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【新島塾】読書から始まる知の探究 成果発表会 開催報告

'19年7月1日 更新
文学部 新(あたらし)教授セッション 成果発表会

 6月30日(日)13:00から、同志社大学今出川校地良心館2階ラーニング・コモンズ内プレゼンテーションコートで同志社大学新島塾 読書から始まる知の探究[春期] 新(あたらし)茂之・文学部教授セッションの成果発表会が開催されました。当日は、新島塾第1期塾生や塾生チューターだけでなく、多くの教職員や、他の読書から始まる知の探究セッションを担当する教員、新島塾塾生ではない学生の聴講者も見られ、活気あふれる発表会となりました。
 発表会は、塾生を2つのグループに分け、各塾生がこのセッションで学んだ内容と完成させたレポートについて発表と質疑応答を行う形式で、新教授と、竹廣 良司・経済学部教授(新島塾コーディネーター)がグループの進行役を務めました。

 塾生が、自身の関心や問題意識に基づき、題材として取り上げた課題図書について完成させたレポートには各人の多様な視点や問題意識が盛り込まれており、各塾生がこのセッションで3ヶ月にわたって重ねてきた努力の形跡を存分に窺うことができるものでした。塾生は、発表者として塾生からの質問に対しても堂々と回答していた一方で、聴講者としても他者の発表内容に耳を傾け、発表者とは反対あるいは別の立場から自身の意見や質問をぶつける場面が数多くあり、緊張感のある白熱した成果発表会となりました。例えば、消費行動に対する戦略がテーマの発表にAIの観点からの質問が挙がったり、ポピュリズムは民主主義を揺るがす脅威であるのかというテーマの発表に対して、ポピュリズムは反証可能性の忘却であるとの意見が寄せられたりと、様々な学部に所属する塾生が集う新島塾ならではの光景が繰り広げられました。時には、チューターや教員、他の塾生からの鋭い指摘や質問に対し、十分な対応ができない状況も見られましたが、塾生にとってはこれらも貴重な経験となったのではないでしょうか。

 総括として、新教授・竹廣コーディネーターから、「読書から得た知見を明らかにした上で、自身の想いや考えと切り分けて発表すると良い。」「他の人のテーマと自身のテーマがどのように繋がるか考えると、更に視野が広がる。」「このセッションは、『どう読むのか』そして『どう書くのか』という基本的事項に力点を置いて展開した。社会科学系・自然科学系とはまた違ったアプローチかもしれないが、今回学んだ立論の組み方などはひとつの書き方として理解してもらいたい。」といったコメントがあり、塾生はまた新たな気付きと刺激を得たようでした。
 「読書から始まる知の探究」のセッションは、他の担当教員が受け持つセッションへと展開されていきますが、このセッションでの学びが新島塾での他の活動へとシームレスに繋がっていくことが期待されます。

 このセッションに取り組んだ塾生の声をいくつか紹介します。
政策学部・磯島さん「新先生にレポートをきめ細かく指導していただき、文章を書く際の意識が格段に変わりました。読書を重ねて自分の選んだテーマに関する知識が深まったと感じています。成果発表会では他の塾生の多様なテーマの話を聞き、関心のある分野が広がりました。今後は、このセッションでの学びをもとに、新島塾の活動に取り組みます。」

社会学部・松田さん「同志社大学はキャンパス同士が離れているため、京田辺キャンパスに通う学生と交流する機会がありません。しかし、新島塾という文理の垣根を超えた場で意見を交わすことによって、私たちは新たな知見が得ることができました。」

生命医科学部・中田さん「専門の理数系の学びとは異なる『日本人の和の精神』を焦点にしたレポートに挑戦した。最初は、数式や化学式を使わず、言葉のみで論拠を示し、順序立てて書く難しさを痛感したが、新先生の熱心なご指導により、徐々に一貫性のある文章作成ができるようになった。発表会では、マーケティングにおけるAIの導入やゲノム編集の法規制の是非など文理融合の内容を文理の枠組みを超えて、様々な観点から議論し合い、理解を深め、刺激を受けることができた。今後は夏のセッションに向けて更なる精進を重ねて見識を深めていきたい。」

 各塾生が行った発表テーマは下記のとおりです。
  • 「日本の「和の精神」を未来につなげる意義」
  • 「「モテ」代替機の可能性」
  • 「日本において、ゲノム編集作物をどのように規制するべきか」
  • 「文系と理系の区分はこれからの社会にとって必要であるか」
  • 「税制面における、頼りあえる社会を再構築するために必要なことは何か」
  • 「人類はなぜ文明を築けたのか」
  • 「買い手に対し、気軽に商品を選んでもらうためには、どのような戦略を打つべきか」
  • 「憲法9条と日米安全保障条約はどのように共存してきたか-吉田茂と高坂正堯を中心に-」
  • 「差別を解消するために部落はどう変わるべきか-同和対策事業のジレンマを超えて-」
  • 「超然内閣である安倍内閣の存続背景」
  • 「ポピュリズムは私たちの民主主義を揺るがす真の脅威であるのか」
  • 「なぜ非行少年は犯罪に関与してしまうのか-「優しい関係」という他者との対立を回避する人間関係の構造から考察する-」
  • 「官僚と政権の理想的な関係はどのようなものであるか」
  • 「富を幸福に代替しても豊かさを理解できるのか」
  • 「SNSにおける「炎上」の構造に関する分析-承認欲求の観点より-」
  • 「延命という選択肢以外に考えられる幸せな最期を迎えるための方法とは何か」

 新島塾の活動は、7月17日(水)のランチタイムに行われる塾生ミーティングを経て、9月7日(土)から10日(火)の期間で、同志社びわこリトリートセンターで実施される「合宿で鍛える知的基礎体力」へと続きます。
学内外に新島塾の取組を広く知っていただき、更に同志社大学新島塾への関心が高まることを期待しています。
(事務局・高等研究教育院事務室)
新(あたらし)教授による説明

新(あたらし)教授による説明

4.塾生からの質問1

塾生からの質問1

6.塾生からの質問2

塾生からの質問2

2.チューターからの質問

新島塾チューターからの質問

3.教員からの質問1

教員からの質問1

5.教員からの質問2

教員からの質問2

セッションの総括・ふりかえり

セッションの総括・ふりかえり

文学部 新(あたらし)教授セッション 成果発表会

 6月30日(日)13:00から、同志社大学今出川校地良心館2階ラーニング・コモンズ内プレゼンテーションコートで同志社大学新島塾 読書から始まる知の探究[春期] 新(あたらし)茂之・文学部教授セッションの成果発表会が開催されました。当日は、新島塾第1期塾生や塾生チューターだけでなく、多くの教職員や、他の読書から始まる知の探究セッションを担当する教員、新島塾塾生ではない学生の聴講者も見られ、活気あふれる発表会となりました。
 発表会は、塾生を2つのグループに分け、各塾生がこのセッションで学んだ内容と完成させたレポートについて発表と質疑応答を行う形式で、新教授と、竹廣 良司・経済学部教授(新島塾コーディネーター)がグループの進行役を務めました。

 塾生が、自身の関心や問題意識に基づき、題材として取り上げた課題図書について完成させたレポートには各人の多様な視点や問題意識が盛り込まれており、各塾生がこのセッションで3ヶ月にわたって重ねてきた努力の形跡を存分に窺うことができるものでした。塾生は、発表者として塾生からの質問に対しても堂々と回答していた一方で、聴講者としても他者の発表内容に耳を傾け、発表者とは反対あるいは別の立場から自身の意見や質問をぶつける場面が数多くあり、緊張感のある白熱した成果発表会となりました。例えば、消費行動に対する戦略がテーマの発表にAIの観点からの質問が挙がったり、ポピュリズムは民主主義を揺るがす脅威であるのかというテーマの発表に対して、ポピュリズムは反証可能性の忘却であるとの意見が寄せられたりと、様々な学部に所属する塾生が集う新島塾ならではの光景が繰り広げられました。時には、チューターや教員、他の塾生からの鋭い指摘や質問に対し、十分な対応ができない状況も見られましたが、塾生にとってはこれらも貴重な経験となったのではないでしょうか。

 総括として、新教授・竹廣コーディネーターから、「読書から得た知見を明らかにした上で、自身の想いや考えと切り分けて発表すると良い。」「他の人のテーマと自身のテーマがどのように繋がるか考えると、更に視野が広がる。」「このセッションは、『どう読むのか』そして『どう書くのか』という基本的事項に力点を置いて展開した。社会科学系・自然科学系とはまた違ったアプローチかもしれないが、今回学んだ立論の組み方などはひとつの書き方として理解してもらいたい。」といったコメントがあり、塾生はまた新たな気付きと刺激を得たようでした。
 「読書から始まる知の探究」のセッションは、他の担当教員が受け持つセッションへと展開されていきますが、このセッションでの学びが新島塾での他の活動へとシームレスに繋がっていくことが期待されます。

 このセッションに取り組んだ塾生の声をいくつか紹介します。
政策学部・磯島さん「新先生にレポートをきめ細かく指導していただき、文章を書く際の意識が格段に変わりました。読書を重ねて自分の選んだテーマに関する知識が深まったと感じています。成果発表会では他の塾生の多様なテーマの話を聞き、関心のある分野が広がりました。今後は、このセッションでの学びをもとに、新島塾の活動に取り組みます。」

社会学部・松田さん「同志社大学はキャンパス同士が離れているため、京田辺キャンパスに通う学生と交流する機会がありません。しかし、新島塾という文理の垣根を超えた場で意見を交わすことによって、私たちは新たな知見が得ることができました。」

生命医科学部・中田さん「専門の理数系の学びとは異なる『日本人の和の精神』を焦点にしたレポートに挑戦した。最初は、数式や化学式を使わず、言葉のみで論拠を示し、順序立てて書く難しさを痛感したが、新先生の熱心なご指導により、徐々に一貫性のある文章作成ができるようになった。発表会では、マーケティングにおけるAIの導入やゲノム編集の法規制の是非など文理融合の内容を文理の枠組みを超えて、様々な観点から議論し合い、理解を深め、刺激を受けることができた。今後は夏のセッションに向けて更なる精進を重ねて見識を深めていきたい。」

 各塾生が行った発表テーマは下記のとおりです。
  • 「日本の「和の精神」を未来につなげる意義」
  • 「「モテ」代替機の可能性」
  • 「日本において、ゲノム編集作物をどのように規制するべきか」
  • 「文系と理系の区分はこれからの社会にとって必要であるか」
  • 「税制面における、頼りあえる社会を再構築するために必要なことは何か」
  • 「人類はなぜ文明を築けたのか」
  • 「買い手に対し、気軽に商品を選んでもらうためには、どのような戦略を打つべきか」
  • 「憲法9条と日米安全保障条約はどのように共存してきたか-吉田茂と高坂正堯を中心に-」
  • 「差別を解消するために部落はどう変わるべきか-同和対策事業のジレンマを超えて-」
  • 「超然内閣である安倍内閣の存続背景」
  • 「ポピュリズムは私たちの民主主義を揺るがす真の脅威であるのか」
  • 「なぜ非行少年は犯罪に関与してしまうのか-「優しい関係」という他者との対立を回避する人間関係の構造から考察する-」
  • 「官僚と政権の理想的な関係はどのようなものであるか」
  • 「富を幸福に代替しても豊かさを理解できるのか」
  • 「SNSにおける「炎上」の構造に関する分析-承認欲求の観点より-」
  • 「延命という選択肢以外に考えられる幸せな最期を迎えるための方法とは何か」

 新島塾の活動は、7月17日(水)のランチタイムに行われる塾生ミーティングを経て、9月7日(土)から10日(火)の期間で、同志社びわこリトリートセンターで実施される「合宿で鍛える知的基礎体力」へと続きます。
学内外に新島塾の取組を広く知っていただき、更に同志社大学新島塾への関心が高まることを期待しています。
(事務局・高等研究教育院事務室)
関連情報
お問い合わせ先
同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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