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楽しいから熱中。その先にたどり着いた、世界1位の座~ダブルダッチチームYESMAN~(上)
同志社大学にはキャンパスはもとより日本をも飛び出し、世界を舞台に活躍する学生や団体も多い。ダブルダッチサークル「S’il Vous Plait!(シルブプレ)」もその1つだ。同サークル所属の4年生チーム「YESMAN」は、2024年12月にニューヨークで開催された国際大会で優勝。3年生チーム「SHOWMEN TOPPER's」は3位入賞を果たした。世界の頂点に立ったYESMANのメンバーである、勝山誠也さん(経済学部4年)、嘉屋茜さん(政策学部4年)、清水夢実さん(商学部4年)※に話を伺った。

30年超の歴史ある世界大会を制覇

- 勝山
私たちが所属するS’il Vous Plait!は、20年の歴史を持つダブルダッチサークルです。メンバーは1年生から4年生の合計で約60人。同級生でチームを作って活動しています。活動の中心となるのは、毎年12月にニューヨークで開催される国際大会「National Double Dutch League」への出場を目指すことです。関西予選が9月に行われ、上位5チームが10月に開かれる全国大会に進出。そこで上位3チームに入ると、国際大会に出場できます。私たちYESMANは全国大会で2位、3年生チームのSHOWMEN TOPPER'sは3位になってニューヨーク行きを決めました。
嘉屋
サークルでは、3年生の大会で敗退した段階で引退する人が多いです。でも私は、悔しさややり残した思いがあり、引退せずに活動を続けることにしました。別々のチームに所属しながらも同じような思いを持ったメンバーが集まったのが、私たちYESMANです。
- 清水
大会以外では、大学内の新入生歓迎イベントや大学祭である「同志社EVE」でパフォーマンスを披露するなどしています。小学校の体育の授業でダブルダッチを紹介し、指導をすることもあります。子ども食堂や障害者施設を訪問することもありますし、京都市によるアーバンスポーツ推進活動の一環としてパフォーマンスを行うこともあります。多くの人にダブルダッチの魅力に触れてもらい、認知度や競技人口の向上に貢献することも活動の重要な柱です。こういったイベントの際には、通常のチームの枠を超えて特別編成のメンバーでパフォーマンスを披露することもあります。
- 勝山
私たちが出場したNational Double Dutch Leagueは30年以上の歴史を持つ国際大会で、今回が33回目の開催でした。駆け足跳びの回数を競う「スピード」とパフォーマンスを競う「フュージョン」の2つの部門があり、私たちYESMANはフュージョン部門で世界1位であるBEST OF SHOWを獲得しました。
日本とはまったく異なるスタイルに刺激を受ける

- 勝山
- ニューヨークの国際大会は、本当に刺激的な舞台でした。私たち日本人は、「きれいなパフォーマンス」を重視しがちです。例えば、規定の時間ぴったりに演技も音楽も合わせようとします。でも海外のチームは、楽しむことを何よりも大切にします。自分たちが「決まった!」と思うタイミングであれば、まだ曲が続いていても気にしません。縄を放り出して踊り始めるチームも。「それはもはやダブルダッチではないのでは⁉」と突っ込みたくなるのですが、会場は大盛り上がり。「やりたいことをする」「楽しむ」というダブルダッチの本質を改めて教えられました。
- 嘉屋
私たちの次にパフォーマンスしたギニアのチームもすごかったです。服を脱ぎ捨てて踊り出すし、規定の時間を1分過ぎても演技を続けるし。日本では考えられない自由奔放さです。そして、会場がそれを楽しんでいる。「やられた!」と思いました。それだけに、優勝のアナウンスがあったときは喜び以上に驚いた気持ちが大きかったです。
- 清水
大舞台での緊張もあったと思うのですが、私たちは序盤にミスが続きました。ただ、くよくよしていては後の演技に影響します。パフォーマンス中に気持ちを切り替え、目の前の演技に精いっぱい取り組めたことが最高の結果につながったように思います。
- 勝山
出場にあたっては、衣装にもこだわりました。白のスーツ風の衣装は、他のチームとは違った雰囲気で非常に好評でした。オリジナルの技も注目を集め、他のチームからは「あの技はどうやっているんだ?」と質問が寄せられるほど。大会の振り返り映像にも使ってもらいました。それらをトータルで評価してもらったことが優勝の大きな要因だと考えています。
※所属・学年は取材時のものです。
ダブルダッチは、大学から始める人が多いです。私もその1人。高校まではテニスをしていました。テニスが直接的にダブルダッチに役立つことはほとんどないのですが、競技に対するメンタル面は役立っているように思います。
清水
私も大学からダブルダッチを始めました。ダブルダッチのことも、大学生になるまで知らなかったぐらいです。高校までは器械体操をしていました。
この中では私だけが経験者で、小学校6年生のときに始めました。高校生の頃からS’il Vous Plait!とは交流があり、S’il Vous Plait!に入りたくて同志社大学への進学を決めたぐらいです。