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【新島塾】「リーダーに学ぶ徳力の涵養」Talk Live2019開催

'19年11月25日 更新
同志社大学新島塾「リーダーに学ぶ徳力の涵養」Talk Live2019
 11月16日(土)に「リーダーに学ぶ徳力の涵養」Talk Live 2019が行われました。
本学の卒業生である河本 宏子様(株式会社ANA総合研究所 代表取締役副社長)に講師としてお招きし、松岡学長(新島塾塾長)、藤澤副学長をはじめ多くの教職員も聴講する中、全日本空輸株式会社(以下、ANA)の成り立ち・成長の歴史から、入社後、取締役専務執行役員を経て、現在に至るまでの道のりとご自身が大切にされていることを「一人ひとりが輝く~ダイバーシティが生み出す力~」の演題で、これまでの経験談をふんだんに交えてご講演いただきました。
 「新島塾が、この一国の良心とも謂う可き人々を養成する滑走路となるように」というメッセージから講演は始まりました。今では日本を代表する世界的企業のANAですが、終戦後、日本の空を日本人が自由に飛べないといった時代に「いつかは世界を繋ぐ翼になりたい。」という夢を持った創業者の思いや、国主導の航空会社経営が多くを占める時代に、役職員28名、ヘリコプター2機という「純民間」航空会社としてスタートした会社のおこりを初めて知りました。

 ご講演では、女性が長く働くことがまだ少なかった時代にどのような思いでこれまで働いてこられたのか、チーフパーサーを担当していた時の2人の客室乗務員をめぐるエピソードや、お客様からのメッセージを紹介いただきながら、「以心伝心だけではなく、自分の思いを伝える“発信”が大事」「皆をひとつにまとめ同じ方向を向くのに必要なのは「志」」「他者の違いを受け容れる互いのリスペクトの重要性」「目に見えることだけでなく、相手の思いに寄り添うことの必要性」「学び直しではなく、学びほぐし。セーターをほぐして編み直すように。」「お客様に熱いコーヒーをタイミングよく提供することは当然大事だけれど、真に大事なのはチームの中で理解し合うコミュニケーション。」など、新島塾塾生が今後、先が見えないといわれる社会にリーダーとして飛び出し、活躍するにあたって指針となるような重要なキーワードがいくつもあり、塾生だけでなく聴講していた教職員にとっても大きな学びと気付きがありました。

 竹田 宗継 准教授(グローバル・コミュニケーション学部)がモデレーターを務め、講演後に行われた質疑応答・討議は、大変活発で積極的なものでした。その中からいくつかのやり取りをご紹介します。
 ある塾生からは、女性の社会進出に肯定的という自身の立場を表明したうえで、「諸外国では、国会や企業で女性国会議員の数や役職者数の割合を定めるところが増えている。これでは、人数的なノルマを課しているのと同じで違和感を覚えるが、どう考えるか。」というような、ただの質問ではなく講師の意見を求めるような積極的な討議が展開されました。
 他の塾生からは「学び続ける楽しさは何で、反対に難しいときやうまくいかないときは、どうしているか。また、学び続けるモチベーションやこれまでの数々の挑戦を支える原動力は何か」という質問があり、「私の学び続けるモチベーションは好奇心です。机上の学びもありますが、外に出て多くの繋がりの中で学ぶことは楽しいことだと意味付けしています。うまくいかないときは、思い切って離れてみるというのも一つの方法です。ですが、一番楽しいのは仲間と学ぶことではないでしょうか。」という回答に、塾生一同は大きく頷いていました。
 また別の塾生からは「『ブランドは足し算ではなく掛け算である』というお話しがあったが、足し算の側面もあるのではないか。」という質問が寄せられました。河本様からは「たしかに足し算の面もあります。ANAでは、利用前からフライト後に至るまでのあらゆるシーンでANAにしてよかったという体験をしていただくことを大切にしています。もし、お客様が満足されないことがどこかに一つでもあると、全体の印象はゼロになってしまうという意味で掛け算である。と私たちは表現しています。」という具体的でわかりやすい回答がされました。塾生たちは、その回答から常にお客様の視点に立って最高の価値を生み出し続けるというANAの行動指針の一端を垣間見たようでした。
 更に別の塾生から寄せられた「企業理念を現場にいる末端の社員にまで浸透させるにはどうすればいいのですか。」という質問には、「簡単なことではないです。大事にしているのは、企業理念を目に見えるところに置き、唱え続けることです。目にするから浸透するものではなく、長い年月を経た後に振り返って気付くものだと思いますが、『大きな組織だからそんなことできないよ。』と誰かが言ってしまったら終わりです。『大きな組織だからこそ、構成員みんなで手分けして取り組もう。』という働きかけがリーダーの大切な役割になります。」という回答がされました。グローバルリーダーとはどのような存在であるのか端的に説明され、塾生もその存在と役割についてイメージできたようです。

 盛況に終わったTalk Liveの終了後も、塾生たちは、時間内に質問しきれなかったことが数多くあったようで、とくに女子学生をはじめとする多くの塾生が質問に押し寄せました。河本様は、最終的に当初の時間を40分近く超過するまで塾生たちひとりひとりの質問に熱心にお答えいただきました。さらにご講演後は「塾生はもちろん、新島塾に対する本学の強い想いが伝わった。」とのありがたい言葉も頂戴しました。
 河本様をはじめ株式会社ANA総合研究所の皆様、誠にありがとうございました。
(事務局・高等研究教育院事務室)
同志社大学新島塾「リーダーに学ぶ徳力の涵養」Talk Live2019
 11月16日(土)に「リーダーに学ぶ徳力の涵養」Talk Live 2019が行われました。
本学の卒業生である河本 宏子様(株式会社ANA総合研究所 代表取締役副社長)に講師としてお招きし、松岡学長(新島塾塾長)、藤澤副学長をはじめ多くの教職員も聴講する中、全日本空輸株式会社(以下、ANA)の成り立ち・成長の歴史から、入社後、取締役専務執行役員を経て、現在に至るまでの道のりとご自身が大切にされていることを「一人ひとりが輝く~ダイバーシティが生み出す力~」の演題で、これまでの経験談をふんだんに交えてご講演いただきました。
 「新島塾が、この一国の良心とも謂う可き人々を養成する滑走路となるように」というメッセージから講演は始まりました。今では日本を代表する世界的企業のANAですが、終戦後、日本の空を日本人が自由に飛べないといった時代に「いつかは世界を繋ぐ翼になりたい。」という夢を持った創業者の思いや、国主導の航空会社経営が多くを占める時代に、役職員28名、ヘリコプター2機という「純民間」航空会社としてスタートした会社のおこりを初めて知りました。

 ご講演では、女性が長く働くことがまだ少なかった時代にどのような思いでこれまで働いてこられたのか、チーフパーサーを担当していた時の2人の客室乗務員をめぐるエピソードや、お客様からのメッセージを紹介いただきながら、「以心伝心だけではなく、自分の思いを伝える“発信”が大事」「皆をひとつにまとめ同じ方向を向くのに必要なのは「志」」「他者の違いを受け容れる互いのリスペクトの重要性」「目に見えることだけでなく、相手の思いに寄り添うことの必要性」「学び直しではなく、学びほぐし。セーターをほぐして編み直すように。」「お客様に熱いコーヒーをタイミングよく提供することは当然大事だけれど、真に大事なのはチームの中で理解し合うコミュニケーション。」など、新島塾塾生が今後、先が見えないといわれる社会にリーダーとして飛び出し、活躍するにあたって指針となるような重要なキーワードがいくつもあり、塾生だけでなく聴講していた教職員にとっても大きな学びと気付きがありました。

 竹田 宗継 准教授(グローバル・コミュニケーション学部)がモデレーターを務め、講演後に行われた質疑応答・討議は、大変活発で積極的なものでした。その中からいくつかのやり取りをご紹介します。
 ある塾生からは、女性の社会進出に肯定的という自身の立場を表明したうえで、「諸外国では、国会や企業で女性国会議員の数や役職者数の割合を定めるところが増えている。これでは、人数的なノルマを課しているのと同じで違和感を覚えるが、どう考えるか。」というような、ただの質問ではなく講師の意見を求めるような積極的な討議が展開されました。
 他の塾生からは「学び続ける楽しさは何で、反対に難しいときやうまくいかないときは、どうしているか。また、学び続けるモチベーションやこれまでの数々の挑戦を支える原動力は何か」という質問があり、「私の学び続けるモチベーションは好奇心です。机上の学びもありますが、外に出て多くの繋がりの中で学ぶことは楽しいことだと意味付けしています。うまくいかないときは、思い切って離れてみるというのも一つの方法です。ですが、一番楽しいのは仲間と学ぶことではないでしょうか。」という回答に、塾生一同は大きく頷いていました。
 また別の塾生からは「『ブランドは足し算ではなく掛け算である』というお話しがあったが、足し算の側面もあるのではないか。」という質問が寄せられました。河本様からは「たしかに足し算の面もあります。ANAでは、利用前からフライト後に至るまでのあらゆるシーンでANAにしてよかったという体験をしていただくことを大切にしています。もし、お客様が満足されないことがどこかに一つでもあると、全体の印象はゼロになってしまうという意味で掛け算である。と私たちは表現しています。」という具体的でわかりやすい回答がされました。塾生たちは、その回答から常にお客様の視点に立って最高の価値を生み出し続けるというANAの行動指針の一端を垣間見たようでした。
 更に別の塾生から寄せられた「企業理念を現場にいる末端の社員にまで浸透させるにはどうすればいいのですか。」という質問には、「簡単なことではないです。大事にしているのは、企業理念を目に見えるところに置き、唱え続けることです。目にするから浸透するものではなく、長い年月を経た後に振り返って気付くものだと思いますが、『大きな組織だからそんなことできないよ。』と誰かが言ってしまったら終わりです。『大きな組織だからこそ、構成員みんなで手分けして取り組もう。』という働きかけがリーダーの大切な役割になります。」という回答がされました。グローバルリーダーとはどのような存在であるのか端的に説明され、塾生もその存在と役割についてイメージできたようです。

 盛況に終わったTalk Liveの終了後も、塾生たちは、時間内に質問しきれなかったことが数多くあったようで、とくに女子学生をはじめとする多くの塾生が質問に押し寄せました。河本様は、最終的に当初の時間を40分近く超過するまで塾生たちひとりひとりの質問に熱心にお答えいただきました。さらにご講演後は「塾生はもちろん、新島塾に対する本学の強い想いが伝わった。」とのありがたい言葉も頂戴しました。
 河本様をはじめ株式会社ANA総合研究所の皆様、誠にありがとうございました。
(事務局・高等研究教育院事務室)
関連情報
お問い合わせ先
同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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