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恩返しの気持ちが原動力~応援を力に変えて世界へ挑む~(上)
同志社大学にはキャンパスはもとより日本をも飛び出し、世界を舞台に活躍する学生や団体も多い。空手道部の釜つばささん(スポーツ健康科学部4年)もその1人だ。2022年杭州アジア大会への出場、2024年第1回空手ワールドカップ世界国別選手権大会女子団体組手金メダルなど、世界の第一線でしのぎを削る釜さんに話を伺った。

ピアノやダンスが好きだった空手一家の末娘

空手を始めたのは4歳のときです。実家が空手の道場をしていて、父が指導者。自然な流れというか、なかば強制的に始めさせられました。当時は、「女の子なのに人と戦うなんて」という気持ちがありました。むしろピアノやダンスなど、いわゆる女の子らしいことが好きでした。私は5人姉妹の末っ子なんです。4人の姉も全員、空手をしていました。姉が練習を頑張る姿や試合に臨む姿はかっこよくて、憧れの気持ちはありました。あまり空手に乗り気ではなく練習でも手を抜きがちな私を見て、コーチたちは「姉妹で初めてのタイプだ」と言っていたことを覚えています。それでいて、「お姉ちゃんのようになりたい」という思いもある、複雑な気持ちを抱えていました。
本気で空手に取り組むようになったのは、小学校3年生のときです。練習中に技がきれいに決まったとき、それまでとはまったく違う気持ちよさを感じました。胸の中がスカッとするような爽快感を今も鮮明に覚えています。「なんだ、この気持ちよさは!?」と思うと同時に、「この気持ちをもっと味わいたい!」と思い、空手に打ち込むようになりました。
日本代表には中学2年生のときに初めて選ばれました。ずっと目標にしていたのでうれしかったですし、トップレベルの選手の練習を間近で見ることができるという期待感も大きかったです。他県のライバル選手と一緒に練習できたことは大きな刺激になり、成長につながりました。全国の同年代の選手と仲良くなり、「あなたは私たちの年代の星だから、頑張って」と言ってもらえたことも励みになりました。
