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「手話で広がる世界」 〜手話サークル「もみの木」〜(後編)
メンバーに聞く 〜手話との出会いと、これからの夢
安田 薫さん(政策学部 2年次生)


高校の同級生に難聴の男の子がいて、彼が家族と手話でコミュニケーションをとっていることを目にしたことが、手話に興味を持ったきっかけでした。高校まではずっとバレーボールをしていたのですが、高校3年生のときに腰を痛めてしまったので、大学ではスポーツ以外のサークルに入ろうと考えていました。それならずっと関心のあった手話を勉強したいと思い、もみの木の存在を知り、入会を決めました。
京都は日本における手話の発祥の地(※)です。そのため京都には全日本ろうあ連盟の事務所や全国手話研修センターなど、手話に関する団体や施設がたくさんあります。そういう意味でも、京都という土地で、さらに長い歴史を誇る同志社大学で手話を勉強できることは非常に貴重な経験だと思っています。
将来的には公務員になりたいと思っています。特に福祉分野に関心があるので、住民と一番近いところで接することのできる職業として、今学んでいる手話と将来の仕事がつながれば嬉しいなと思います。
手話を学ぶとコミュニケーションの幅が広がります。日常で色々な発見をすることもできます。たとえば、電子掲示板やテレビの字幕機能など、普段暮らしている中では気にも留めなかったことが、誰かにとってはとても大切なものだと、当たり前だと思っていることが実は誰かの当たり前ではなかったことだと気づくことができます。そうしたものの見方を身につけることで自分自身の成長にもつながっていると感じるので、ぜひ多くの人に手話をまず体験してほしいなと思っています。
※1878 年に古河太四郎⽒の手により日本初の聾学校、京都盲唖院が設立され、同氏の熱⼼な取り組みにより手話が確立・普及していったとされている。
谷口 菜津穂さん(社会学部3年次生)


私も高校生の時に、電車で小さい女の子とそのお母さんが手話で話しているのを見て、手話に興味を持ちました。「大学に入ったら手話を学んでみよう」と考えている中、SNSでもみの木の存在を知り、すぐに入会することに決めました。
ちょうどコロナ禍が明けはじめたタイミング(2022年度)での入会だったので、先輩方も含めていろんな方面から交流のお声がけをいただきました。各種団体やほかの大学との交流など、サークルの枠にとらわれない交流の機会はとても貴重です。
少し前までは、将来の夢は学校の先生でしたが、もみの木での活動や、今年からはじまった就職活動を通して、今は一般企業にも興味を持っています。就職活動で業界研究をする中で、世の中には技術の力で「困りごとを減らす仕事」がたくさんあることを知り、私もそんなサービスを提供できる企業で働きたいと考えています。
手話は存在自体は知っていても、実際にやってみよう、となる方は少ないと思っています。手話を学ぶことで、世界が広がり、新たな気づきを得ることもできます。ぜひ、少しでも手話に興味を持つ人が増えてほしいなと思います。
