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My Purpose ~挑戦する人~

安久 詩乃さん【心理学部4年次生】

アーチェリー東京五輪日本代表2次選考会を3位で突破
栄光のオリンピックメダルを射止めるために来年3月開催の最終選考会に向けて猛練習を続けている

 
 今年3月21、22 日に静岡県で開催されたアーチェリー東京五輪日本代表2次選考会で安久詩乃さんは3位に入り、最終選考会へ進んだ。大会前は、新型コロナウイルス感染症の拡大で他校との合同練習もできないなどの外的な要因もあって、調子を落としていた。立ち直るきっかけを与えてくれたのは、モントリオール五輪銀メダリスト・道永宏監督の助言だった。「左足の重心を指摘され、構えの歩幅を広げることによって基本に戻れたのです。それまで自分の感覚に過敏になり、細部の動きが非常に気になっていたのですが、これですべての迷いが消えました」。選考会2日目は不規則な強風が吹き、コンディションは良くなかったが、常に平常心を心掛け、最後まで競技に集中。70m ラウンド2回(144 射)で1260 点の成績を残した。「とにかく、一安心!!」というのが試合後の実感だったとふり返る。また、3位通過に関しては上位2選手との得点に開きがあることが課題であり、最終選考会までに心技をさらに強化し、一つでも順位を上げたいと意気込む。
 アーチェリーに出会ったのは同志社女子中学校1年生の春だった。友人に誘われ、どのようなスポーツなのかもまったく知らずに入部した。「当初は筋力トレーニングの繰り返し。3歳から14 歳までクラシックバレエを習っていたので基本姿勢は良かったのですが、身体の線が細かったので、その点でも人一倍の努力が必要でした」。このような日々が持ち前の負けず嫌いな気性に火をつけ、練習にのめり込んでいく。同志社女子高等学校に進学後は自宅のガレージに手作りの練習場を設け、特に試合のあった日は確認と修正を行い、体幹トレーニングにも黙々と打ち込んだ。その成果は高校2年生の時に挑んだ全国高校総体2位として結実。大学でも道永監督が制止するほどの練習量をこなし、大学2年次生で全日本学生アーチェリー個人選手権2位を獲得した。射撃の安定感を高めるために、昨年の春から取り組んだフォーム改造も成功し、得点力が伸びた。現在は練習でできることを試合でも発揮できるように、1本でも多く矢を射ることを心掛けている。
 「すべては自己を鍛え高めるための糧だと思っています。その一つがアーチェリーです。昨年6月から務めている女子主将も人間的な成長に大きく役立ちました。いま所属している心理学部・杉若弘子先生のゼミでは、パーソナリティ心理学を研究しており、数多くのことを学びました。また、3年次の最初の試合で得た貴重な気づきも私の心構えを変えてくれました。以前は自身の限界はここだと決めていました。負けたら辛いので、自分への言い訳を用意し、逃げていたのです。しかし、このままでは永遠に壁を超えられないと気づきました。これが新たな挑みの揺るぎない支えになっています」。後輩の方々も自分に限界を設けず、すべてに果敢に挑戦してほしいと語る。当初は今年4月に実施される予定だった最終選考会は、約1年後の来年3月に開催される。自らをチャレンジャーと位置づける安久さんは、この延期を実力強化のチャンスと捉え、メダルを射止めるために猛練習を続けている。


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