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【新島塾】読書から始まる知の探究[秋期]林田教授セッション第1回活動

'19年11月8日 更新
理工学部 林田教授セッション 第1回活動
 11月2日(土)から「読書から始まる知の探究[秋期]」として、理工学部 林田教授によるセッションがスタートしました。このセッションは2回に分けて行われ「人間にとって科学とは何か」を考え、高度に発展した現代の科学技術が一般市民から切り離されないようにするための方策等についての議論につなげることを目指します。

 第1回活動は、講義中心に行われました。まず林田教授から、なぜこの課題図書を選定したのか、説明がありました。教授自身がこの本を読んで何を考え、どのような疑問を持ったのかが紹介され、その後、塾生がそれぞれ課題図書から何を感じ、それをどのように捉えたのかについて問うところから始まりました。ある塾生は、「これまで教会による聖書の解釈は絶対的なもので、いつの時代も同じだと思っていたが、科学技術の発展で変わってきた歴史があることに驚いた」という感想を持ち、別の塾生からは「偉大な発見や新しい事実は突然に生まれるものではなく、過去や先人たちの発見からの継続やつながりといった歴史の連続性の中で生まれるものだと学んだ」などの感想があがりました。
このセッションでも、ほかのセッションでも聞かれたように「ここで与えられるのは学びのきっかけである。今日の講義では、課題図書に記載されている物理学の中身に関する細かい話はしない。それは関心を持った人が自分で学んで欲しい。」という話がありました。
講義の前半では、近代までの文明史をなぞりながら、様々な関連書籍の紹介を通じて科学と技術の歴史を紐解き、科学者たちが神の存在をどのように捉えていたかの説明が行われました。望遠鏡の発明が天体の運動を明らかにしたように技術の開発が科学の発展に寄与するという側面もあったものの、今や半導体研究と電子工学、原子核物理学と原子力技術のように、科学と技術が渾然一体で不可分なものに変わっていった経過についても紹介され、人間と科学との関係を考えるうえで示唆に富む話題が投げかけられました。
後半は、天変地異説から斉一説への転換やダーウィンの進化論に代表される19世紀に起こったパラダイムシフトなど、物理学以外の分野における科学と宗教との関わりを背景に、この時代を生きた同志社の創立者、新島襄の足跡をたどりました。特に、彼が自然科学とどのような関わりをもったのか、最近、本学の良心学研究センターから刊行された『新島襄365』に掲載された新島の言葉を参照しながら、現代の文脈で読み解きました。
今回のセッションのまとめとして、林田教授から「新島が理化学教育の大切さを説いたのは、科学技術を国家の発展や生活の便利のために役立てるためだけではなく、自然神学の系譜におけるキリスト教の自然観のように、世界を理解するための技として必要だと考えたからではないか。」という話がありました。近代科学の発祥によって「人類は初めて、聖書や教会を介してではなく、神そのものと対峙することになった」という課題図書の一節と合わせ、塾生一同はその意味について深く考えさせられたようでした。

 第2回活動は、12月25日(水)に今出川キャンパス博遠館110番教室で行われます。塾生には、第2回活動に向けての課題として「課題図書について、自分が面白いと思ったこと、不思議に感じたこと、疑問を持ったことを基本にして、自分の考えを他の学生とディスカッションできるようにレポート形式でまとめ、事前に提出すること」という課題が与えられました。
セッションの終盤には、次回セッションの進め方や次回までの課題設定について塾生どうし、あるいは担当教員と積極的に意見を交わす姿が見られました。そこには、自身と異なる考えを持つ他者に対して、自身の考えを声高に主張して相手を説き伏せるのではなく、しっかりと対話の中で自分の思いを伝えようとする姿がありました。
(事務局・高等研究教育院事務室)
理工学部 林田教授セッション 第1回活動
 11月2日(土)から「読書から始まる知の探究[秋期]」として、理工学部 林田教授によるセッションがスタートしました。このセッションは2回に分けて行われ「人間にとって科学とは何か」を考え、高度に発展した現代の科学技術が一般市民から切り離されないようにするための方策等についての議論につなげることを目指します。

 第1回活動は、講義中心に行われました。まず林田教授から、なぜこの課題図書を選定したのか、説明がありました。教授自身がこの本を読んで何を考え、どのような疑問を持ったのかが紹介され、その後、塾生がそれぞれ課題図書から何を感じ、それをどのように捉えたのかについて問うところから始まりました。ある塾生は、「これまで教会による聖書の解釈は絶対的なもので、いつの時代も同じだと思っていたが、科学技術の発展で変わってきた歴史があることに驚いた」という感想を持ち、別の塾生からは「偉大な発見や新しい事実は突然に生まれるものではなく、過去や先人たちの発見からの継続やつながりといった歴史の連続性の中で生まれるものだと学んだ」などの感想があがりました。
このセッションでも、ほかのセッションでも聞かれたように「ここで与えられるのは学びのきっかけである。今日の講義では、課題図書に記載されている物理学の中身に関する細かい話はしない。それは関心を持った人が自分で学んで欲しい。」という話がありました。
講義の前半では、近代までの文明史をなぞりながら、様々な関連書籍の紹介を通じて科学と技術の歴史を紐解き、科学者たちが神の存在をどのように捉えていたかの説明が行われました。望遠鏡の発明が天体の運動を明らかにしたように技術の開発が科学の発展に寄与するという側面もあったものの、今や半導体研究と電子工学、原子核物理学と原子力技術のように、科学と技術が渾然一体で不可分なものに変わっていった経過についても紹介され、人間と科学との関係を考えるうえで示唆に富む話題が投げかけられました。
後半は、天変地異説から斉一説への転換やダーウィンの進化論に代表される19世紀に起こったパラダイムシフトなど、物理学以外の分野における科学と宗教との関わりを背景に、この時代を生きた同志社の創立者、新島襄の足跡をたどりました。特に、彼が自然科学とどのような関わりをもったのか、最近、本学の良心学研究センターから刊行された『新島襄365』に掲載された新島の言葉を参照しながら、現代の文脈で読み解きました。
今回のセッションのまとめとして、林田教授から「新島が理化学教育の大切さを説いたのは、科学技術を国家の発展や生活の便利のために役立てるためだけではなく、自然神学の系譜におけるキリスト教の自然観のように、世界を理解するための技として必要だと考えたからではないか。」という話がありました。近代科学の発祥によって「人類は初めて、聖書や教会を介してではなく、神そのものと対峙することになった」という課題図書の一節と合わせ、塾生一同はその意味について深く考えさせられたようでした。

 第2回活動は、12月25日(水)に今出川キャンパス博遠館110番教室で行われます。塾生には、第2回活動に向けての課題として「課題図書について、自分が面白いと思ったこと、不思議に感じたこと、疑問を持ったことを基本にして、自分の考えを他の学生とディスカッションできるようにレポート形式でまとめ、事前に提出すること」という課題が与えられました。
セッションの終盤には、次回セッションの進め方や次回までの課題設定について塾生どうし、あるいは担当教員と積極的に意見を交わす姿が見られました。そこには、自身と異なる考えを持つ他者に対して、自身の考えを声高に主張して相手を説き伏せるのではなく、しっかりと対話の中で自分の思いを伝えようとする姿がありました。
(事務局・高等研究教育院事務室)
関連情報
お問い合わせ先
同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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