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アカデミック・ポートフォリオを活用したセルフ・プロデュース型キャリア能力開発システムの構築

2019年度 採択プログラム

アカデミック・ポートフォリオを活用したセルフ・プロデュース型キャリア能力開発システムの構築

事業者(学部・研究科)

心理学研究科

概念図


概念図

概要

 大学院生が将来のキャリアを見定めてその力量を高めていくためには、計画的にカリキュラムを履修していくだけでは十分とは言えない。将来のキャリアは一人ひとり異なっていることから、個々の大学院生が自分に必要とされる力量を定め、その力量を高めるべく主体的にカリキュラム内外の諸活動に従事して、研鑽を積むことが求められる。そこで本事業では、アカデミック・ポートフォリオを活用したセルフ・プロデュース型のキャリア開発システムの構築をめざす。
 アカデミック・ポートフォリオとは、形式的には自身の研究活動、教育活動、その他のカリキュラム内外の諸活動に関する資料を取りまとめたものである。しかし単なる自己活動の記録ではなく、その資料に基づき自己省察したり、他者評価(他の大学院生や指導教員等)を受けたりすることを通して、自己のキャリア能力を高めていくためのものであり、次のキャリアを目指す際の業績評価資料にもなりうるものである。本事業では「人一人を大切にして、それぞれの可能性を伸ばすこと」を念頭に、ポートフォリオ評価の自己成長を促す特性を生かした上で、自らのキャリア・ビジョンを明確に持ち、そのビジョンに適うキャリア能力を備え、今後も自分のキャリア実現のために学び続けようとする強い意志を有する人物の養成をめざす。

全体像・達成目標

【背景】
 現在、大学院教育では中央教育審議会大学分科会(2015)からも提言されているように、高度な専門的知識と倫理観を基礎に自ら考え行動し、新たな知及びそれに基づく価値を創造し、グローバルに活躍し未来を牽引する「知のプロフェッショナル」 育成が求められている。これに対して本研究科では、大学院教育改革支援プログラム(大学院GP)に採択された「研究センター型オープンフィールド教育」(2007-2009年度)、またその後のGP後継事業を通して、研究開発推進機構に設置したこころの科学研究センター(GP採用時は、こころの生涯発達研究センターと感情・ストレス・健康研究センター)と連携しながら、大学院生が学際的かつ国際的な共同プロジェクト研究を行い、社会のニーズに応じて専門的知識を活用する能力および自ら研究プロジェクトを企画・実現してゆく能力の養成を図ってきた。
 従来のこれらの事業において、大学院生が社会的ニーズに応えながら自らの専門性を主体的に高め、協働のもと新たなる知を創造する機会を提供することはできていたが、大学院生がこれらの機会を活かして自らのキャリア・ビジョンに適う国際性や学際性、あるいは協働性といった能力を実際に高めることができていたのかを検証する仕組みが構築されておらず、大学院生がそのことを省察する機会も十分に確保できていなかった。

【プログラムの全体像・養成する人物像】
 そこで新たに展開する本事業では、これまでのオープンフィールド教育で中心に据えた共同プロジェクト研究という活動形態にはとらわれず、大学院生に自分のキャリアに関するビジョンを掲げてもらい、そのビジョンに適うキャリア能力を向上させるための活動に対して広く支援を行う。またその成果を、アカデミック・ポートフォリオとして蓄積し、自己評価や相互評価する機会を設けて省察して、次のキャリア能力を向上するための計画や活動につなげられるようにする。
 大学院教育を通じて培われる高度な専門的知識に加えて、本事業でのこうした取組みを通じて、1)自らのキャリア・ビジョンを明確化し、2)そのビジョンを実現するために必要となるキャリア能力の向上を企図・実行できる力を養い、未知の知や技術、新しい価値等の創造が成長の基盤となる知識基盤社会においても、主体的に学び続けて未来を切り拓くことができる人物の養成を行う。
 本事業での主な取組みは以下のとおりである。
a.アカデミック・ポートフォリオ評価を理解、計画するための取組みの展開
b.キャリア能力を向上させるための活動に対する支援
c.活動の成果をeポートフォリオとして蓄積し、Web上でその成果を公開するシステムの整備
d.アカデミック・ポートフォリオを利用した自己評価・相互評価を行うための取組みの展開
e.他研究科への波及事業の展開:a~dで培ったキャリア能力開発システムを公開

【達成目標】
 前期課程あるいは後期課程を修了した時点で、自身のキャリア・ビジョンを明確に持ち、そのビジョンに適うキャリア能力を備えており、今後も自分のキャリア実現のために学び続けようとする強い意志を有する人物を数多く輩出することが達成目標となる。具体的には、大学院生を対象に質問紙調査を行い、取組み前後(前期課程あるいは後期課程入学時と修了時)にキャリア・ビジョンの明確度やキャリア能力に関する具体的目標の到達度等を測定して、各指標において取組み前後で向上を示す者が80%以上になることをめざす。またキャリア能力を向上させるための活動が活発化したか否かをその活動数(学内外の研究会等への参加数、学会発表数、フィールドワーク数、等)の継年変化をみることで評価したり、キャリア・ビジョンと照らした就職率を指標に取組みの成果を検証したりする。さらに、本研究科でノウハウを蓄積したアカデミック・ポートフォリオを活用したキャリア能力開発システムをプログラム成果報告会の開催などを通して公開し、他研究科へも波及して採用されることをめざす。