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同志社の人と研究

新たな発展の源泉となるクリエイティブ・エコノミーの戦略的研究・情報発信拠点【創造経済研究センター 河島 伸子(経済学部教授)】

'14年10月1日 更新
 20世紀における日本経済は、大量・安価・効率を追求することで成長してきた。しかし21世紀、パラダイムシフトにより経済競争力強化の方向性は大きく変化している。国民生活の質を向上し、環境への負荷を伴わない持続可能性を持った経済の発展を考えた時、鍵となるのは市場価値のあるイノベーションをもたらす創造力である。そうした考え方をコンセプトに、R&D(研究開発)戦略、人材育成、創造都市、国家ブランディングと創造産業育成政策、福祉政策といったテーマで研究を進め、国内外に情報を発信していく拠点として2013年4月、「創造経済研究センター」が発足した。「国際」と「学際」をキーワードに基礎研究を進め、政策提言を行っていくセンターの活動内容や特徴について、センター長の河島伸子経済学部教授に伺った。

4つの研究領域と9つの研究会

 創造経済研究センター設立の目的は、21世紀において経済の競争力の源泉は創造性にあるというところから出発し、社会的・経済的価値のある創造的活動を促進する社会経済システムを構築することにあります。そのために現在、以下の4つの領域を設定し、それぞれに研究会を組織して研究活動を進めています。

  1. 市場価値イノベーションとR&D基盤に関する調査・研究
    ・「ビッグデータによるイノベーションシーズの探索システム構築研究会」
  2. 創造的人材を吸引する創造都市形成に関する調査・研究
    ・「創造都市形成研究会」
    ・「St. CORE(セイントコア)研究会」
  3. 国家ブランディングを高めるコンテンツ産業の育成に関する調査・研究
    ・「グローバル化する文化創造業政策の今後」
    ・「伝統文化の現代的創造研究会」
    ・「創造産業の持続的発展に関する研究会」
  4. 創造経済における生活の質向上に関する調査・研究
    ・「公共経済学フロンティア研究会」
    ・「幸福感とスポーツ政策研究会」
    ・「幸福感分析研究会」

「国際」をキーワードにシンポジウムを展開

 これらの研究会の中で、例えば創造都市形成研究会では、アーティスティックな活動や文化イベントなどにより創造的人材を吸引していくという創造都市形成の1つのスキームの中で、都市内で価値連鎖がどのようにつながっていくのか、あるいは障がい者や高齢者を地域に取り込んでいく社会的包摂というものを、具体的に都市の中でどのように進めていくべきかということが研究のテーマとなっています。
 また、新しい芸術概念を世界に発信するとともに、才能ある人材を世界から吸引し、そのコラボレーションをプロデュースすることにより、新たな創造物をつくっていこうとしているのが、「セイントコア研究会」です。この研究会の具体的活動として今年6月10日、ユネスコの元アジア・ディレクターであるステファン・ヒル教授をメインゲストに迎え、アーティストのツトム・ヤマシタ氏がプロデューサー的役割を担い、同志社礼拝堂において「多文化社会における普遍的価値の共有」をテーマにした国際シンポジウムを行いました。そこでは共通価値の共有化と人間性・精神性に基づいた創造経済の構築について活発な議論が交わされました。
 当センターの役割を表すキーワードに「国際」があり、様々な国から研究者を招いてシンポジウムを開催していることもセンターの大きな特徴です。昨年2月、フランス、ベルギー、イギリス、ドイツ、スイスの5カ国から研究者を招き、幸福の経済学に関するワークショップを開きましたが、10月にはそのブラッシュアップ版として、パリで国際会議を開催します。その結果は英文で出版する予定になっています。

京都にある意味と同志社大学にある必然性

 国家ブランディングという点については、クールジャパンに見られるように、国のブランドを印象づけることによってマーケットを拡大することが、1つの具体的政策目的としてあります。日本に対する文化理解度、リスペクトを高めるためには、浄瑠璃や能楽といった伝統文化や映像、音楽などの創造産業を積極的に世界へ発信していくことが必要になります。
 その意味でも、当センターが京都にあるということは重要なのです。長い歴史、文化の蓄積があり、クリエイティブ・エコノミーの土台的要素が凝縮されている京都から世界に発信することが、何より求められているといっていいでしょう。
 さらに、同志社大学に開設された背景を考えると、そこには明確な必然性があります。昨年度より、経済学研究科にはクリエイティブ・エコノミーコースが設置されています。そうした科目のある大学は、国内にはほとんどありません。また、センターのメンバーになっている教授、研究員などの人材の厚みも大きく、2年前には日本人と外国人合わせて400人ほどが参加した国際文化経済学会の大会を開催しました。
 当センターに期待されているのは創造経済に関する世界の拠点化です。ハブのような形で国内外の様々な組織・団体と連携していく。そのためには内部での研究の蓄積と発信能力を高めていくことが求められます。今後は、「学際」の意味合いも含め、シンポジウム、出版、ワークショップ、様々な機会を通じて国内外の研究者たち、研究機関、学術団体、一般企業とのコラボレーションをより進めていきたいと考えています。

同志社大学通信One Purpose180号掲載
創造経済研究センター 河島 伸子(経済学部教授)
セイントコア研究会のリーフレット

セイントコア研究会のリーフレット

国際ワークショップ「創造産業とアジアにおける文化の交流」風景。

2014年7月9-10日に開催された国際ワークショップ「創造産業とアジアにおける文化の交流」風景。2日間にわたり、フランス、オーストラリア、イギリス、シンガポール、韓国、台湾、香港からの参加者らと議論を交わした。

	「多文化社会における普遍的価値の共有」シンポジウム風景。会場からも活発な意見が出た。

「多文化社会における普遍的価値の共有」シンポジウム風景。会場からも活発な意見が出た。

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