小野塚 佳光
専任教員紹介
小野塚 佳光 ONOZUKA Yoshimitsu
研究テーマ | 国際移民と国際通貨制度をめぐる論争 |
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研究室 | 良心館471号室 |
演習(ゼミ)紹介 | 国際政治経済学:ガバナンスの革新と国際システムの歴史的な調整 |
HP | 国際政治経済学 IPEの果樹園 |
詳細 | 研究者データベース(オリジナルサイト) |
国際政治経済学(IPE)は、1960年代後半、戦後国際秩序が動揺する中で、英米の支配的な思想と秩序が新しい秩序を模索する中で誕生した学問です。それは、政治と経済の境界が薄れ、国内問題と国際問題の区別が失われつつあるという意識、また、国民国家の主権や政策能力が損なわれるという危機意識を持った研究者や政府関係者が示した共通の関心に基づいています。
今では、グローバリゼーション、もしくは世界市場統合や世界資本主義、と呼ばれる社会変化が、国際政治経済学の背景であり、その転換もしくは危機が主要な対象となっています。
私が最初に研究したのは、世界の貧困や国際移民の問題でした。発達した資本主義経済とは異なる、貧しい諸国の特徴、豊かな国との違い、そして開発に関する理論・論争を研究しました。
また、私は国際通貨制度の改革論を研究してきました。貨幣をめぐる問題の解決方法は、政治秩序や社会の転換、編成を決定する仕方に重大な相違をもたらします。人類が市場を介して達成した能力は、国内でも、世界でも、戦争や恐慌のような社会的危機の爆発をもたらすことがあります。貨幣のもたらす秩序は、その打開策として、新しい制度や政策をめぐる激しい論争の中心にあります。
移民問題と国際通貨制度を研究しながら、私は政治経済学と社会思想を現実の変化の中に探しています。人間が文明的な生活を享受するには、必ず、互いに協力できる共通の基礎が、すなわち、秩序がなければなりません。それは、強者が弱者を支配するだけでなく、合意を形成し、制度を構築することでも得られるでしょう。IPEは、そのような国際秩序の理論的探求として、また、異なる時代や社会の比較研究として、発展し続けています。
学生へのメッセージ
大学生活を、大きく学ぶチャンスだと考えて、大いに議論し、挑戦してください。
演習(ゼミ)
演習テーマ:国際政治経済学:ガバナンスの革新と国際システムの歴史的な調整
(2年)政治経済学、国際経済、国際関係論について学ぶ。
(3年)歴史や現在の論争から、政治と経済との相互作用・対立を考える。
(卒業研究)自分のテーマを決めて、国際政治経済の考え方を深める。前期、後期、各2回の報告。
11月末、1万字の草稿提出。
最低2回の書き直し。
毎週「IPEの果樹園」から現代の論争を学ぶ。
2年次演習 |
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現在の政治経済問題についてグループに分かれて話し合い、面白い記事,論説,本を探します。 [履修条件] |
3年次演習 |
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政治経済学についてのテキストを読んで、考えます。経済学史や社会思想史の本を読みます。市場の影響で政治や社会が変化してきたことを、さまざまな歴史や事件を通じて考察したいです。 [履修条件] |
卒業研究 |
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卒業研究は、一人、もしくは二,三人でテーマを決めて書きます。国際政治経済学の関心からテーマを選んでください。 [履修条件] |
関連する科目
既修・併修を強く勧める科目
- 国際政治経済学
既修・併修が望ましい科目
- 経済思想史
- エコロジー,環境
- 政治経済学
- 経済史(アジア・中国:世界・アメリカ・ヨーロッパ)
- 現代資本主義
- マクロ経済学
- 開発経済
- その他、政治学、社会学、国際関係などの他学部科目