'19年8月27日 更新
Journal of Neuroscience 誌に採択された神経病理学研究室の宮坂知宏准教授、久保厚子研究員と脳科学研究科の御園生裕明教授らの論文が、2019年 8月21日付で、 同誌の表紙に選定されました。
アルツハイマー病をはじめとする認知症では、神経細胞内にタウとよばれるタンパク質が異常に蓄積します。このタウの蓄積こそが、神経細胞がはたらかなくなる直接の原因と考えられています。実はタウは健康な人の脳にも豊富に存在しておりますが、なぜ高齢者の脳で異常な振る舞いをするのか不明でした。タウは神経細胞の軸索とよばれる部分に存在しておりますが、異常なタウの蓄積は細胞体や樹状突起といった、タウが本来いるはずのない部分でおこります。同志社大学宮坂知宏准教授、御園生裕明教授、重井医学研究所松山誠室長を中心としたグループは、この“タウの異常局在”が認知症につながる重要なステップと考えました。はじめに組織中のタウを高感度に検出できる抗体を作成し、様々なモデルマウス脳におけるタウの産生や局在を調べました。その結果、タウは本来周産期にさかんにつくられ、脳の発達とともに産生にブレーキがかかること、このルールに反して成熟後の神経細胞で無駄に作られたタウが細胞体に異常局在し、これがアルツハイマー病特有の病変を形成することを突き止めました。タウの正常な機能には作られるタイミングが重要であり、その破綻が認知症発症の鍵となる可能性が考えられます。
研究内容の詳細は、以下の関連情報をご覧ください。
アルツハイマー病をはじめとする認知症では、神経細胞内にタウとよばれるタンパク質が異常に蓄積します。このタウの蓄積こそが、神経細胞がはたらかなくなる直接の原因と考えられています。実はタウは健康な人の脳にも豊富に存在しておりますが、なぜ高齢者の脳で異常な振る舞いをするのか不明でした。タウは神経細胞の軸索とよばれる部分に存在しておりますが、異常なタウの蓄積は細胞体や樹状突起といった、タウが本来いるはずのない部分でおこります。同志社大学宮坂知宏准教授、御園生裕明教授、重井医学研究所松山誠室長を中心としたグループは、この“タウの異常局在”が認知症につながる重要なステップと考えました。はじめに組織中のタウを高感度に検出できる抗体を作成し、様々なモデルマウス脳におけるタウの産生や局在を調べました。その結果、タウは本来周産期にさかんにつくられ、脳の発達とともに産生にブレーキがかかること、このルールに反して成熟後の神経細胞で無駄に作られたタウが細胞体に異常局在し、これがアルツハイマー病特有の病変を形成することを突き止めました。タウの正常な機能には作られるタイミングが重要であり、その破綻が認知症発症の鍵となる可能性が考えられます。
研究内容の詳細は、以下の関連情報をご覧ください。
題目:
Ectopic expression induces abnormal somatodendritic distribution of tau in the mouse brain発表者:
- 久保 厚子
- (生命医科学部 特別研究員*)
連名者:
- 上田 翔洋
- (生命医科学研究科 医生命システム専攻*)
- 山根 彩可
- (脳科学研究科 研究科生*)
- 角田 聡子
- (生命医科学部 技術員)
- 成田 万倭
- (生命医科学部 医生命システム学科*)
- 松山 誠
- (重井医学研究所 室長)
- 野守 あかね
- (重井医学研究所 研究員)
- 高島 明彦
- (学習院大学 教授)
- 加藤 泰介
- (新潟大学 特任准教授)
- 小野寺 理
- (新潟大学 教授)
- 後藤 元人
- (実験動物中央研究所)
- 伊藤 守
- (実験動物中央研究所)
- 富山 貴美
- (大阪市立大学 研究教授)
- 森 啓
- (大阪市立大学 教授)
- 村山 繁雄
- (東京都健康長寿医療センター 高齢者バイオリソースセンター部長)
- 井原 康夫
- (脳科学研究科 教授*)
- 御園生 裕明
- (脳科学研究科 教授)
- 宮坂 知宏
- (生命医科学部 准教授)
Journal of Neuroscience 誌に採択された神経病理学研究室の宮坂知宏准教授、久保厚子研究員と脳科学研究科の御園生裕明教授らの論文が、2019年 8月21日付で、 同誌の表紙に選定されました。
アルツハイマー病をはじめとする認知症では、神経細胞内にタウとよばれるタンパク質が異常に蓄積します。このタウの蓄積こそが、神経細胞がはたらかなくなる直接の原因と考えられています。実はタウは健康な人の脳にも豊富に存在しておりますが、なぜ高齢者の脳で異常な振る舞いをするのか不明でした。タウは神経細胞の軸索とよばれる部分に存在しておりますが、異常なタウの蓄積は細胞体や樹状突起といった、タウが本来いるはずのない部分でおこります。同志社大学宮坂知宏准教授、御園生裕明教授、重井医学研究所松山誠室長を中心としたグループは、この“タウの異常局在”が認知症につながる重要なステップと考えました。はじめに組織中のタウを高感度に検出できる抗体を作成し、様々なモデルマウス脳におけるタウの産生や局在を調べました。その結果、タウは本来周産期にさかんにつくられ、脳の発達とともに産生にブレーキがかかること、このルールに反して成熟後の神経細胞で無駄に作られたタウが細胞体に異常局在し、これがアルツハイマー病特有の病変を形成することを突き止めました。タウの正常な機能には作られるタイミングが重要であり、その破綻が認知症発症の鍵となる可能性が考えられます。
研究内容の詳細は、以下の関連情報をご覧ください。
アルツハイマー病をはじめとする認知症では、神経細胞内にタウとよばれるタンパク質が異常に蓄積します。このタウの蓄積こそが、神経細胞がはたらかなくなる直接の原因と考えられています。実はタウは健康な人の脳にも豊富に存在しておりますが、なぜ高齢者の脳で異常な振る舞いをするのか不明でした。タウは神経細胞の軸索とよばれる部分に存在しておりますが、異常なタウの蓄積は細胞体や樹状突起といった、タウが本来いるはずのない部分でおこります。同志社大学宮坂知宏准教授、御園生裕明教授、重井医学研究所松山誠室長を中心としたグループは、この“タウの異常局在”が認知症につながる重要なステップと考えました。はじめに組織中のタウを高感度に検出できる抗体を作成し、様々なモデルマウス脳におけるタウの産生や局在を調べました。その結果、タウは本来周産期にさかんにつくられ、脳の発達とともに産生にブレーキがかかること、このルールに反して成熟後の神経細胞で無駄に作られたタウが細胞体に異常局在し、これがアルツハイマー病特有の病変を形成することを突き止めました。タウの正常な機能には作られるタイミングが重要であり、その破綻が認知症発症の鍵となる可能性が考えられます。
研究内容の詳細は、以下の関連情報をご覧ください。
題目:
Ectopic expression induces abnormal somatodendritic distribution of tau in the mouse brain発表者:
- 久保 厚子
- (生命医科学部 特別研究員*)
連名者:
- 上田 翔洋
- (生命医科学研究科 医生命システム専攻*)
- 山根 彩可
- (脳科学研究科 研究科生*)
- 角田 聡子
- (生命医科学部 技術員)
- 成田 万倭
- (生命医科学部 医生命システム学科*)
- 松山 誠
- (重井医学研究所 室長)
- 野守 あかね
- (重井医学研究所 研究員)
- 高島 明彦
- (学習院大学 教授)
- 加藤 泰介
- (新潟大学 特任准教授)
- 小野寺 理
- (新潟大学 教授)
- 後藤 元人
- (実験動物中央研究所)
- 伊藤 守
- (実験動物中央研究所)
- 富山 貴美
- (大阪市立大学 研究教授)
- 森 啓
- (大阪市立大学 教授)
- 村山 繁雄
- (東京都健康長寿医療センター 高齢者バイオリソースセンター部長)
- 井原 康夫
- (脳科学研究科 教授*)
- 御園生 裕明
- (脳科学研究科 教授)
- 宮坂 知宏
- (生命医科学部 准教授)