宗教を通して、世界の動向と人間精神の内面を洞察する
人間の精神性への深い洞察が、現代の諸問題への新たなアプローチを提供する
2011年3月11日、東日本を襲った大震災はたいへんな被害をもたらしました。その直後から、神学部で学ぶ多くの学生が現地の教会を拠点としてボランティア活動に取り組みました。「神を愛しなさい。また、隣人を自分のように愛しなさい」 ― 聖書に記された隣人愛の精神を社会において実現することに重きを置いてきた同志社大学神学部の伝統の表れです。人類の長い歴史の中で、人が生きていくことに方向と力を与え、励ましてきたのが宗教です。人類史上、宗教を伴わなかった時代や社会はありません。その宗教を内側から深く理解し、研究するのが、神学という学問です。
キリスト教神学は、西洋では中世以来、大学の歴史とともに歩んできた伝統のある学問で、長い歴史のある大学には必ず神学部・神学研究科が設置されています。その一方で、神学は時代の変化に対応して、人々に新しい考え方を提供する柔軟性も兼ね備えています。たとえば科学や医学の分野において、環境破壊や生命倫理などの問題に対して、「人間に命が与えられていることにはどのような意味があるのか」という視点から問い掛け、課題を提起しています。
宗教への深い理解を育て、国際情勢を正しく見据える視点を養う
私たちは、もう一つの「11日の惨禍」を知っています。2001年9月11日、アメリカで発生した同時多発テロです。この事件の背景をなす大きな要因の一つとして、宗教的な価値観の相違が挙げられました。宗教は、現在も世界のあらゆる地域において、プラス・マイナス両面で大きな役割を果たしているのです。
テロや戦争だけでなく、政治・経済の問題なども含め、現代の国際情勢を把握するためには、宗教についての知識と理解がこれまで以上に求められています。同志社大学神学部は、同志社設立以来の伝統あるプロテスタント・キリスト教の研究に加え、他の宗教も視野に入れつつ、宗教現象の学際的・総合的な研究に取り組んできました。2003年度からは、キリスト教研究の一層の充実を図りながら、イスラーム研究とユダヤ教研究を積極的に導入し、研究対象を中東生まれの「セム系一神教」へと拡大しました。現在では、ユダヤ教、キリスト教、イスラームという、世界の文明の共存に死活的な役割を果たす3つの宗教を同時に、かつ本格的に学ぶことのできる、世界でも貴重な教育・研究機関となっています。
学びのポイント
- 3つの一神教を本格的に学ぶ
- 文明の共存を目指す
- 将来の目標に応じたカリキュラム
設立年
1875年同志社創立以来の神学研究機関
学科(1学年定員)
神学科(63)
主たる校地
今出川
専任教員数
19
学生数(女子)
291(161)
学部の特色
- キリスト教、イスラ−ム、ユダヤ教の3つの一神教を学ぶ世界有数の教育環境
- 「文明の共存」を目指して、国際的に活躍できる人物を養成
取得できる免許・資格
- 小学校教諭一種
- 中学校教諭一種(宗教)
- 高等学校教諭一種(宗教)
- 図書館司書
- 学校図書館司書教諭
- 博物館学芸員 など
関連のある主な資格
牧師 など
卒業後の主たる進路
- 教育・福祉
- 牧師
- 大手企業(サービス、商社 など)
- 国際機関
- 国家・地方公務員
- 大学院進学
さらに詳しい情報は神学部/神学研究科でご案内しています。
神学部/神学研究科オリジナルサイトでは、以下の情報もご案内しています。