'19年9月19日 更新
「同志社大学新島塾 合宿で鍛える知的基礎体力」4日目
最終日は、3日目のレポート課題「今後、どんな仕事にも就くことができないとされる無用者階級(ユースレスクラス)は本当に形成されるのか」に対する塾生の肯定・否定それぞれの意見の紹介から始まりました。- 否定派
- 「社会の変化はゆるやかに起こるもので、人間もその変化に合わせて対応するから、無用者は出ない。」
- 否定派
- 「歴史的事実から、いつの時代にも無用者が発生する可能性はあったが、いままで発生していない」
- 肯定派
- 「歴史的に見て、いままで無かったからと言ってこれからも発生しないとは限らない。」
- 肯定派
- 「これから社会的、政治的、経済的価値がない仕事はなくなる。単純労働ではない、創造性と柔軟性の必要な仕事しか残らないのではないか。」
後藤講師からは「解は1つではない。どちらかが正解ではなく、どちらの考え方もできる。まず言葉の定義をした上で、自身の考えのよりどころに基づき、逆の立場の意見についても考える謙虚さが大事だ。例えば、コップに水と氷が入っていてつり合いのとれた状態を平衡状態というが、実社会では水と氷のどちらかだけではなく、両者が混在したせめぎ合いの状態であることが多い。ある状態では、きれいな結晶状態として一方向を向いているが、他の状態変化には脆いものである。これは科学の話ではなく、恐竜の絶滅にも同じことが言える。だが、現実社会は一方向ではなくモザイク状になっている。社会的な変化は、あるとき急に起こるものではなく、じっくりと起こる。すぐにホモ・デウスで書かれたような世界になることはないだろう。」という見解が示され、塾生は熱心に耳を傾けていました。
続いて、ホモ・デウスの世界が実際のものになって情報社会が進むと、ますますエネルギー消費は増大する。絶対に必要であるにも関わらず、エネルギーと食物生産は誰が担うのかという問題や、その背景にある土壌生物・微生物・細菌といった環境に関する記述がほとんどされていない点を挙げながら、課題図書に欠けている視座について示されました。
後藤講師から塾生に向けて
- ホモ・デウスの前著である「サピエンス全史」も読むこと。
- 巻末の参考文献を参照する習慣を付けること。参考文献として複数回参照されている本があれば、それも関連付けて読むことで学びを広げること。
午後には、佐藤講師による合宿の総括が行われました。
新島塾の塾生は、決して他大学の学生と比べても引けを取らない地頭があるが、学習に対する心理面が違う。
高校世界史レベルの同じテストを2日目と3日目に実施したが、人によって点数上昇に有意な差があることからも判る。
「分からないことを埋める努力を継続的にできるかどうか。」間違えたときがチャンス。
今思えば、人生を変えるチャンスは同志社での学びにあった。同志社で学んでいなければ、現在の自分はない。
「皆さんはもしかしたら不本意入学だったかもしれない。親の期待に応えられていないとか、周囲や友人と比べて卑下することもあるかもしれないが、そんなときに勉強は出来ない。『勉強は自分のためであり、社会のため』という切り替えが出来るかどうか。」が新島塾の塾生にはとても重要だ。
まずは平日3時間・土日5時間の学習を3か月続けること。そこから加速して平日5時間・土日10時間の習慣をつけるように、と今後の学習について具体的なアドバイスがありました。
佐藤講師から最後に
「教員は刺激を与えることしかできない。その先は塾生個人がやるしかない。」
「教員は基本的に教えることが好き。教員を使い倒すこと。」
「学長の情熱の元、教員や職員は皆さんの将来のために何ができるか考えている。」
「もっとエゴイスティックになってよい。自身のキャリアパスや可能性について、もっと目立ちたいと思って構わない。個別利益だけでは誰も付いてこないが、大義名分だけでは息が続かない。2つの連立方程式を組むこと。」
「プライドをいったんカッコに入れて、虚心坦懐、学力欠損がどこにあるかを省みて埋めること。その上で専門分野の学習をすることで学習効果がより大きくなる。」
「教員は見返りを求めていない。塾生が社会の各方面で活躍し、次の世代に届けることを期待している。」
「受けるより与える方が幸いである(使徒言行録20章35節)。新島塾塾生は将来、次の世代に与えることができるように、まずは受ける器を大きくしてほしい。」
「学習の質より学習量。量をこなすことで、質に関する多くの問題はクリアできる。」
「教員は基本的に教えることが好き。教員を使い倒すこと。」
「学長の情熱の元、教員や職員は皆さんの将来のために何ができるか考えている。」
「もっとエゴイスティックになってよい。自身のキャリアパスや可能性について、もっと目立ちたいと思って構わない。個別利益だけでは誰も付いてこないが、大義名分だけでは息が続かない。2つの連立方程式を組むこと。」
「プライドをいったんカッコに入れて、虚心坦懐、学力欠損がどこにあるかを省みて埋めること。その上で専門分野の学習をすることで学習効果がより大きくなる。」
「教員は見返りを求めていない。塾生が社会の各方面で活躍し、次の世代に届けることを期待している。」
「受けるより与える方が幸いである(使徒言行録20章35節)。新島塾塾生は将来、次の世代に与えることができるように、まずは受ける器を大きくしてほしい。」
「学習の質より学習量。量をこなすことで、質に関する多くの問題はクリアできる。」
こうして、4日間にわたる同志社大学新島塾「合宿で鍛える知的基礎体力」を終えました。
最後に集合写真を撮影し、塾生はみな晴れやかな顔で同志社びわこリトリートセンターを後にしました。
合宿で鍛える知的基礎体力 3日目の様子
合宿で鍛える知的基礎体力 2日目の様子
合宿で鍛える知的基礎体力 1日目の様子
(事務局・高等研究教育院事務室)
「同志社大学新島塾 合宿で鍛える知的基礎体力」4日目
最終日は、3日目のレポート課題「今後、どんな仕事にも就くことができないとされる無用者階級(ユースレスクラス)は本当に形成されるのか」に対する塾生の肯定・否定それぞれの意見の紹介から始まりました。- 否定派
- 「社会の変化はゆるやかに起こるもので、人間もその変化に合わせて対応するから、無用者は出ない。」
- 否定派
- 「歴史的事実から、いつの時代にも無用者が発生する可能性はあったが、いままで発生していない」
- 肯定派
- 「歴史的に見て、いままで無かったからと言ってこれからも発生しないとは限らない。」
- 肯定派
- 「これから社会的、政治的、経済的価値がない仕事はなくなる。単純労働ではない、創造性と柔軟性の必要な仕事しか残らないのではないか。」
後藤講師からは「解は1つではない。どちらかが正解ではなく、どちらの考え方もできる。まず言葉の定義をした上で、自身の考えのよりどころに基づき、逆の立場の意見についても考える謙虚さが大事だ。例えば、コップに水と氷が入っていてつり合いのとれた状態を平衡状態というが、実社会では水と氷のどちらかだけではなく、両者が混在したせめぎ合いの状態であることが多い。ある状態では、きれいな結晶状態として一方向を向いているが、他の状態変化には脆いものである。これは科学の話ではなく、恐竜の絶滅にも同じことが言える。だが、現実社会は一方向ではなくモザイク状になっている。社会的な変化は、あるとき急に起こるものではなく、じっくりと起こる。すぐにホモ・デウスで書かれたような世界になることはないだろう。」という見解が示され、塾生は熱心に耳を傾けていました。
続いて、ホモ・デウスの世界が実際のものになって情報社会が進むと、ますますエネルギー消費は増大する。絶対に必要であるにも関わらず、エネルギーと食物生産は誰が担うのかという問題や、その背景にある土壌生物・微生物・細菌といった環境に関する記述がほとんどされていない点を挙げながら、課題図書に欠けている視座について示されました。
後藤講師から塾生に向けて
- ホモ・デウスの前著である「サピエンス全史」も読むこと。
- 巻末の参考文献を参照する習慣を付けること。参考文献として複数回参照されている本があれば、それも関連付けて読むことで学びを広げること。
午後には、佐藤講師による合宿の総括が行われました。
新島塾の塾生は、決して他大学の学生と比べても引けを取らない地頭があるが、学習に対する心理面が違う。
高校世界史レベルの同じテストを2日目と3日目に実施したが、人によって点数上昇に有意な差があることからも判る。
「分からないことを埋める努力を継続的にできるかどうか。」間違えたときがチャンス。
今思えば、人生を変えるチャンスは同志社での学びにあった。同志社で学んでいなければ、現在の自分はない。
「皆さんはもしかしたら不本意入学だったかもしれない。親の期待に応えられていないとか、周囲や友人と比べて卑下することもあるかもしれないが、そんなときに勉強は出来ない。『勉強は自分のためであり、社会のため』という切り替えが出来るかどうか。」が新島塾の塾生にはとても重要だ。
まずは平日3時間・土日5時間の学習を3か月続けること。そこから加速して平日5時間・土日10時間の習慣をつけるように、と今後の学習について具体的なアドバイスがありました。
佐藤講師から最後に
「教員は刺激を与えることしかできない。その先は塾生個人がやるしかない。」
「教員は基本的に教えることが好き。教員を使い倒すこと。」
「学長の情熱の元、教員や職員は皆さんの将来のために何ができるか考えている。」
「もっとエゴイスティックになってよい。自身のキャリアパスや可能性について、もっと目立ちたいと思って構わない。個別利益だけでは誰も付いてこないが、大義名分だけでは息が続かない。2つの連立方程式を組むこと。」
「プライドをいったんカッコに入れて、虚心坦懐、学力欠損がどこにあるかを省みて埋めること。その上で専門分野の学習をすることで学習効果がより大きくなる。」
「教員は見返りを求めていない。塾生が社会の各方面で活躍し、次の世代に届けることを期待している。」
「受けるより与える方が幸いである(使徒言行録20章35節)。新島塾塾生は将来、次の世代に与えることができるように、まずは受ける器を大きくしてほしい。」
「学習の質より学習量。量をこなすことで、質に関する多くの問題はクリアできる。」
「教員は基本的に教えることが好き。教員を使い倒すこと。」
「学長の情熱の元、教員や職員は皆さんの将来のために何ができるか考えている。」
「もっとエゴイスティックになってよい。自身のキャリアパスや可能性について、もっと目立ちたいと思って構わない。個別利益だけでは誰も付いてこないが、大義名分だけでは息が続かない。2つの連立方程式を組むこと。」
「プライドをいったんカッコに入れて、虚心坦懐、学力欠損がどこにあるかを省みて埋めること。その上で専門分野の学習をすることで学習効果がより大きくなる。」
「教員は見返りを求めていない。塾生が社会の各方面で活躍し、次の世代に届けることを期待している。」
「受けるより与える方が幸いである(使徒言行録20章35節)。新島塾塾生は将来、次の世代に与えることができるように、まずは受ける器を大きくしてほしい。」
「学習の質より学習量。量をこなすことで、質に関する多くの問題はクリアできる。」
こうして、4日間にわたる同志社大学新島塾「合宿で鍛える知的基礎体力」を終えました。
最後に集合写真を撮影し、塾生はみな晴れやかな顔で同志社びわこリトリートセンターを後にしました。
合宿で鍛える知的基礎体力 3日目の様子
合宿で鍛える知的基礎体力 2日目の様子
合宿で鍛える知的基礎体力 1日目の様子
(事務局・高等研究教育院事務室)