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研ぎ澄ます心と技。その先に見つめるのはオリンピック(前編)
50を超える団体が加盟する同志社大学体育会。それぞれの団体に所属する学生がひたむきに自身の目標と向き合い、高みを目指して活動している。射撃部の内田翼さん(スポーツ健康科学部2年生)もその1人だ。第78回国民スポーツ大会「SAGA2024」のライフル射撃・成年男子エアピストル60発で2位入賞を果たすなど、全国を舞台に活躍する内田さんに話を伺った。
子どもの頃のワクワクが、世界最高峰の舞台にまでつながっている
射撃競技には、銃身が長く肩に当てて撃つライフル射撃や、片手で構えて撃つピストル射撃などがあります。私が取り組んでいるのはピストル射撃。そのなかでも、空気圧で弾を飛ばし、10m先の的を狙う「10mエアピストル」という種目を専門にしています。ちなみに同志社大学射撃部では、エアピストルの他にビームピストル、エアライフル、スモールボアライフルという4つの種目が行われています。
10mエアピストルは、60発の弾を規定時間である1時間15分の中で撃ち、合計得点を競います。的の大きさは直径155.5mmで、1発あたりの最高点である10点圏内は11.5mmしかありません。正確に撃つ技術はもちろん重要ですが、同じぐらい大切になるのがメンタルコントロールです。1時間以上にわたって60発も撃つわけですから、当然、集中力が途切れることもあります。すると思ったような射撃ができず、さらに心が乱れてしまうという悪循環に陥ってしまいます。いかにして気持ちを切り替え、次の射撃に向き合うかという、心のコントロールも技術の一部とされている種目です。
射撃は技術的にも精神的にも非常に難しい競技ではあるのですが、シンプルに考えるなら「的当て」です。子どものころ、ボールや石を狙った場所に投げて点数を競うという、単純ながらも好奇心や競争心をかき立ててくれたワクワクする遊びの発展型が射撃です。それがオリンピック競技になり、世界の頂点にチャレンジできることが、射撃という競技のおもしろさです。
射撃を始めたのは小学校4年生のとき。選手であり地元・長崎県のライフル射撃協会で副会長を務めていた、祖父の影響で始めました。翌年には現在と同じエアピストルに取り組み始めました。本物感たっぷりのピストルに緊張し、まったく的に当たらなかったことを今も覚えています。その後もずっと競技を続けたのですが、中学生の頃はあまり気乗りしていませんでした。同世代で射撃をしている人が周りにいなかったからです。状況が大きく変わったのは高校生のときです。射撃部のある学校に進学したおかげで、ようやく、同世代と切磋琢磨できるようになりました。射撃を楽しめるようになったおかげで成績も向上。オリンピックに出場したいと考えるようになったのもこの頃です。
同志社大学は学業と競技との両立ができる場所
進学先に同志社大学を選んだ理由の1つは、部活動と学業の両立がしやすいことです。所属するスポーツ健康科学部のある京田辺キャンパスには、練習拠点である射撃場もあります。キャンパス内ですぐに練習ができることはとてもありがたいです。学業の面では、基本的に「普通の学生」として授業を受けています。授業では体や筋肉、メンタル、コーチングなど、スポーツを様々な角度から学んでいます。「これは射撃に使えそうだ」「今度試してみよう」などと思えることも多く、学びと競技とのつながりを感じています。他の競技も含めて、トップレベルのアスリートである学生が多いこともうれしいポイントです。日頃の何気ない会話から自分の競技に役立つヒントをもらえることもありますし、「自分も頑張ろう」と思える刺激をもらうこともできています。全国大会で優勝するような選手と日常的に接することができるのは、それだけで大きな財産だと思います。
もう1つの理由は指導者の存在です。同志社大学射撃部は、オリンピックでメダルを獲得された方が指導をしてくれています。射撃という競技は、姿勢の揺れなどほんのわずかな変化が結果に大きく影響を与えます。しかしわずかであるせいで、自分ではなかなか気がつくことができません。少しの変化が積み重なり、気がついた頃には元の正しい姿とはまるで別物になってしまうことすらあります。指導者が寄り添ってくれ、変化をいち早く見つけて適切なアドバイスをしてくれることが、選手にとっては非常に心強いのです。入部後は、思い通りの射撃ができなかった際の気持ちの切り替え方など、精神面のコントロール方法についてもたくさん学んでいます。
同志社大学射撃部は1929年に創部された歴史あるクラブです。卒業生のなかには、2024年の国民スポーツ大会で優勝した方もいます。そういった競技の第一線で活躍している方をはじめ、多くの卒業生が練習の指導に来てくれるなど、現役生を応援してくれているのは伝統のある同志社大学ならではだと感じています。