トピックス
【新島塾】「読書から始まる知の探究」塾生企画セッション_第2回活動
2024年1月13日(土)の3・4講時に、新見陽子教授(政策学部)による「国際社会に渦巻く問題に目を向け、知り、考える」をテーマとした塾生企画セッション第2回学習が行われました。
塾生は今回のセッションに際して、課題図書である『善意で貧困はなくせるのか?』と『貧困人の経済学』の計2冊と、新見教授から指定された資料の精読を行って臨みました。前回のセッションでは貧困や飢餓の現状を中心に学びましたが、今回はそのような現状の原因にまで踏み込んだ内容を扱いました。
3講時は、前回の講義で着目した「飢餓の状況が改善されていないこと」について、「需要と供給」「短期的・長期的」という観点から議論しました。需要という観点では、栄養よりもカロリーが高く、おいしいものを優先して買ってしまうという要因が挙げられました。つまり、本来は野菜や肉を食べて十分な栄養を取るべきなのに、高カロリーのものを食べてしまうために、栄養失調になるということです。供給という観点では、食糧を必要とする地域にものを供給できていないという要因があります。また、政府の「飢餓」に対する認識が現実と乖離しているために、適切なアプローチができていないことも挙げられました。つぎに、短期的な観点では、紛争・戦争や政治不安があります。例えば、紛争地域には外部から物資を提供することが難しくなります。最後に、長期的な観点では、人間の性質が挙げられます。つまり、栄養はないが、カロリーの高いものを買ってしまうという性質は、長期的に飢餓をもたらします。課題図書の1つである『善意で貧困はなくせるか?』では、行動経済学を用いてこうした問題の解決を図ります。
4講時では、前の時間のグループディスカッションを踏まえて、主に供給側(生産する方)の課題について学びました。供給側の課題として、人口増加や農地不足に対応するために生産性を高めることが挙げられます。中でも生産性を高めるためのインセンティブについてベトナムを例に出して考えました。農家が生産性を高めようとするための動機付けを行うことで、農作物の価格が上昇することになります。一方で、競争による格差の拡大などが考えられることから、公平性と効率性についてどのようにバランスをとるべきかといった議論がなされました。
次回の活動は1月26日(金)の6・7講時を予定しています。塾生企画セッションは次回で最後となるため、ここで得た学びを自分のものにできるよう、より一層気を引き締めて臨みます。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第5期塾生 巽さん(社会学部)
新島塾第5期塾生 内田さん(商学部)
新島塾第5期塾生 宮本さん(法学部)
新島塾第5期塾生 角名さん(経済学部)
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