My Purpose ~挑戦する人~
田中 希実さん【スポーツ健康科学部 2年次生】
第18回アジアジュニア陸上競技選手権大会女子3000mに続き
第17回世界U20陸上競技選手権大会女子3000mでも優勝
父親から贈られた言葉「一志走伝」を深く胸に刻み
世界に挑み続けるトップアスリートを目指す
初めて陸上競技を体験したのは3歳の時だった。母親が参加した地元主催のロードレースにファミリー部門もあり、共に走ることになったのである。当初は後塵を拝していたが、次第に頭角を現し、メダルを競うようになると、競技者としての自覚も芽生え、小学校5年生の頃には積極的に練習に取り組むようになる。中学校の陸上部で本格的に走りを鍛え、2014年度全日本中学校陸上競技選手権女子1500mで優勝。駅伝の強豪校として名高い兵庫県立西脇工業高等学校では、全国都道府県対抗女子駅伝で兵庫の優勝に貢献し、第70回国民体育大会少年女子B1500mで優勝、第72回国民体育大会少年女子A3000mでも栄冠を手にした。
同志社大学に進学後は尼崎市を拠点とする「ND28AC(アスリートクラブ)」を経て、現在は「豊田自動織機TC(トラッククラブ)」に所属している。選手個人の活動をサポートするために、新たに立ち上げられたクラブチームである。「このような形を採ったのはトラック競技を自由に転戦したかったからです。父親は元3000m障害の選手、母親は北海道マラソンで二度優勝したアスリートですが、共に自主練習で能力を高めるという独自の道を歩んできました。この気質を私も受け継いでいるように感じています」。いま、田中さんが特に重視しているのは「人と異なる道を行くのであれば、そこで必ず結果を出す覚悟が必要」という父親の教えである。昨年は第18回アジアジュニア陸上競技選手権大会女子3000m優勝、第17回世界U20陸上競技選手権大会女子3000m優勝という圧倒的な成績を残した。今年も初めて挑戦した第102回日本陸上競技選手権大会クロスカントリー競走シニア女子8㎞で優勝し、第103回日本陸上競技選手権大会で女子1500m2位、5000m4位の好成績をあげている。
「最近、気づいたのは『無心で走る』ことの大切さです。他の選手を意識せず、新記録だけを狙って直向きに走った時には好結果が出せるのに、レース展開を考え過ぎると惜敗するケースが多いからです。雑念を捨て、自分の走りに集中したいと思っています」。大学入学時から練習拠点のある尼崎市で一人暮らしを始めた。時間割によっては午前5時に起床し、10~12㎞の朝練後に朝食をとり、大学に向かう。授業を終えた後は京田辺校地の陸上競技場で再び練習に励む。2年次からはレポート提出にも追われ、日曜日に仕上げるという状況が続いている。「かなりタイトな日々ですが、スポーツ健康科学部は学科別に細分化されておらず、広く学べるのが良いですね。例えば、心理学にも関心を抱くようになりました。レース前の『理想的な緊張の保持の仕方』を学び、役立てたいと思っています」。小学生の頃から童話や児童文学が大好きで、『大きな森の小さな家』、『だれも知らない小さな国』などが心を癒してくれると微笑む。父親から贈られた言葉「一志走伝」を胸に刻み、日本のトップに立ち、世界で活躍することによって「陸上界に影響を与えられる人」になりたいと願っている。
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One Purpose199号「My Purpose ~挑戦する人~」より