先輩たちの「志」

ガンバ大阪監督 宮本 恒靖

ガンバ大阪監督 宮本 恒靖

より強く、大きく。
仲間と繋ぐ志は、世界を繋ぐ架け橋へ。

 現役を引退した今も私の中にあるのは、サッカーをもっと大きな存在にしたい、サッカーを通して社会に貢献したいという志。しかしそれは、何か一つを成し遂げれば達成というわけではありません。実現するために何ができるのか、どうあるべきなのかを問い続ける、自分自身への挑戦でもあります。プロ選手となった同時期に同志社大学に入学したのも、自らの可能性をさらに広げるため。午前と午後の練習の間に授業を受けたり、出席できない授業は録音テープを図書館で聞いたりと両立は大変でしたが、サッカーだけでは出会えなかったさまざまな人や視点、知識に出会うことができました。
 同志社大学での学びは、現役引退後に学んだFIFAが主宰するスポーツ学の修士課程「FIFAマスター」にも繋がりました。クラブ経営や会計などの授業は、大学時代に学んだ経済学に通じるものも多く、スポーツが持つ可能性を多面的に捉えられるようになりました。
 また、同志社大学や選手生活で深めたグローバルな視点は、民族融和をめざすスポーツアカデミー「マリモスト」の活動にも活かされています。現地ボスニア・ヘルツェゴビナの言葉で“小さな橋”を意味するマリモスト。“子どもたちが一つのボールを一緒に追いかけることで、民族の壁を超えるための架け橋に”という想いを込めています。FIFAマスター留学時のメンバーと共に始動させたこのプロジェクトも、国内外でたくさんの壁とぶつかりました。しかし何度も対話を重ね、本気で自分たちの想いを伝えることで、現地、そして日本にも徐々に賛同してくれる人が増えていきました。
 民族融和は、私一人だけの力では達成できない目標であり、この活動もまだまだ道半ばです。しかし、志を仲間と、そして世界の人々と繋げ、さらに豊かな活動にしていきたい。そして自分自身の可能性も広げていきたい。私の志は、今、世界を繋ぐ橋へとさらに大きくなっています。
理工学部 エネルギー機械工学科 1年次生 高須 史織

理工学部 エネルギー機械工学科 1年次生
高須 史織

たくさんの情熱に触れながら
開いていく興味の扉

 入学して1年、次々と自分の興味の扉が開いていく毎日がとにかく楽しいです。そんな日々の始まりは、文系と理系、どちらの学部に進学するべきか迷っていた高校生の時に参加した「ガールズサイエンスキャンプ」。エンジンの構造がさまざまな理論で次々と紐解かれていく様子に触れ、理工学の面白さにすっかり夢中に。
 研究への想いを熱く語る大学院生、航空会社で女性エンジニアとして開発に打ち込む卒業生との出会いも大きかったです。発見の日々は入学後も続いています。夏休みに参加した大学の留学プログラムでは、フィリピンでの生活を体験。日本とは異なる生活環境を肌で感じ、インフラ整備の重要性にも気付かされました。
 理系の学びは地道な実験や調査の積み重ねと思われがちですが、その根底には新しい価値や便利な未来を創造するという情熱が欠かせません。私も世の中をもっと豊かにするサイエンスを形にしてみたい。航空機の整備・操縦に没頭する同級生や、専門分野を追究する先輩たちに刺激を受けながら、私だけの志を見つけようとたくさんの扉を開き続ける毎日です。

ガールズサイエンスキャンプ / 学部生、留学生、女性研究者、エンジニアとの交流の中で理系の魅力を体感し、本格的な実験に挑戦する。
社会学部 社会福祉学科 1年次生 箭内 大道

社会学部 社会福祉学科 1年次生
箭内 大道

飛び込み、挑み、成し遂げる
そこから芽生えた私の想い

 新しいことに挑戦するのはとても大変なこと。入学当時はそう思っていました。しかし、創立者である新島襄が国禁を犯してまでアメリカに渡ったこと、そこでの出会いと経験が彼を大学設立の夢へと導いてくれたことを知りました。そんな彼の挑戦や行動を追体験できるのが「函館キャンプ」。3泊4日のキャンプを学生自身で企画していくことに不安を覚えながらも、思い切って飛び込んでみました。班のリーダーとして学部・学年の異なる学生たちの意見をまとめることに戸惑いを感じる一方、多様な想いを知る楽しさ、多彩なアイデアを具体的なプログラムに作り上げていく達成感を得ることができました。
 キャンプ後、新しいフィールドに飛び込むことへの不安は期待に変わり、次第に行動も変化。自身の学びにも通ずるボランティア団体への参加をはじめ、一つずつ挑戦を重ねています。そしてこれからは、チャンスに飛び込むだけでなく、自分が情報を発信し、たくさんの人を繋いでいく存在になっていきたい。函館キャンプで生まれた想いは、今まさに大きく育とうとしています。

函館キャンプ / 毎年8月に開催。新島襄の足跡を辿る函館でのフィールドワークを自分たちで計画、準備する。
交換留学生(タイ・タマサート大学) ARAYA PORNSUWANKUL

交換留学生(タイ・タマサート大学)
ARAYA PORNSUWANKUL

同志社は世界の縮図
そこで見つけた未来の夢

 世界を見てみたい、そして海外で学ぶことで自分の視野を少しでも広げていきたい。そう考え、初めての留学先として、タイと文化的な親和性を感じていた日本を選択しました。しかし、同志社大学で出合ったのは日本に留まらない、世界各地から集まる学生たちからの多様な刺激。授業でジェンダーに対する考え方について議論した際には、性に対する認識の違いだけではなく、政治、文化、働き方までさまざまな視点から意見が飛び交い、私が想像もしなかったフィールドへと議論が深化していきました。本や教科書からだけでは決して分からない生きた情報に触れ、異なる価値観や意見を持つ人との対話を重ねることの大切さを認識しました。
 そして今、私が感じているのは母国タイの可能性。都市化が進む一方、穏やかな時間が流れ、それが精神的な豊かさに繋がっている側面もある。本当に豊かな暮らし、持続可能な生活とは何なのか、タイの主要産業の一つである農業を切り口に考えてみたい。同志社大学での想像を超えた多様な価値観との出合いが、新しい夢に気付かせてくれました。
理工学部 数理システム学科 2年次生 西嶋 巴里

理工学部 数理システム学科 2年次生
西嶋 巴里

さまざまな価値観と出合って気付いた
コミュニケーションの本質

 これまで以上に多様な価値観に触れてみたい。それが「グローバル・リベラルアーツ副専攻」に挑戦した理由です。しかし、授業の全てが英語で実施されるこのプログラムの受講に際し、心配だったのは語学力。受講した当初は伝えたいことをうまく言葉にできず、もどかしさを味わいました。それでも諦めずに参加し続けることで、言い換えや単語をつなぎ合わせれば、全てを伝えることは無理でも、本意は伝えることができると実感。
 大切なのは、異なる価値観を持つ人に対し、自分の想いや考えを伝えようとする気持ちです。伝える努力を重ねていく中で、相手の立場からその本意を見つめる姿勢も自然と身につき、語学力も徐々に向上。また、人と向き合う姿勢とアプローチが変化したことで、日々の友人との会話の密度が高まり、大学生活がより充実していきました。多様な文化的背景を持つ学生が集まる、世界の縮図のような空間で気付いたのは、日本語にも英語にも通ずるコミュニケーションの本質。今後もたくさんの価値観に触れ、自身の変化を楽しみながら、未来の可能性を広げていきたいです。

グローバル・リベラルアーツ副専攻 / 少人数で留学生とともに対話型の授業を英語で学ぶ科目をはじめ、自分の専攻分野とは異なる様々な学問分野を学ぶことによって多元的に物事を思考する力を養う。
(左) 法学部 政治学科 4年次生 雜賀 晃 (右) 交換留学生(ドイツ・テュービンゲン大学) Caroline Knull

(左) 法学部 政治学科 4年次生 雜賀 晃
(右) 交換留学生(ドイツ・テュービンゲン大学) Caroline Knull

想いを届け
次のステージへ

法学部 政治学科 4年次生 雜賀 晃
 学部での学びを通じ、次第にアメリカ政治への関心が高まり、派遣留学生制度を利用してコロラド大学ボルダー校へ。初日の授業で発言を求められ、口ごもってしまった悔しさは今でも忘れられません。それからは録音した授業を聞き直し、課題を予習し、自分の考えを必死にまとめる毎日。数ヵ月後にクラスでトップの成績を残してからは、周囲も私を認めてくれるようになり、確かな自信を得ることができました。
 留学生活で気付いたのは、“スピークアウト”の重要性。授業だけではなく、日常生活においても自分のスタンスを持ち、考えを発していくことで、本当に人と繋がり合うことができる。そして、そのためには常に相手の状況や社会に想いを馳せ、自問自答し、想いを自分の言葉で表現していく。コミュニケーションにおける基本姿勢の変化とともに仲間が増え、その新たな楽しさに気付けたことこそが大きな財産です。卒業後は総合商社への就職が決定しており、世界中の人々と私の想いを重ねながら、その地域での生活を支えられるようなプロジェクトに挑戦していきたいです。

想いを交わし
世界を少しずつ変えていく

交換留学生(ドイツ・テュービンゲン大学) Caroline Knull
 東アジアへの関心の高まりから、台湾、中国へ。海外生活を通じ、母国ドイツではあまり馴染みのない事柄が、他国では大きな課題になっていることを体感しました。もっと現状を学びたい、そんな思いで日本、なかでも多くの国から学生が集まる同志社への留学を決意。同志社大学には授業の内外を問わず、さまざまな問題を取り上げ議論する機会が想像以上に多く存在していました。そして私が驚いたのは議論の中で、“自分には関係がない”という言葉が誰からも出ないこと。例えば出身国によって価値観やゴールさえも異なるエネルギー問題のディスカッション。たとえ悪影響が及ぶエリアに母国が位置する学生であろうと、前向きに議論に参加していく。全員が世界をより良くするためにアイデアを出し、考え方をシェアしていく過程は、私の思考アプローチを大きく、そしてしなやかに変化させてくれました。
 将来はまだ模索中ですが、世界のどこであろうとも、同志社大学で過ごした時間のように意見を交わし合えば、一緒に世界を少しずつ良くすることができる。それが、この大学で得た私の確信です。