My Purpose ~挑戦する人~
北村 陽さん【文学部文化史学科4年次生】
2022年5月にブラジルで開催された、ろう者のオリンピック「デフリンピック」空手競技の男子「形」にて、銅メダルを獲得。同志社大学には、歴史学を学ぶため3年次に転入学してきた。
注目される東京大会で活躍しデフ空手を広めたい。
空手の「形」は独特の緊張感が漂う。ピリッとした空気を切り裂く気合の雄叫び。会場全体の意識が一気に演武者に引き込まれる。東京2020オリンピック競技大会で注目を集めた空手だが、デフリンピック※においても、空手が正式種目に採用されていることをご存じだろうか。
今夏のデフリンピックで、空手競技の男子「形」日本代表の北村陽さんが銅メダルを獲得した。「聞こえなくても空手はできる。その事実を多くの人に知ってもらえたら」とデフ空手への関心や認知が広がることへの期待を口にする。
仮面ライダーの強さに憧れ、空手を始めたのは6歳の頃。野球や卓球に比べ、コンタクトを伴う空手を習うろう者は少なかったが、学業と両立させながら競技を続け、晴れ舞台で見事注目される東京大会で活躍しデフ空手を広めたい聞こえなくても空手はできるPortraitsof challengersメダルに輝いた。
デフリンピック出場は北村さんの念願だった。前回トルコで開催された2017年の大会では、惜しくも代表選考に漏れた。次こそはと意気込んでいた矢先、コロナ禍という暗雲が覆い21年の大会は約1年延期になった。「日本代表になれるかもしれないと言われて4〜5年。代表に決まった時は安堵の気持ちでいっぱいでした」と選出時の心境を吐露する。
今年9月、3年後に迫る25年の夏季大会開催地が東京に決まった。東京2020パラリンピック競技大会が、障がい者やパラスポーツへの関心を高め、理解を深めたことは記憶に新しい。東京開催は、デフ空手を含む国内デフスポーツの発展・飛躍につながるきっかけとなるだろう。「空手をせっかく始めても、コミュニケーションの問題でやめてしまう人は少なくありません。『全日本ろう者空手道連盟』が発足したのは約6年前ですし、ろう者が空手を楽しめる環境づくりは緒に就インタビュー動画もチェックいたばかり。全国のろう者に空手の魅力を伝え、仲間の輪を広げていきたい。そのためにも注目度の高まる東京大会では絶対に結果を残したいですね」 目標は金メダル。見つめる先にあるのは、自身の活躍でデフ空手を広めたいという思いだ。夢の実現に向けて、北村さんは心技体を磨き続ける。(取材日:2022年9月上旬)
※「耳の不自由な」という意味である「デフ(deaf)」を冠したデフリンピックは、身体障がい者によるパラリンピックとは異なり、ろう者のみが出場する大会。国際ろう者スポーツ委員会が運営し、夏季大会と冬季大会がそれぞれ4年に1度開かれている。
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