Cyber学長室
学長へのご質問・ご提言
京都府警察本部への同志社大学用地(烏丸キャンパス)一部貸与について
2012年7月更新
先日、新聞報道で知ったのですが、同志社大学(以下本学)が現在建設中の新キャンパスの一部を交番建設用地として京都府警に無償提供すると発表したと聞きました。
この件に関して一学生として強い違和感と憤りを感じております。つきまして本件に関して学長にお尋ねしたく以下質問いたします。
- 本学に限らずすべての大学には、学問の自由とそれを担保するための制度的保障としての大学の自治が認められており、自由・自治とは国家権力・公権力からの自由(非干渉)を意味します。それ故大学が警察に自ら警察施設の建設用地を提供することは仮にキャンパス内に警察の力が及ぶことがなくとも学問の自由、大学自治の観点から問題であると考えています。この点につき学長はどのようにお考えでしょうか。
- 本件について、事前に学生に知らされることもなく、学生からの意見を聞いたりするプロセスも全く存在せず学生にとってはまさに寝耳に水でした。今回に限らず本学は学生の意見や考え、主体性を軽視しているようにしか考えられないのですが学長は学生との対話や大学の学生自治、大学内の学生の位置づけについてどのようにお考えですか?
- 今回の交番設置については地域住民からの要望によるものであると聞いていますが、地域の自治連合会会長は「警察官の制服が目立ちやすくなり、(学生と)地域とのトラブル抑止につながれば」と述べており、警察には「トラブル」防止のための学生に対する監視・管理・威嚇の役割が期待されているとしか思えないのですがいかがお考えでしょうか?
- 学生の声は無視する一方で地域自治会や警察の要望は受け入れるのはなぜですか?本学はこれらの学外からの声や権力に屈して学生への規制を強めているように思えます。「てき儻不羈なる書生を圧束せず」という新島先生の言葉はどこに行ったのでしょうか?キャンパスへの交番建設は意図せずとも学生を圧束することにつながり本学の建学の精神にも反することであると思いますが学長はどうお考えですか?
- キャンパス内に交番を設置するのは全国的に見ても初の取り組みであると思いますが、学長はこの同志社大学の取り組みを社会がどう評価するとお考えですか?一部には「恥知らずな大学」・「同志社は大学として終わった」との批判もありますが、このような批判に対して学長はどうこたえるのですか?お聞かせください。
質問は以上です。
なお、本質問については必ず速やかに回答をいただき、Cyber学長室上で公開していただきますようお願いいたします。
学長からの回答
2011年12月12日付で室町自治連合会から本学宛に、「当学区の安心・安全の拠点である上京警察署の上御霊前交番は老朽化が著しく、また、区民が相談等に訪れても相談する場所すらない状態である。現在地は狭く、地元住民が防犯活動等で使用するコミュニティールームの設置が困難で、機能的な交番の建設ができないと聞き及んでいる。同志社大学のキャンパス整備に合わせて、今出川キャンパス敷地内の一角に交番の建設ができないものか」を旨とした『上京警察署上御霊前交番の移転に関する要望書』が提出されました。
また、2012年3月8日には京都府警察本部から、「上御霊前交番の所管区域の中心で、地域の小学校や中学校に近接する本学敷地が交番用地として適地と判断されることから、地域の安全・安心のため、本学敷地の一部を交番用地として借用したい」旨の『京都府上京警察署上御霊前交番用地の借用について(お願い)』とする要望書が提出されました。
これらの要望を受け、本学として慎重に検討した結果、今出川キャンパスではなく、新たに取得した烏丸キャンパス(京都市産業技術研究所繊維技術センター跡地)の北西角(109.2㎡)を、地域の方々への貢献の観点から、無償貸与することを決定しました。
以上が、今回の措置に関する経緯です。
交番の移転が完了した暁には明確になりますが、本学キャンパスとはフェンスにより一線を画しますので、交番はキャンパス外に位置する建物になります。あくまで「地域貢献のための大学用地(烏丸キャンパス)の一部貸与」であり、「キャンパス内に交番を設置する」との認識には立っておりません。このたびの交番移転が、地域の防犯、地域住民の安心・安全に寄与することを願っています。
学問の自由・大学の自治については、学長として充分認識しており、学生の自治・自立の精神についても、従来どおり尊重してまいる所存です。大学用地(烏丸キャンパス)の一部貸与の趣旨は上述のとおりであり、学問の自由・大学の自治に抵触するとは考えておりません。
大学運営においては、大学や教員から学生への一方的な情報伝達にとどまらず、大学と学生との相互の意思疎通の促進が重要であると認識しています。学生のニーズ、意見等を聴取できるよう今後とも努力してまいります。学生からの様々な意見、要望については、常に学生支援課を窓口としてお聞きしていますので、いつでも気軽に来室してください。
また、2012年3月8日には京都府警察本部から、「上御霊前交番の所管区域の中心で、地域の小学校や中学校に近接する本学敷地が交番用地として適地と判断されることから、地域の安全・安心のため、本学敷地の一部を交番用地として借用したい」旨の『京都府上京警察署上御霊前交番用地の借用について(お願い)』とする要望書が提出されました。
これらの要望を受け、本学として慎重に検討した結果、今出川キャンパスではなく、新たに取得した烏丸キャンパス(京都市産業技術研究所繊維技術センター跡地)の北西角(109.2㎡)を、地域の方々への貢献の観点から、無償貸与することを決定しました。
以上が、今回の措置に関する経緯です。
交番の移転が完了した暁には明確になりますが、本学キャンパスとはフェンスにより一線を画しますので、交番はキャンパス外に位置する建物になります。あくまで「地域貢献のための大学用地(烏丸キャンパス)の一部貸与」であり、「キャンパス内に交番を設置する」との認識には立っておりません。このたびの交番移転が、地域の防犯、地域住民の安心・安全に寄与することを願っています。
学問の自由・大学の自治については、学長として充分認識しており、学生の自治・自立の精神についても、従来どおり尊重してまいる所存です。大学用地(烏丸キャンパス)の一部貸与の趣旨は上述のとおりであり、学問の自由・大学の自治に抵触するとは考えておりません。
大学運営においては、大学や教員から学生への一方的な情報伝達にとどまらず、大学と学生との相互の意思疎通の促進が重要であると認識しています。学生のニーズ、意見等を聴取できるよう今後とも努力してまいります。学生からの様々な意見、要望については、常に学生支援課を窓口としてお聞きしていますので、いつでも気軽に来室してください。
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