出することで、聴者と聴覚障がい者が同じ瞬間に同じ空気感を楽しむことができます。現在の社会では、全てのイベントにパソコン通訳が設置されている訳ではありませんが、今回のイベントのように情報保障が普及する契機になれば良いなと思いました。そして、学生時代の情報保障支援の経験を社会人になった際に、生かしていけるよう努力したいと思います。
お問い合わせ |
スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室(今出川) TEL:075-251-3273(寒梅館)/075-251-3261(明徳館)
スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室(京田辺) TEL:0774-65-7411
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生命医科学研究科 ティッシュエンジニアリング研究室の藤本創也さん(2025年3月修了)、遠藤眞子さん(2018年3月修了)らの研究成果がCellsに掲載されました。
角膜疾患治療の新たな展開
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)は、角膜内皮細胞の減少や細胞外マトリックスの異常蓄積により角膜の透明性が失われて視力が障害される進行性疾患です。現在の主な治療法は角膜移植ですが、ドナー不足や手術の侵襲性などの課題があります。
主な研究成果
研究チームは、カスパーゼ阻害剤であるEmricasanがFECDの治療に効果的かどうかを調査しました。その結果:
将来の展望
この研究はFECDの分子メカニズムに関する新たな知見を提供し、将来的には角膜移植に代わる薬物治療法の開発につながる基盤を確立しました。
【藤本創也さんのコメント】
本研究には多くの方々が携わっており、先輩方が積み重ねてこられた数々の成果に支えられています。心より感謝申し上げます。研究室配属後に初めて取り組んだ研究が、このように論文という形になったことを、大変嬉しく、また感慨深く感じております。
在学中は、本研究について国内外の学会で発表する機会をいただき、世界中の研究者の方々と直接議論を交わすという貴重な経験をさせていただきました。科学を通じて国際的な交流が生まれる場に身を置けたことは、これからの社会人生活においても大きな財産になると感じています。
現在は機械系メーカーに勤務し、グローバルに展開する製品の設計開発に携わっております。学生時代に得た経験を糧に、今後も世界に通用するものづくりに携わっていきたいと考えています。本研究の成果がFECDの新たな治療法の実現に繋がり、患者さんの助けとなることを心より願っております。
この度、私たちの研究が学術誌に掲載される運びとなり、大変嬉しく思います。本研究では、Caspase阻害剤に関する新たな知見を提供することを目的とし、研究を進めてまいりました。
在学中は実験や解析を重ねる中で、幾度となく困難に直面しました。しかし、そのたびに共同研究者や指導教員の皆様、関係者の方々の支えがあり、乗り越えることができました。皆様のご協力と励ましがなければ、この成果を達成することはできなかったと深く実感しており、大変感謝いたしております。
本研究が今後のさらなる研究の礎となり、学術的・社会的に貢献できることを心より願っております。
そして最後に、本論文の掲載にご尽力いただいた指導教員、共同研究者の皆様、私の卒業後も研究を継続してくださった後輩の皆様、そして論文掲載に関わった全ての方々に、心より感謝申し上げます。
本研究の詳細な内容は、以下をご覧ください。
Therapeutic Potential of Emricasan, a Pan-Caspase Inhibitor, in Reducing Cell Death and Extracellular Matrix Accumulation in Fuchs Endothelial Corneal Dystrophy
Sohya Fujimoto*, Mako Endo*, Shigehito Tonomura, Fuuga Tsuji, Hirotaka Haraguchi, Kanna Hasegawa, Taisuke Numao, Ayaka Izumi, Theofilos Tourtas, Ursula Schlötzer-Schrehardt, Friedrich Kruse, Yuki Oyama, Masahito Ikawa, Albert S. Jun, Noriko Koizumi and Naoki Okumura *共同第一著者
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生命医科学部・生命医科学研究科事務室 TEL:0774-65-6020
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生命医科学研究科 ティッシュエンジニアリング研究室の大山裕貴さん(2021年3月修了)、伊東優さん(2025年3月修了)らの研究成果が、Investigative Ophthalmology & Visual Scienceに掲載されました。
本研究では、フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)のマウスモデルを用いて、TCF4遺伝子の部分的な抑制がFECDの進行を改善できることを明らかにしました。FECDは、角膜内皮細胞の減少や異常な細胞外物質の蓄積により、視力低下を引き起こす進行性の眼疾患です。
研究グループは、遺伝子編集技術(CRISPR/Cas9)を用いてTCF4遺伝子の働きを部分的に抑制したマウスを作製し、FECD疾患モデルマウスと交配しました。その結果、TCF4遺伝子の部分的な抑制によって、FECDの特徴である「グッタ」と呼ばれる角膜内の異常構造物の形成が減少し、角膜内皮細胞の密度が保たれることが明らかになりました。
この研究は、同志社大学に加え、大阪大学、米国のバージニア大学との共同研究として実施されました。
本研究成果は、TCF4遺伝子がFECDの治療標的として有望であることを生体内で初めて証明したものであり、将来的なFECD治療法開発への重要な一歩となります。
【伊東優さんのコメント】
この度、修士課程での研究成果を論文として掲載できることを心から嬉しく思います。貴重な知見を共有しながら共に研究を進めてくださった皆様に心より感謝申し上げます。小泉教授、奥村教授のご指導のもと、国内外の学会での発表機会をいただき、自分の研究成果を発信する喜びや、様々な領域の専門家との活発なディスカッションを通じて多くの学びを得ることができました。研究活動を通じて培った問題解決能力や多角的な視点は、今後の社会人生活においても大きな財産になると確信しています。この経験を糧に、世界に微力ながらも貢献できる人材となれるよう、これからも日々精進してまいります。最後に、本研究に関わってくださったすべての方々に改めて心より感謝申し上げます。
本研究は、私が研究室に配属されてから初めて取り組んだプロジェクトの一つで、非常に思い入れのある研究です。遺伝子と病態との関連性を明らかにする過程で、研究と実験の面白さに魅了され、研究者を目指すきっかけとなりました。また、このような基礎研究が将来、眼疾患の治療法に繋がるという希望が、私の研究へのモチベーションとなりました。研究を遂行するにあたり、多大なご指導とご鞭撻を賜りました小泉範子教授、奥村直毅教授をはじめ、ティッシュエンジニアリング研究室の皆様、そして本研究にご協力いただいた多くの共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。私は現在、大阪大学大学院で博士号を取得後、ドイツのヘルムホルツセンターミュンヘンにて博士研究員として研究者のキャリアを積んでいます。今後もティッシュエンジニアリング研究室で得た貴重な経験を活かし、新しい技術と知識を積極的に取り入れ、魅力的な研究を進めてまいります。
本研究の詳細な内容は、以下をご覧ください。
Heterozygous Tcf4 Deficiency Mitigates Fuchs Endothelial Corneal Dystrophy Progression in a Mouse Model
Suguru Ito*, Yuki Oyama*, Taichi Yuasa, Koki Amano, Kotaro Onishi, Ayaka Izumi, Albert S. Jun, Masahito Ikawa, Noriko Koizumi, and Naoki Okumura
*共同第一著者
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生命医科学部・生命医科学研究科事務室 TEL:0774-65-6020
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詳細 |
https://research.doshisha.ac.jp/news/news-detail-72/ Organization for Research Initiatives and Development Gloval Website |
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2024年11月に公刊された文化情報学研究科の笠原千聖さん(博士課程(前期)2年次生)と阪田真己子教授(文化情報学研究科)の論文が、第25回ヒューマンインタフェース学会論文賞を受賞しました。
本研究では、アバタにどのような自己を投影するかを確かめる実験を行い、その結果、潜在的な願望や欲求、さらにコンプレックスや劣等感がアバタに反映されることが明らかになりました。アバタが「自己の潜在意識を映し出す鏡」としての役割を果たす可能性を示した点が高く評価され、受賞に至りました。
今回の受賞が、アバタを通じた自己理解・自己表現研究やアバタに関わる学際的研究の発展に繋がることを期待しています。
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学習支援・教育開発センターでは、センターの活動を学内外に知っていただくために、CLF report(同志社大学学習支援・教育開発センターレポート)を発行しています。
2025年3月31日に、vol.36を発行いたしました。ぜひご覧ください。
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