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【新島塾】「読書から始まる知の探究」塾生企画セッション_第1回活動
2023年12月22日(金)の6・7講時に、新見陽子教授(政策学部)による「国際社会に渦巻く問題に目を向け、知り、考える」をテーマとした塾生企画セッション第1回学習が行われました。
塾生企画セッションとは、塾生が取り上げたいテーマを検討し、当該分野を専門とする本学専任教員に講師を依頼するといった、塾生が主体となって進めるセッションのことを指します。今回の学習に際して、塾生は事前に「世界の食料安全保障と栄養の現状2022年報告」を読み、講義内で発表を行うためのパワーポイントを作成して臨みました。具体的には、報告書内で挙げられている動向から、国際社会が最も注視すべきであると各塾生が考えた動向を1つ挙げ、その動向を注視するべき理由や改善策についてまとめました。
6講時では、本セッションのテーマである「貧困・飢餓」の概念などについて、基礎的な説明がなされました。「貧困」とはどのような状態にあることを示すのか、辞書的な意味に加え、具体的な貧困に関する指標、基準について学びました。貧困と一口に言ってもさまざまな種類があり、その区別の一つに「絶対的貧困」と「相対的貧困」というものがあります。前者は人間らしく生きるための最低限の基準を満たしていない状態を、後者はその人が属する社会において大多数よりも貧しい状態を意味します。「貧困」と聞くと未発達な地域での飢餓状態を想像してしまいますが、こうした基準や指標を用いることで、先進国においても貧困は重要な課題であることが見えてきました。
7講時では、「世界の食料安全保障と栄養の現状2022年報告」を読み国際社会で見られる動向なその要因、解決策を事前にまとめたスライドをもとに、班で議論しました。食料コストの上昇というテーマに注目した学生が多く、健康的な食事を低コストでとることの難しさや現状について意見が出ました。解決策としては、資金の使い方を変えて低コストにすることや、女性の教育の推進によって健康的な食事をとることなどの意見が出ました。また、多くの意見は需要(消費する方)と供給(生産する方)といった構造で出されました。
次回の活動は1月13日(土)に行われます。今回の学習に引き続き、「なぜ飢餓がなくならないのか」ということを、需要と供給の観点、短期的・長期的な観点から考えます。また、『善意で貧困はなくせるのか?』(D・カーラン、J・アペル著/みすず書房)『貧乏人の経済学』(A・V・バナジー、E・ デュフロ著/みすず書房)の2冊の課題図書を踏まえた議論を行う予定です。飢餓について、より説得力のある意見を持ち行動するために学習に努めます。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第5期塾生 巽さん(社会学部)
新島塾第5期塾生 内田さん(商学部)
新島塾第5期塾生 宮本さん(法学部)
新島塾第5期塾生 角名さん(経済学部)
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