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理工学部 小寺政人教授らの研究グループの研究がAngewandte Chemie International Edition に掲載されました。

関連カテゴリー : 研究・産官学連携
'17年6月6日 更新
今回、小寺教授の研究グループは、研究室で独自に開発した二核銅錯体を触媒として用いて、過酸化水素を酸化剤とするベンゼンの直接酸化による選択的フェノール合成に成功した。この反応は、1時間あたりの触媒回転数が1010回であり、40時間では触媒回転数は12000回を越え、ベンゼン転化率22%以上、フェノール選択性95%以上を達成した。フェノールは、住宅建材、自動車エンジンや電子部品の鋳型、防火パネル、断熱材、医薬や農薬の原材料として重要であり、その国内生産量は年間に100万トンを越える。現行のフェノールの工業製法はクメン法が用いられているが、これはベンゼンを原料として爆発性の過酸化物であるクメンヒドロペルオキシドを経由する3段階の反応であり、この過酸化物の濃度を上げることができないために、用いるベンゼンの5%程度しかフェノールを生産できない。また3段階の反応プロセスは、低エネルギー効率、濃硫酸の使用、副生成物の生成など、環境への負荷が大きいということも問題である。しかし、酸素分子を酸化剤とするベンゼンの直接酸化によるフェノール合成では過去50年間でベンゼン転化率5%、フェノール選択性50%を越える優れた触媒は全く存在しなかった。このためにベンゼンの直接酸化による効率的なフェノール生産法を開発することは、化学産業界における21世紀の大きな目標の1つであった。今回の我々の研究が高効率・高選択的フェノール生産法の開発に向けての突破口となるように、現在さらに研究を進めている。

本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST)「バイオインスパイアード二核金属メタン酸化触媒の開発」(2016-2021, 代表:小寺政人)の支援を受けて行われました。

掲載誌
Angewandte Chemie International Edition (DOI: 10.1002/anie.201702291)

題目
Specific Enhancement of Catalytic Activity by a Dicopper Core: Selective Hydroxylation of Benzene to Phenol with Hydrogen Peroxide
二核銅コアによる触媒活性の特異的増大:過酸化水素によるベンゼンのフェノールへの選択的水酸化

著者
辻 朋和 (理工学研究科応用化学専攻 博士課程(後期課程)3年次生)
ザオプトラ アントニウス アンドレ (理工学研究科応用化学専攻 博士課程(前期課程)2年次生)
人見 穣 (同志社大学理工学部 教授)
三枝 薫 (兵庫県立大学理学部 研究員)
小倉 尚志 (兵庫県立大学理学部 教授)
塩田 芳人 (九州大学先導物質化学研究所 准教授)
吉澤 一成 (九州大学先導物質化学研究所 教授)
佐藤 寛泰 (株式会社リガク応用技術センター 主任研究員)
小寺 政人 (同志社大学理工学部 教授)
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