My Purpose ~挑戦する人~
佐々原 悠馬さん【政策学部4年次生】
香川県出身。キャンドルナイトイベントを手がけるボランティアサークル・SAP※の活動をきっかけに、地元の離島であるさぬき広島に移住。島民や自治体と連携し、地域振興をテーマに参与観察を進める。※Shinmachi Activate Projectの略称
過疎化の進む島で見つけた使命とは
島の人みんなに、愛すべき孫ができたというところか。香川県丸亀市の沖合、瀬戸内海に浮かぶさぬき広島(以下、広島)。最盛期には2000人が暮らした島も、往時の採石業に代わる産業を欠いたことで、現在の定住人口は150人ほどにとどまる。多くの離島同様に過疎化と高齢化が同時進行する広島だが、明るい兆しも見えてきた。自給自足、物々交換がいまなお息づく島でのボランティア活動を通して地域貢献や人脈づくりがしたいと、島外の若者が続々と訪ねてくるようになったのだ。その中心にいるのが、政策学部の佐々原悠馬さん。対岸の丸亀出身で、学業のかたわら、この3月から広島に移り住んだ。
きっかけは、2022年の夏。佐々原さんは、自ら代表を務めるボランティアサークルの合宿地を丸亀に求めた。活動を通じて地元NPOと知己を得ると、合宿の受け入れ先として広島を紹介され、そこで島民とのBBQやNPOが世話する子どもたちとの海水浴を楽しんだ。交流を深めるうちに農村・漁村振興をテーマに卒業研究を進める佐々原さんの胸には、おのずと「ここで地域おこしがしたい」という思いが芽生えた。コロナ禍の真っ只中に入学した身には、人との関わりが生む温かみが何よりしみたのだろう。大学生活最後の1年間を、広島で過ごすことに迷いはなかった。
草刈りに農作業、デイサービスの手伝いから観光客のガイド役まで―若い佐々原さんの活躍ぶりは、まさに八面六臂の言葉通りだ。8月には荒廃した竹林の整備を兼ねて流しそうめんならぬ「流しうどん」のイベントを開催、企業の支援も取りつけて島内外から150人もの人を集めた。さまざまな行動の結果、離島特有の課題もあぶり出された。それは、定住と観光の間に位置する関係人口の確保。より住人に近い視点から島に関わる非定住者を増やすことが、過疎地域の持続可能性を形づくる鍵になるという。社会福祉協議会と積極的に連携し、高校生や大学生のボランティア受け入れに関与するのも、そうした考えが根底にある。
研究と実践の両輪で走り続ける佐々原さんの将来の夢は、地元の活性化だ。目下のところ卒業後も島に残るか、大学院に進学するかで胸中は揺れているが、島暮らしで取り戻したであろう人懐っこい讃岐弁に、遠からず地域に尽くす姿が目に浮かんだ。
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