My Purpose ~挑戦する人~
小倉 沙奈さん【スポーツ健康科学部1年次生】
奈良県出身。小学3年生のときにスポーツクライミングに出会う。2023年第9回ボルダーユース日本選手権倉吉大会優勝。好きな種目は到達地点を競う「リード」。
動作の「引き出し」を常にアップデートするための努力
打ち付けられたカラフルな突起物(ホールド)を頼りに、反り立つ人工壁を体ひとつで登る「スポーツクライミング」。速さを競う「スピード」とコースの完登数を競う「ボルダリング」、到達地点を競う「リード」の3種目から成る。クライミング文化を育んできたヨーロッパ諸国がこれまでけん引してきたが、近年日本勢の活躍がめざましい。特に「ボルダリング」は、コロナ禍で中止となった2020年を除き、9年連続国別ランキング1位。ユース年代から実力者がひしめき合っていて層が厚いと定評がある。その激しい競争の中、ユース強化選手として期待されているのがスポーツ健康科学科1年次生、小倉紗奈さんだ。
小倉さんがスポーツクライミングに出会ったのは10年前。今ほどメジャーではなかったカラフルな人工壁が珍しく、家族で体験したのがきっかけだ。「小学3年生だったので体が軽く、スイスイと登れました。このときの達成感、高揚感は忘れられません」。この1回の体験ですっかり虜になってしまった。その後はクライミング漬けの日々。12歳から競技会に出場してキャリアを積み、ついに昨年、ボルダーユース日本選手権で優勝をつかみ取った。
「スポーツクライミング」、特に「ボルダリング」は体の重心の置き方や筋肉の動かし方、ホールドのつかみ方など、条件ごとに変わる動作の蓄積が鍵だ。小倉さんはそれらを〝引き出し〞と表現し、難関の一手に直面するときのためにアップデートとバリエーションの拡大を心掛けている。そこで重要なのが「トライアンドエラー」だ。
「〝引き出し〞は実際に登ってシミュレーションしなければ増えません。登って動きの問題点を見いだし修正する、この繰り返しです。そしてどの〝引き出し〞を用いて登るか、判断力と瞬発力を一緒に高めなくてはなりません」。「挑戦」と「失敗」そして「修正」、この地道な反復により、研ぎ澄まされたクライミングへと進化させるのだ。
小倉さんに今後の目標を尋ねると、「シニアの日本代表になり、世界選手権に出ること」と明瞭な答えが返ってきた。それから「将来の目標」と前置きして「より多くの人にクライミングのよさを知ってもらう活動をしたい。クライミング文化を日本に根付かせたいです」。大学でスポーツマネジメントを学んでいるのもその一環。競技者として経験を積んでいる自分ならではのアプローチを見つけたいと力強く語る。きっと小倉さんのしなやかでダイナミックなクライミングのように目標に向かって進むのだろう。その陰で〝引き出し〞を増やすような地道な反復を重ねながら、一歩一歩着実に。
My purpose動画
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