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地域とキャンパスがつながり、にぎわいと学びを生み出す
~学生団体「Shinmachi Activate Project」の取り組み~(前編)
同志社大学の学生の学びや活動の場は、学内だけにとどまらない。キャンパスを飛び出し、地域と結びつきを深めながら学び、成長している学生や団体も数多い。今出川校地に立地する新町キャンパスを拠点にして活動するShinmachi Activate Project(SAP)もその1つだ。代表の横田麻優子さん(政策学部3年)と副代表の松本大輝さん(同)に話を伺った。

キャンドルナイトを核に、学生同士や地域との交流を促進
横田 私たちSAPは、同志社大学の政策学部・社会学部という2つの学部に所属する学生で構成される団体です。活動の目的の1つは、2つの学部が拠点を置く新町キャンパスを盛り上げることです。メンバーが交流を図ったり、キャンパスでイベントを行ったりすることを通じて、新町キャンパスのことをもっと好きになってもらいたいという思いで活動をしています。
松本 キャンパスだけでなく、キャンパス近隣の地域を盛り上げることも活動の目的です。清掃活動を行ったり、地域のお祭りの際には準備のお手伝いをしたりしています。学生と地域の方が交流することで、新町キャンパスを含めた地域全体が活性化することを目指しています。

横田 活動の一番の中心になるのはキャンドルナイトの企画・運営です。学外で行う「出張キャンドル」も含めると、年間10回ほど開催。2024年度は京都府立植物園や京都市動物園で行ったほか、Jリーグ 京都サンガF.C.やBリーグ 京都ハンナリーズの試合日に会場前で開催しました。大阪・西梅田で開催されている「100万人のキャンドルナイト」にも参加しています。また、京田辺キャンパスのイベント「クローバー祭」や同志社大学の創立を祝う「同志社EVE」でもキャンドルナイトを実施しています。そして、年間のハイライトと言えるイベントが、毎年12月に開催する「新町祭」です。
私たちのキャンドルは、時期や場所に合わせたオリジナルなデザインが特徴です。例えば京都市動物園でのキャンドルは、観覧車に動物が乗っているという、動物園らしさを演出しました。その時、その場所でしか楽しむことのできないキャンドルにこだわっています。それを可能にするのが、180人あまりというメンバーの数です。キャンドルをデザイン通りに配置して点火するには、およそ5時間かかります。大所帯だからこそ可能なキャンドルを楽しんでもらえたらと思います。

松本 地域との交流に関しては、今年から買い物のお手伝いという活動を始めました。キャンパスの近隣地域では、スーパーなどへ買い物に出かけることが難しい高齢者の方に向けたサービスとして、定期的に移動販売車が巡回してくれています。とはいえ、1人で外出したり、重い荷物を持って歩いたりすることに不安を感じている方もおられます。そこで私たちが買い物に同行するというボランティア活動を始めました。
横田 活動はすべて自分たちで企画し、関係各所と交渉を行って実施しています。私たち3年生は、団体設立から17代目の学年にあたります。先輩方が積み重ねてくれた活動が認められ、2023年度からは大学の準公認団体になることができました。
世代を超えて「同じ景色」を見て語り合えるのは同志社ならでは
横田 活動では高齢者施設を訪問することがよくあります。入居者のなかには同志社大学の卒業生もおられますし、古くからこの地域に暮らしていて昔のキャンパスの様子を知っておられる方もいます。当時の話を聞かせてもらったり、逆に私たちが話す現在の大学に興味を持って聞いていただけたりするのは、長い歴史を持つ同志社大学ならではだと感じます。世代はまったく違っても同じ景色を見てきたと思うと、なんだか心の距離がぐっと近づきます。
松本 イベントへの協力依頼などで企業へ連絡をすると、その企業に同志社大学の卒業生が勤めておられることがあります。そんなときは、私たちの活動に興味と親しみを持ってくれ、話を聞いてもらえることが多いです。そのほかにも活動の様々な場面で、「同志社の学生さんなら大丈夫」と言っていただくことがあります。先輩方が築いてくれた伝統と信頼のおかげで私たちの活動がスムーズになっていると思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。
