'21年9月6日 更新
脳科学研究科学生 高宮渉吾さん他(神経回路情報伝達機構部門)の論文が Frontiers in Systems Neuroscience に掲載されました。
【研究内容】
海馬は連合記憶の形成に重要であることが先行研究から明らかになっていますが、海馬の神経細胞が学習過程において、どのように活動を変化させるのかは明らかになっていませんでした。今回、研究グループは、音刺激を用いた連合記憶課題を考案し、その課題を学習中のラットの海馬から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A)。課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が、左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました(図B, Cell#1: 右ポート選択時特異的, Cell#2: 左ポート選択時特異的)。研究グループはこれらの神経細胞を”Reward-direction cell”と定義しました。また、この神経細胞の割合が、学習中に比べ学習完了後に減少することが分かりました(図C)。さらに、この神経細胞の活動が示す左右選択性も、学習中は増大し、学習完了後に減少することが分かりました(図D)。これらのことから、海馬の”Reward-direction cell”は連合学習を獲得する際、正のフィードバック信号の役割を果たしており、この活動によって学習が促進されることが示唆されました。この研究は連合記憶の形成過程における海馬の神経細胞の役割を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。
【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(特任助教)/ 大迫 優真(学生)/ 谷隅 勇太(学生)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
掲載されたサイトのURLは下記のとおりです。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnsys.2021.718619/full
【研究内容】
海馬は連合記憶の形成に重要であることが先行研究から明らかになっていますが、海馬の神経細胞が学習過程において、どのように活動を変化させるのかは明らかになっていませんでした。今回、研究グループは、音刺激を用いた連合記憶課題を考案し、その課題を学習中のラットの海馬から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A)。課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が、左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました(図B, Cell#1: 右ポート選択時特異的, Cell#2: 左ポート選択時特異的)。研究グループはこれらの神経細胞を”Reward-direction cell”と定義しました。また、この神経細胞の割合が、学習中に比べ学習完了後に減少することが分かりました(図C)。さらに、この神経細胞の活動が示す左右選択性も、学習中は増大し、学習完了後に減少することが分かりました(図D)。これらのことから、海馬の”Reward-direction cell”は連合学習を獲得する際、正のフィードバック信号の役割を果たしており、この活動によって学習が促進されることが示唆されました。この研究は連合記憶の形成過程における海馬の神経細胞の役割を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。
【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(特任助教)/ 大迫 優真(学生)/ 谷隅 勇太(学生)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
掲載されたサイトのURLは下記のとおりです。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnsys.2021.718619/full
脳科学研究科学生 高宮渉吾さん他(神経回路情報伝達機構部門)の論文が Frontiers in Systems Neuroscience に掲載されました。
【研究内容】
海馬は連合記憶の形成に重要であることが先行研究から明らかになっていますが、海馬の神経細胞が学習過程において、どのように活動を変化させるのかは明らかになっていませんでした。今回、研究グループは、音刺激を用いた連合記憶課題を考案し、その課題を学習中のラットの海馬から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A)。課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が、左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました(図B, Cell#1: 右ポート選択時特異的, Cell#2: 左ポート選択時特異的)。研究グループはこれらの神経細胞を”Reward-direction cell”と定義しました。また、この神経細胞の割合が、学習中に比べ学習完了後に減少することが分かりました(図C)。さらに、この神経細胞の活動が示す左右選択性も、学習中は増大し、学習完了後に減少することが分かりました(図D)。これらのことから、海馬の”Reward-direction cell”は連合学習を獲得する際、正のフィードバック信号の役割を果たしており、この活動によって学習が促進されることが示唆されました。この研究は連合記憶の形成過程における海馬の神経細胞の役割を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。
【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(特任助教)/ 大迫 優真(学生)/ 谷隅 勇太(学生)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
掲載されたサイトのURLは下記のとおりです。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnsys.2021.718619/full
【研究内容】
海馬は連合記憶の形成に重要であることが先行研究から明らかになっていますが、海馬の神経細胞が学習過程において、どのように活動を変化させるのかは明らかになっていませんでした。今回、研究グループは、音刺激を用いた連合記憶課題を考案し、その課題を学習中のラットの海馬から神経細胞の活動を記録しました。この課題では、ラットに音の高低を弁別させ、高音ならば右ポート、低音ならば左ポートを選択すると報酬を与えました(図A)。課題遂行中の神経細胞の活動を解析した結果、多くの神経細胞が、左右どちらかを選択して報酬を得たタイミングで発火頻度を上昇させました(図B, Cell#1: 右ポート選択時特異的, Cell#2: 左ポート選択時特異的)。研究グループはこれらの神経細胞を”Reward-direction cell”と定義しました。また、この神経細胞の割合が、学習中に比べ学習完了後に減少することが分かりました(図C)。さらに、この神経細胞の活動が示す左右選択性も、学習中は増大し、学習完了後に減少することが分かりました(図D)。これらのことから、海馬の”Reward-direction cell”は連合学習を獲得する際、正のフィードバック信号の役割を果たしており、この活動によって学習が促進されることが示唆されました。この研究は連合記憶の形成過程における海馬の神経細胞の役割を明らかにしたものであり、記憶形成のメカニズムの解明に寄与すると期待されます。
【研究メンバー】
高宮 渉吾(学生)/ 塩谷 和基(立命館大助教)/ 大貫 朋哉(特任助教)/ 大迫 優真(学生)/ 谷隅 勇太(学生)/ 結城 笙子(東京大学助教)/ 眞部 寛之(准教授)/ 廣川 純也(准教授)/ 櫻井 芳雄(教授)〈神経回路情報伝達機構部門〉
掲載されたサイトのURLは下記のとおりです。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnsys.2021.718619/full