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地域とキャンパスがつながり、にぎわいと学びを生み出す
~学生団体「Shinmachi Activate Project」の取り組み~(後編)

2024年の「新町祭」は初の学外開催
横田 毎年12月に開催する「新町祭」は、地域との交流や地域の活性化を大切にするSAPの思いがこもったイベントです。例えば、地域の高齢者施設や幼稚園に協力してもらい、作品の展示を行っています。近隣の飲食店をSAPメンバーが取材し、紹介記事を掲載したパンフレットも作成。より多くの人が地域に足を運び、にぎわいが生まれることを目指しています。もちろん、キャンドルナイトも実施。新町キャンパスを舞台にして、地域の多くの方に楽しんでもらっています。
12月14日(土)に開催する今年の新町祭は、17回目の開催にして初めて学外で実施します。舞台は新町キャンパスのすぐそばにある、京都市立みつば幼稚園です。
松本 昨年までの新町祭にも、地域からたくさんの方に来場いただいていました。一方で、「大学のイベントに、地域の人が参加していいのですか?」という声も届いていました。もちろん大歓迎なのですが、大学内で行っている限りは、どうしてもハードルが上がってしまうのも事実です。それならば、より地域の皆さんが足を運びやすい場所で開催しようと考え、今回の会場になりました。
会場であるみつば幼稚園の園児の皆さんには、この日に向けて特別な作品を作ってもらいました。その作品も見どころの一つです。ほかにもステージ企画や各種のお店などを楽しんでもらえます。今年は今まで以上に地域に入り込み、地域の方と一緒に作り上げた新町祭になっています。ぜひ、同志社大学に興味がある高校生にも見に来てもらいたいです。
視野が広がり、社会人としての基礎を学ぶことができる

横田 私がSAPに入ろうと思ったのは、同じ新町キャンパスで学ぶ学生とつながりたかったからです。それに加えて、せっかく学生時代を新町キャンパスで過ごすのだから、キャンパスのことや街のことをよく知りたいという思いもありました。SAPで活動することで、地域の高齢者や子どもたちとつながることができました。そういった、学内にいるだけでは接点を持ちにくい異なる世代の人と交流できたことが、SAPで得た大きな財産です。とても満足しています。
松本 高校生のときに通っていた塾の先生がSAPのメンバーだったことがきっかけで、SAPの存在を知りました。私の出身地は少子高齢化が進み、人と人とのつながりも希薄になってきています。幼い頃の記憶にあるにぎやかさは失われ、すっかり寂しい街になってしまいました。そこから地域の活性化やにぎわいの創出に興味を持つようになりました。SAPはまさに、私が興味を持っていた活動を行っている団体です。SAPに入りたくて、私は同志社大学に進学しました。副代表になってからは、率先して地域との交流促進に取り組みました。今年度から始まった移動販売車の買い物お手伝いは、自分なりの思いが形になったものでもあります。地域の方や企業の方など、世代や立場の違う方と接点を持つことができ、視野が大きく広がったこともSAPで活動した成果です。
横田 私は代表に就任するにあたって、「何か一つでも、自分ならではのことをやり遂げよう」と考えていました。それを実現できたのが、京都府立植物園でのキャンドルナイトです。京都府立植物園がちょうど開園100周年だったため、「お祝いと記念の年の盛り上げに協力したい」という思いから、私たちからイベントを企画・提案しました。ゼロからイベントを作り上げるのは初めての経験でした。企画や私たち自身のことを端的に伝え、興味を持ってもらうプレゼンテーションには苦労もしました。でも、それらすべてがすばらしい経験になりました。
松本 私と代表の横田は2人とも政策学部で学び、地域創生をテーマにしたゼミに所属しています。SAPでの活動は、ゼミでの学びの内容とリンクする部分が非常に多いです。地域創生は政策立案者側の視点で語られがちなのですが、より良い政策を作ったり実際に地域で政策を運用したりする際には、地域住民の視点も欠かせません。その点、私たちはSAPを通して地域の方の声を直接聞くことができています。SAPでの経験に基づいて、地域の視点から政策を考えることができるようになりました。
学生と地域との架け橋になる団体として成長を

横田 私たち3年生は、12月の新町祭をもってSAPを引退します。今後については後輩たちにバトンを渡すことになるのですが、学生と地域の架け橋となり、地域に愛される団体としてSAPを盛り上げていってもらいたいと期待しています。地域の皆さんからは「同志社大学といえばSAP」と認識してもらえ、同志社大学の学生が地域で活動しようと思ったときに、「SAPに相談してみよう」と言ってもらえる団体になることを楽しみにしています。
松本 私が楽しみにしているのは、「SAPに入りたいから同志社大学政策学部・社会学部に進学したい」という高校生が増えることです。地域を盛り上げることに興味がある人や、卒業後に地元で地域の活性化などに携わりたいと考えている人は、ぜひ同志社大学への進学とSAPへの参加を考えてみてください。同志社大学は、卒業生の「同志社大学愛」がとても大きいです。みんなが母校である同志社大学のことが大好きで、現役生のことを応援してくれます。そんなすてきなコミュニティーの一員になることができるのも、同志社大学の魅力です。
横田 伝統や充実した学びなど、同志社大学には様々な魅力があります。新町キャンパスは小規模ならではの落ち着きがあって、ほかのキャンパスとはまた違った魅力がある環境です。高校生の皆さんが新町キャンパスで学び、SAPへ参加してくれることを楽しみにしています。まずは12月14日の新町祭でお待ちしています!