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大学院教育改革支援プログラム

「大学院教育改革支援プログラム」とは

本プログラムは、中央教育審議会答申「新時代の大学院教育」において提言されたことを踏まえ、今年度新たに創設されたプログラムで、社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を育成するための優れた組織的・体系的な教育取組に対して重点的な支援を行なうことにより「大学院教育の実質化」を推進することを目的としています。
本学は、上記の中央教育審議会答申を受け、大学院教育の改革に積極的に取り組んでいます。

2008年度採択

安全・安心の設計システム技術者養成課程
(工学研究科・機械工学専攻)

目的

本教育プログラムでは、安全・安心な機械の設計ができる技術者を、講義とフィールド実習の両面から育成することを目的としています。講義では、構造設計を中心として安全設計に必要な基礎学力を修得すると同時に、安全に関する規格、法律、技術者倫理を体系的に学びます。フィールド実習では、企業や研究機関での事例(事故)調査、ワークショップ、そして国内や国外の研究機関等で行う国内・国際KY(危険予知)活動、KY活動報告会を実践して安全設計を体得します。これらにより、安全・安心最優先のリーダーシップを持った技術者を輩出します。

教育プログラムの概要

ジェットコースターの車軸破損(平成19年5月)や脱落タイヤとバスとの衝突(20年4月)など、構造に関わる重大事故が多発している。その多くは、安全に対して十分配慮して設計していれば防げた事故でもある。海外で同様な事故を起こせば、これまで培ってきた日本製品に対する国際的信用・評判は一夜にして崩れる。

いま、ベテラン設計者が大挙していなくなり、設計者の経験不足も顕在化しつつある。熟練設計者は構造物の安全性を肌で感じることができる。すなわち、危険が予知(KY)できる。しかし若い技術者にとって、安全で、安心な設計の概念と素養をベテラン技術者から教わる機会は激減した。現在の大学院生は当該専門分野には高い知識と解析力を有するが、その範囲は極めて限られている。また、前期課程では系統立てて科目が用意されているにも関わらず、学生は「単位が取り易い」など自己中心的に履修科目を選択する傾向がある。日本発の高度な安全性を維持し、安心なものづくりを進め、世界的競争力を維持・発展させるための安全・安心設計の素養は、専門的知識を吸収・発展させる場としての大学院で修得させておかなければならない。安全・安心を確保した機械・構造物の設計には、機械工学の基礎を十分理解した上で先端の設計システムに精通した技術者と、環境面での安全にも精通した研究開発者が望まれる。そのためには、技術者が若いうちに安全設計の重要性を体得させる必要がある。わが国はものづくりによって支えられている。製品の多くは海外に輸出される。このとき、国際標準に沿った機械の安全・安心設計が要求される。グローバリゼーションが進む中、技術者にも高い国際性が望まれる。これも大学院博士前・後期課程で培う必要性は極めて高い。

本プログラムでは、機械・構造物の設計において「どのように安全・安心を確保すべきか」、「それらを優先した設計とは何か」について学生に理解させ、国際的に通用する先端研究活動を実践させる。課程での研究分野に関わらず、安全・安心設計の基礎を講義と実習作業を通して確実に学ばせる。また、国内外の専門家を招聘し、経験者の目と事故事例、安全に関わる規格や法律・倫理についても学ぶ。機械工学は、大まかに@材料・構造、A熱・流体、B振動・制御・生産、の三つの分野に大別される。本プログラムでは、いずれの分野の研究を進める学生についても、本プログラムが提供する所定の課程を修了すれば、博士前期課程では、修士学位に加え、「安全・安心教育コース修了認定書」を交付する。

系統立てた履修と基礎学力の保障

本プログラム履修者は、安全・安心に関する必修科目を履修する。学生は自己の研究専門分野を定め(主領域)、そこから基幹科目を必要数履修する。主領域以外の副領域からもその基幹科目の幾つかを必ず履修する。これにより、例えば、タービン翼周りの流れを研究する学生は、安全設計のために必要な基礎学問:構造・システム(振動・制御、生産など)について、系統立てた知識が得られる。材料・構造系を主領域とする学生は、熱・流体系科目を必ず学ぶことにより、例えば原子力発電所で発生した蒸気パイプの減肉のメカニズムが理解でき、設計や検査指針立案での思慮が増す。

フィールド・実習に関して

安全講演会に出席、聴講するとともに、履修系統図(後述)に記載されたすべての次の事業を行う:(1)事例(事故)調査(1年次:企業等での実習)、(2)ワークショップ(1年次末:事例調査結果を基に問題点の洗い出しのための報告会)、(3)国内KY活動/国際KY活動:企業等の受入先で危険予知(KY)作業と安全設計の取組を修得)。これらのKY活動実践を通して、高い企画力、リーダシップをもった人材を育てることができる。(4)事例調査国際報告会(2年次末:(1)~(3)の活動の総括報告)。

博士後期課程では、上記に加え国際的素養を一層培うため、国際研修、プロジェクトマネジメント実習、同成果を報告する連携大学国際学生報告会を開催する。在学中3~12ヶ月の海外研修が義務付けられる。このように広い分野を網羅した安全・安心に関する知見の履修の機会を提供するために、本コースを用意する。

修士論文と正課学修及び「安全・安心」関連学内外活動成果を基に、安全設計に必要な素養を十分身に着けたかを学内外の委員で構成される合同委員会で評価して、コース修了を認定する。本教育プログラムでは同志社大学の建学の理念である良心教育に基づき、国際的視野に立って安全・安心がpriority #1の機械工学分野の人材を育成する。併せて、先端研究を通じて高い問題解決能力も身に付けさせる。

履修プロセスの概念図

履修プロセスの概念図
さらに詳しい情報は 安全・安心の設計システム技術者養成課程でご案内しています。

安全・安心の設計システム技術者養成課程オリジナルサイトでは、以下の情報もご案内しています。

  • ・課程の概要
  • ・履修プロセス
  • ・授業紹介
安全・安心の設計システム技術者養成課程
2007年度採択

研究センター連携型オープンフィールド教育
(文学研究科・心理学専攻)

目的

本学に設置した「こころの生涯発達研究センター」および「感情・ストレス・健康研究センター」と大学院教育の有機的連携を強化する教育プログラムです。大学院学生を研究センターの研究への参加に加え、海外インターンシップにも参加させることで、学際的かつ国際的な共同プロジェクト研究を可能とし、その結果、大学院で学んだ知識を社会ニーズに応じて活用する能力、研究プロジェクトを企画・実現する能力等を養成する事を目的としています。

教育プログラムの概要

  1. 本教育プログラムの大学全体としての位置づけ
    本学は、現代的な課題に対応する機動的な研究組織としてこれまでに15の研究センターを立ち上げてきたが、その中で文学研究科心理学専攻においては、平成17年に「こころの生涯発達研究センター」と「感情・ストレス・健康研究センター」を設置した。この2つのセンターの特徴は、大学院学生もプロジェクト研究員として委嘱することである。これによって、大学院学生が自ら研究プロジェクトを立ち上げ、プロデュースすることによる大学院教育の実質化を図る体制が整えられた。本教育プログラムは大学院・研究センター連携方式を継承発展させる本学の大学院充実中期計画の一環として、全学的な支援体制のもと実施されるものである。
  2. 本教育プログラムを用いた大学院教育の全体像
    この教育プログラムでは、従来の実績ある大学院教育システムと研究センターにおける「オープンフィールドプロジェクト研究システム」とを有機的に連携させる。オープンフィールドプロジェクト研究システムでは、研究センターに所属する国内外の研究者および医療や教育の現場で実践的活動を行う専門家とともに、大学院生が学際的かつ国際的な共同プロジェクト研究を行う。この連携により、学内における教育を、研究センターをインターフェイスとして学外での学際的な研修・研究と結びつける。このプログラムにより、社会のニーズに応じて専門的知識を活用する能力および学生が自ら研究プロジェクトを企画・実現してゆく能力を養成することが可能になる。さらに、外部機関での研修・研究成果を大学院教育にフィードバックすることを通じて、大学院教育システムのさらなる改革と発展も実現する。
  3. 教育プログラムの3つのフェイズ
    フェイズ1 前期課程に対応し、学生を研究インターンシップとして実践的に参加させる。その成果は、大学院担当の専任教員全員が担当する「心理学体系論」の授業において報告される。
    「心理学体系論」では、インターンシップ体験のための基礎的知識を伝授し外部機関との連携の円滑化を図り、後には授業での報告とレポート提出を通じた事後指導が行われる。この科目を通じて実践的な活動の全体像を把握させ、また従来からの専門科目において先端的かつ高度な専門知識を蓄積させる。
    フェイズ2 後期課程1、2年次に対応し、学生を共同研究プロジェクト研究員として国際共同研究に参加させ、社会ニーズを視野に入れた学際的研究を自らプロデュースする能力を養わせる。
    新たに設置する「プロジェクト科目」の授業において、共同研究プロジェクトの企画とマネージメントの状況を指導教員及び副指導教員がモニターし、実践的な活動の推進に必要なスキルを身につけさせる。さらに「心理学特殊研究」において、学生の研究テーマに関する専門的な指導を行う。
    フェイズ3 後期課程3年次に対応し、学生に5年間の成果を博士論文としてまとめさせる。
    博士論文の中には、学生が個人で行う研究だけでなく、自らがプロデュースした共同研究プロジェクトの成果を盛り込むことを義務づける。

履修プロセスの概念図

履修プロセスの概念図

国際的「理論・実践循環型」教育システム
(福祉各界で活躍する高度専門職業人の育成)
(社会学研究科・社会福祉学専攻)

目的

国内のみならず海外におけるフィールドワーク(実習)の実施および社会福祉教育・研究センターと連携することによる「理論と実践の好循環」により、大学院教育の実質化を図る教育プログラムです。また、当該専攻が長年にわたって構築した海外の大学、研究者との関係を活用して「国際アドバイザリー・コミッティ」を設置し、大学院教育の国際化を図るとともに、国際的な見地からの評価による当該専攻の教育課程の改善・発展を目的としています。

教育プログラムの概要

本教育プログラムは、「人一人ハ大切ナリ」(新島襄)の精神にもとづき、「理論の実践化と実践の理論化」の実現のために実施される。これまで長年にわたって培ってきた豊富で国際的な人材・各種福祉機関ネットワークを活用しつつ、大学院教育における国際的な「理論・実践循環型」教育システムを構築する。

  1. 具体的な教育取組み
    社会学研究科社会福祉学専攻が取り扱う社会問題、生活問題へのアプローチには、観察能力、問題発見能力、実証分析能力、あるいは実践解決能力が求められている。こうしたスキルの修得のためには福祉現場におけるフィールドワーク(実習)が欠かせない。したがって、具体的な教育取組として、第1に、前期課程では現在も実施している各種福祉施設・機関でのフィールドワーク(実習)を必修化する。と同時に、海外での各種フィールドワークの場を開拓し、それを単位に組み入れることにする。後期課程では、国際アドバイザリー・コミッティの協力を得ながら、院生主体国際セミナーの開催や国際共同プロジェクトを組織し、国際的な場で活躍する研究者、高度専門職業人の育成に努める。第2に、大学院社会福祉教育・研究センターおよび同志社社会福祉学会の協力を得ながら、福祉現場で活躍するゲストスピーカーを招き定例ケース・コンフェレンスとスーパーバイザー養成講座を開催し、将来の職業的スキルとモチベーションの涵養に努める。また、同教育・研究センターのおこなう調査研究、教材開発にリサーチアシスタント(RA)として参加することにより、研究者あるいは高度専門職業人としての研究分析能力の高進を図る。また、院生主体国際セミナーにおいては、大学院生もセミナーの運営に積極的に関ることとし、そうすることにより、プロジェクトの企画やマネジメント能力の涵養も期待できる。そうした積み重ねから、国内的には上級ソーシャルワーカーや福祉スーパーバイザー、また、国際的には国際NGO・NPOのリーダー、国際機関の福祉コーディネーターなどの人材を育成することが期待される。
  2. 国際アドバイザリー・コミッティの設置
    学術交流包括協定校の中での社会福祉系学部・大学院(12校)、あるいは海外在住の元客員&特別招聘客員教授と招聘予定の客員教授を組織化した国際アドバイザリー・コミッティを設置する。これらのコミッティによる海外でのフィールドワークの受入れ指導体制、国際共同研究シンポジウム、院生主体国際セミナー、カリキュラム改革、研究指導さらには研究教育評価システムの導入など、支援・評価体制を研究者・高度専門職業人養成システム改善に導入する。
  3. 社会福祉教育・研究センターによる「理論と実践の好循環」の実現
    同志社大学社会福祉学科では、卒業生からの募金をもとに、2007年10月、社会福祉教育・研究センターを設立する予定である。このセンター、および、福祉各界で活躍する人材が多数会員になっている同志社大学社会福祉学会(1986年設立、会員数500名)との密接な協力の下、ケース・コンフェレンスとスーパーバイザー研修会を開催し、それに院生(前期および後期課程)の参加を促す。これらには大学院担当教員も参加し、ワークショップ形式で運営する。2年間の実績を吟味しつつ、単位化の方向を検討する。同センターの研究活動としては、福祉職のキャリアパスの調査・開発とその教育・啓発用ビデオの製作を予定しているが、これに院生がRAとして参加することにより、観察能力、問題発見能力、実証分析能力、あるいは実践解決能力の向上を実現する。

履修プロセスの概念図

履修プロセスの概念図
さらに詳しい情報は 同志社大学社会福祉教育・研究支援センターでご案内しています。

同志社大学社会福祉教育・研究支援センターオリジナルサイトでは、以下の情報もご案内しています。

  • ・内外共同研究交流事業の実施
  • ・教員・院生研究成果
  • ・資料集・写真集
同志社大学社会福祉教育・研究支援センター

電力・通信インフラ研究者・技術者育成課程(工学研究科・電気工学専攻)

目的

当該専攻の教育・研究分野の中でも、特に我々の生活に必要不可欠な「電力・通信インフラ」の分野を対象とし、基礎理論の理解から企業や研究機関でのインターンを経て,理論の高度化・応用へと展開する体系的な教育プログラムです。また、海外の協定校への派遣に加え、学生による国際会議の開催による国際性の涵養および国際的な場においてもプレゼンテーションおよびマネジメントできる能力等を持った技術者を養成する事を目的としています。

教育プログラムの概要

本教育プログラムでは同志社大学建学の理念“キリスト教(道徳)主義”、“国際主義”、“自由主義”を身につけ、公共インフラとしての電力系統・通信系統の基本理論を理解し、主義・主張・国境を超えて社会財産を維持し、国民に奉仕できる精神力と技術力を有する技術者・研究者を養成する。これまでの理工系大学院教育が、ともすれば専門知識供与・技術能力付与のみ重視してきたのに対し、本プログラムでは専門能力の育成に加え、特に組織的に問題を特定し、解決手段を導出する必要のある電力・通信インフラ領域において要求されるプレゼンテーション能力、コミュニケーションスキルと併せて課題設定能力・問題解決能力を付与する。

基礎知識の部分においては:@電力送配電や情報通信のためのネットワークシステムの概念の理解、A電力伝送や有線・無線通信に必須な電磁界の概念理解、の2領域科目群の履修を義務付け、この中でさらに理解を立体化させるためにB実設備を見学し、変電所・受電施設などや単体の電力機器を設計する機会を与える。したがって、電力工学特論Ⅰ、Ⅱを履修させ、この中で社会インフラとしての電力・情報通信ネットワークの重要性と、この領域の技術者が具備すべきモラル・基本認識についても教授する。さらに電磁気学特論I、通信方式特論Ⅰ、Ⅱ、通信理論特論、高周波工学特論Ⅰ、Ⅱ、電磁波工学特論、応用電波工学特論、光導波エレクトロニクス特論の中から最低4科目を履修するよう義務付ける。

プレゼンテーション能力とコミュニケーションスキルの開拓においては、同志社大学の海外協定校、あるいは電気工学専攻教員による共同研究、またはプロジェクト研究を実施している海外協定大学とC学生国際会議を実施し、プログラム受講者全員に発表させる。ポスター発表や口頭発表の場のみでなく、会議全体の運営も学生に責任をもってあたらせ、レセプションなどイベントを企画・立案・運営し、さらに協定校の学生・研究者と調整することにより、新たな能力開発の機会とする。また、日常の学びの場においては、各研究室におけるセミナー活動と、複数の研究室が交流して行うD合同研究状況報告会の実施により、学生どうしが自己の勉学の進捗状況を確認するのみでなく、教員が他研究室の運営方法の良い部分を知る機会ともなる。

課題設定能力・問題解決能力については、E連携大学院の制度と、このプログラムとともに開始する中期企業インターン、およびこのプログラム運営のために組織する「同志社大学電気工学技術者育成外部評価委員会」(以降「電気工学外部評価委員会」と短縮)により充実する。従来の通りの個別研究室での学習・研究指導を博士前期課程一年次に受けた後、博士前期課程二年次以上者を対象として、連携大学院制度を用いた企業・独立行政法人研究所での実習、若しくは1ヶ月以上の他大学、研究機関、企業現場でのインターン実習を行う。当然、同志社大学の海外協定大学、海外共同機関およびこれらと連携する海外企業などもインターン先として割り当て、学生の留学実習をコース修了要件とする。

プログラム全体の運営として、学生が常に自己の到達度を確認できるよう、研究室セミナーにて簡単な発表を行わせるとともに、早期から国内学会、国際学会に発表する機会を与える。さらに合同研究状況報告会実施による研究室相互の評価作業のみならず、電気工学外部評価委員会にも学生の習熟度・研究進捗状況を確認して頂くことにより、より客観的な評価に基づいた学生指導が行える体制を実現する。このため、電気工学外部評価委員会を、電力伝送・情報通信分野の最前線で活躍している現役技術者や現場経験者、他大学・研究機関から研究者・実務者により構成する。学生に“学外でも活躍できる”自信を与え、勉学意欲の向上に繋げる。

履修プロセスの概念図

履修プロセスの概念図