学長からのメッセージ

新年のご挨拶

'21年1月1日 更新
 平素は同志社大学の教育研究活動に深いご理解とあたたかいご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。同志社創立146回目の新春を迎えました。
 2021年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げるとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 本学は、1875年に同志社英学校として誕生して以来、創立者・新島襄が『同志社大学設立の旨意』で宣言しているとおり、自治自立の精神に富み、自由を尊び、良心を手腕に運用する志高き人物の育成を目指して、教育研究活動を展開してまいりました。同志社大学の今日の地位を築き上げたのは、長い間の教員と職員の努力だけではありません。むしろ、本学卒業生の社会の諸分野での活躍こそ、同志社を今日あらしめている最大の要因です。同志社大学の教育の優れた「質」が本学卒業生の「質」を担保し、卒業生の「質」が本学の教育の「質」を確証してきたのだと思います。卒業生一人一人が、本学の卒業生であることに誇りをもち、この誇りを胸に社会を生き抜いていけることこそ、私たちの共通の、そして最大の願いです。このことが可能となるよう努力し続けることは、私たち教職員に課せられた使命だと思っています。

 さて、2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の恐怖と不安の中に始まりました。コロナ禍においては、外出自粛要請に従わない者への激しいバッシングがありましたし、医療従事者や感染者への差別、経済的補償をめぐる人々の分断など、社会にすでにあった問題がよりいっそう露わになっています。
 差別や偏見、不寛容といった倫理の問題が深刻になっている今こそ、本学の良心教育の真価が問われていると考えます。学生たちには、それぞれの分野で学問的な探求を進めるとともに、本学の建学の精神を理解し、良心の充満した人として誠実に生きることをも学んでほしいと切に願っているところです。

 この感染症は、大学の授業形態にも大きな影響を与えています。本学も含め、多くの大規模大学は、春学期の授業をオンラインで提供せざるを得ませんでした。しかし、このような中においても、“学びを止めない”という強い意思の下、最新のICT技術を活用したネット配信授業に加え、電子書籍の拡充や、学習支援サービスであるラーニング・コモンズのオンライン相談、パソコンやWi-Fiルータ貸出、図書の配送サービス、コンビニエンスストアでの資料出力サービスなど、次々と新たな試みを実施しました。
 また学生生活への支援として、新たな奨学金制度の構築やネット対応による就職支援、チャペルアワーのネット配信やネットを通じたカウンセリングなど、できる限りの充実を図りました。
 この間の試行錯誤を通して気づかされたネット配信授業の利点、対面授業の利点、それぞれを最大限に生かせるようなハイブリット型の教育を推進するべく、議論を加速させています。

 同志社は2025年に創立150周年を迎えます。この記念すべき時をとらえ、本学では、「同志社大学ビジョン2025」において優先的課題を掲げ、順次着手しているところです。これからも同志社大学が輝き続けるために、このビジョンを推進し、教育の質を高め、社会に有為な人物を養成・輩出する使命を果たしていかなければなりません。
 特に、重点的課題として、ダイバーシティ推進に力を入れています。国際連合はSDGsの理念として「No one will be left behind」を掲げていますが、本学はそれよりもずっと前から、新島の「人一人ハ大切ナリ」という言葉を重要なよりどころとして大学運営を行ってきました。
 大学は個人個人の多様な考えを尊重できる環境でなければならないと考えます。それが学生の自由な学び、そして教員の自由な研究を促進します。また、多様な人物が相互に交流することにより学術研究の活性化が進み、新たな知が創造されます。大学の新たな展開には、国籍、性別、障がいの有無、文化、宗教、思想信条など、さまざまな境遇・背景を持つ人たちが共存し、個がいっそう豊かに輝くダイバーシティ・キャンパスの実現が欠かせません。今後、各部署の課題を横断的に議論できる会議体の設置を目指します。

 学びのあり方においても多様性は重要です。大きな社会の変化に対応できる幅広い柔軟性を身につけるための分野横断型教育は、本学において、近年、大きく進んできました。リーダー養成プログラムとして、新島塾やCommunity5.0プログラム、グローバル・リソース・マネジメントプログラムがあります。またこれまでは、日本人学生と留学生との共修に力を入れてきましたが、次のステージとして、留学生を含めた学生と、社会人学生との共修環境を創り出すことを目指します。2021年4月からは、同志社大学とダイキン工業株式会社における包括的連携協力に関する協定に基づき、アドバンスト・リベラルアーツ科目群「次の環境」協創コースが実施されます。本学の学生と、ダイキン工業社員が共修する場は、学生にとっては、自らの研究テーマをより実践的に理解する機会となり、ダイキン工業社員にとっては、キャリア形成のモチベーションを高めることになるでしょう。教育・研究両面での産学連携事業として、このプログラムに力を注いでいるところです。
 また、学部・研究科横断型のALL DOSHISHA教育推進プログラムが、現在9本走っています。こうした学部・研究科の改革と挑戦を今後も継続して支援し、新たな学びを展開させていく必要があります。さらに現代社会に対応しながらも、普遍性のある教養教育とはどのようなものなのかを描き、全学共通教養教育科目のカリキュラムや授業形態のあり方などについて、広く見直しを行います。

 他方で、本学の研究の多様性が象徴的に現れたのは、新型コロナウイルス感染症に関する緊急研究課題プロジェクト(COVID-19 Research Project)です。昨年より、「健康・医療」、「社会・経済」、「教育・文化・生活」の3つの領域、9つの分野にわたって、77課題の研究プロジェクトが始動しています。総合大学としての持ち味を存分に生かし、ポストコロナを多角的に捉えて、有益な研究成果を広く社会へ情報発信してまいります。
 本学の新たな教育研究の展開にどうぞご期待ください。

 1875年、わずか2名の教員と8名の生徒からはじまった同志社英学校が、今や、14学部16研究科、学生数約29,000人を擁する総合大学に成長しました。多岐にわたる学問分野を網羅した総合大学として、それぞれの専門知を磨いていくと同時に、改めて「智識あり、品行あり、自から立ち、自から治むるの人民」、「一国の良心とも謂ふ可き人々」を育てるという新島襄の唱えた原点に立ち戻らなければならないと、この困難な時にあたって切実に感じています。

 関係各位におかれましては、日頃より幅広いご協力を賜っておりますが、本学の教育理念とビジョン2025および募金活動にご理解をいただき、いっそうのお力添えをいただけましたら幸甚に存じます。

 皆様お一人お一人にとって2021年が幸せな年となりますよう、衷心よりお祈り申し上げます。
 平素は同志社大学の教育研究活動に深いご理解とあたたかいご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。同志社創立146回目の新春を迎えました。
 2021年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げるとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 本学は、1875年に同志社英学校として誕生して以来、創立者・新島襄が『同志社大学設立の旨意』で宣言しているとおり、自治自立の精神に富み、自由を尊び、良心を手腕に運用する志高き人物の育成を目指して、教育研究活動を展開してまいりました。同志社大学の今日の地位を築き上げたのは、長い間の教員と職員の努力だけではありません。むしろ、本学卒業生の社会の諸分野での活躍こそ、同志社を今日あらしめている最大の要因です。同志社大学の教育の優れた「質」が本学卒業生の「質」を担保し、卒業生の「質」が本学の教育の「質」を確証してきたのだと思います。卒業生一人一人が、本学の卒業生であることに誇りをもち、この誇りを胸に社会を生き抜いていけることこそ、私たちの共通の、そして最大の願いです。このことが可能となるよう努力し続けることは、私たち教職員に課せられた使命だと思っています。

 さて、2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の恐怖と不安の中に始まりました。コロナ禍においては、外出自粛要請に従わない者への激しいバッシングがありましたし、医療従事者や感染者への差別、経済的補償をめぐる人々の分断など、社会にすでにあった問題がよりいっそう露わになっています。
 差別や偏見、不寛容といった倫理の問題が深刻になっている今こそ、本学の良心教育の真価が問われていると考えます。学生たちには、それぞれの分野で学問的な探求を進めるとともに、本学の建学の精神を理解し、良心の充満した人として誠実に生きることをも学んでほしいと切に願っているところです。

 この感染症は、大学の授業形態にも大きな影響を与えています。本学も含め、多くの大規模大学は、春学期の授業をオンラインで提供せざるを得ませんでした。しかし、このような中においても、“学びを止めない”という強い意思の下、最新のICT技術を活用したネット配信授業に加え、電子書籍の拡充や、学習支援サービスであるラーニング・コモンズのオンライン相談、パソコンやWi-Fiルータ貸出、図書の配送サービス、コンビニエンスストアでの資料出力サービスなど、次々と新たな試みを実施しました。
 また学生生活への支援として、新たな奨学金制度の構築やネット対応による就職支援、チャペルアワーのネット配信やネットを通じたカウンセリングなど、できる限りの充実を図りました。
 この間の試行錯誤を通して気づかされたネット配信授業の利点、対面授業の利点、それぞれを最大限に生かせるようなハイブリット型の教育を推進するべく、議論を加速させています。

 同志社は2025年に創立150周年を迎えます。この記念すべき時をとらえ、本学では、「同志社大学ビジョン2025」において優先的課題を掲げ、順次着手しているところです。これからも同志社大学が輝き続けるために、このビジョンを推進し、教育の質を高め、社会に有為な人物を養成・輩出する使命を果たしていかなければなりません。
 特に、重点的課題として、ダイバーシティ推進に力を入れています。国際連合はSDGsの理念として「No one will be left behind」を掲げていますが、本学はそれよりもずっと前から、新島の「人一人ハ大切ナリ」という言葉を重要なよりどころとして大学運営を行ってきました。
 大学は個人個人の多様な考えを尊重できる環境でなければならないと考えます。それが学生の自由な学び、そして教員の自由な研究を促進します。また、多様な人物が相互に交流することにより学術研究の活性化が進み、新たな知が創造されます。大学の新たな展開には、国籍、性別、障がいの有無、文化、宗教、思想信条など、さまざまな境遇・背景を持つ人たちが共存し、個がいっそう豊かに輝くダイバーシティ・キャンパスの実現が欠かせません。今後、各部署の課題を横断的に議論できる会議体の設置を目指します。

 学びのあり方においても多様性は重要です。大きな社会の変化に対応できる幅広い柔軟性を身につけるための分野横断型教育は、本学において、近年、大きく進んできました。リーダー養成プログラムとして、新島塾やCommunity5.0プログラム、グローバル・リソース・マネジメントプログラムがあります。またこれまでは、日本人学生と留学生との共修に力を入れてきましたが、次のステージとして、留学生を含めた学生と、社会人学生との共修環境を創り出すことを目指します。2021年4月からは、同志社大学とダイキン工業株式会社における包括的連携協力に関する協定に基づき、アドバンスト・リベラルアーツ科目群「次の環境」協創コースが実施されます。本学の学生と、ダイキン工業社員が共修する場は、学生にとっては、自らの研究テーマをより実践的に理解する機会となり、ダイキン工業社員にとっては、キャリア形成のモチベーションを高めることになるでしょう。教育・研究両面での産学連携事業として、このプログラムに力を注いでいるところです。
 また、学部・研究科横断型のALL DOSHISHA教育推進プログラムが、現在9本走っています。こうした学部・研究科の改革と挑戦を今後も継続して支援し、新たな学びを展開させていく必要があります。さらに現代社会に対応しながらも、普遍性のある教養教育とはどのようなものなのかを描き、全学共通教養教育科目のカリキュラムや授業形態のあり方などについて、広く見直しを行います。

 他方で、本学の研究の多様性が象徴的に現れたのは、新型コロナウイルス感染症に関する緊急研究課題プロジェクト(COVID-19 Research Project)です。昨年より、「健康・医療」、「社会・経済」、「教育・文化・生活」の3つの領域、9つの分野にわたって、77課題の研究プロジェクトが始動しています。総合大学としての持ち味を存分に生かし、ポストコロナを多角的に捉えて、有益な研究成果を広く社会へ情報発信してまいります。
 本学の新たな教育研究の展開にどうぞご期待ください。

 1875年、わずか2名の教員と8名の生徒からはじまった同志社英学校が、今や、14学部16研究科、学生数約29,000人を擁する総合大学に成長しました。多岐にわたる学問分野を網羅した総合大学として、それぞれの専門知を磨いていくと同時に、改めて「智識あり、品行あり、自から立ち、自から治むるの人民」、「一国の良心とも謂ふ可き人々」を育てるという新島襄の唱えた原点に立ち戻らなければならないと、この困難な時にあたって切実に感じています。

 関係各位におかれましては、日頃より幅広いご協力を賜っておりますが、本学の教育理念とビジョン2025および募金活動にご理解をいただき、いっそうのお力添えをいただけましたら幸甚に存じます。

 皆様お一人お一人にとって2021年が幸せな年となりますよう、衷心よりお祈り申し上げます。