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【新島塾】読書から始まる知の探究服部教授セッション 第4回活動-3

'21年9月15日 更新
前回の記事からの続きです。
前回の記事 その1.はこちらから
前回の記事 その2.はこちらから

6.リレートーク 啓発×認知症

 つぎに大牟田市中央地区地域包括支援センターの管理者で社会福祉士として活躍される竹下さんに「本人の声から展開するまちづくり」として、図書館やスーパーといった身近な事例や認知症当事者ミーティングの開催についてお話しいただきました。
 認知症になったばかりの人は誰もが不安を抱えています。高齢者は調べものをするとき図書館で本を探されることが多いのですが、認知症に関する書籍が医療、介護、生活など様々に点在していて探しづらいという声を受け、館長や当事者と一緒に認知症関連の本を集約した認知症特設コーナーを作ってもらった事例や、最近のスーパーはどんどん認知症や高齢者にやさしくないスーパーになっているという事例をお話しいただきました。特に車いすを利用する人は、陳列棚の上部やセルフレジに手が届かないことがあるなど、思いもしませんでした。
 私たちは当事者でないから気付かないだけで、街を形成するものには多くのやさしくない環境、生きづらさが潜んでいるのだと初めて気付きました。
 図書館やスーパーのように、当事者の意見を聞いて街自体をやさしいものにバージョンアップするほど、認知症の人もそうでない人も住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる街に近づいていけると感じました。当事者ミーティングも同じで、当事者の困りごとという「本人の声」があるから成立するものです。本人同志にしかわからないこともある中で、やりたいことや家族のことを話せる仲間の存在は大きく、「いっしょにがんばろう」という声には自分も相手も前向きな気持ちになれる力強さがあると感じました。
 竹下様のお話しから、これからの多様性を包摂する社会はどうあるべきか-。その一端を垣間見た気がしました。
 最後にあった「カップラーメンは200円出せば買えるのに、私たちはラーメン屋さんで1000円近く払って食べる。そのお金はお店の専門性に払っている。おむつ交換や相談援助ではなく、私という専門性にお金が払われているのであれば、見合う価値を提供し、技術を高めていかなければならない。目の前にある課題をその人自身の力で解決できるようにする環境を一緒につくることが社会福祉士の役割だ。」というお話しからは福祉専門職としての強い使命感を感じました。

7.リレートーク 活動×認知症

 最後は、大牟田市中央地区地域包括支援センターの生活支援コーディネーターで介護支援専門員の由布様に、認知症の方と一緒に活動した事例をVTRとともに紹介いただきました。VTRには、認知症になりふさぎこんでいた人が、由布様の働きかけを通して同じ悩みを抱えた人とともに時間を過ごすことで徐々に活力を取り戻し、前を向いてまた立ち上がるまでの姿がありました。かつて得意だったことを活かした活動の場として、認知症カフェ「十日市カフェ こっぽらぁーと」で1日限りのおでん屋台を開店することになりました。VTRでご本人が言われていた私は働きたい。できることをしたい。何かにトライしたい。」「できること、まだいっぱいあるから。」という声は静かなものでしたが、決意表明のように力強く聞こえました。支援者が前面に出て環境を用意するのではなく、できることに目を向け、本人が自分の意思で自発的に無理のない形で地域と繋がれることが、生きる力の源泉となることがVTRからよく分かりました。この方は、それがおでんの屋台だったということです。
 当事者が自分のことばで発信でき、自分の居場所を見つけ、今の自分にできる役割を果たすことのできる社会こそが、認知症を抱えた人と共に生きる社会といえるのではないでしょうか。
 由布様からお話しのあった「認知症の当事者を中心に」する考え方は、認知症の「症状」ではなく、その「人」に着目し、尊重することの重要性に触れられたもので、午前の講演で梅﨑様が言われた「パーソン・センタード・ケア」と同じだと考えました。
 当初は、VTRに出ていたご本人に登場してもらう予定だったと伺いました。また、おでんの屋台が出店していた商店街は松永様にインタビューした商店街だったこともあり、フィールドワークで現地訪問が叶わなかったことが、本当に残念でした。
 猿渡様の講演にもありましたが、認知症になっても施設ではなく地域で生活していくためには、認知症になった人を地域が支えることに加え、その人が“自分にできる形で”社会に参画、貢献し社会を構成する一員であることを実感できることが必要です。加えて、その人なりに自己実現できることがなにより重要なことで、もしかしたらそれを「生きがい」というのではないかと感じました。

(その4.へつづく)

(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が主に作成しました。
新島塾第2期塾生 西澤さん(生命医科学部)
新島塾第2期塾生 小林さん(文化情報学部)
新島塾第3期塾生 山本さん(生命医科学部)
前回の記事からの続きです。
前回の記事 その1.はこちらから
前回の記事 その2.はこちらから

6.リレートーク 啓発×認知症

 つぎに大牟田市中央地区地域包括支援センターの管理者で社会福祉士として活躍される竹下さんに「本人の声から展開するまちづくり」として、図書館やスーパーといった身近な事例や認知症当事者ミーティングの開催についてお話しいただきました。
 認知症になったばかりの人は誰もが不安を抱えています。高齢者は調べものをするとき図書館で本を探されることが多いのですが、認知症に関する書籍が医療、介護、生活など様々に点在していて探しづらいという声を受け、館長や当事者と一緒に認知症関連の本を集約した認知症特設コーナーを作ってもらった事例や、最近のスーパーはどんどん認知症や高齢者にやさしくないスーパーになっているという事例をお話しいただきました。特に車いすを利用する人は、陳列棚の上部やセルフレジに手が届かないことがあるなど、思いもしませんでした。
 私たちは当事者でないから気付かないだけで、街を形成するものには多くのやさしくない環境、生きづらさが潜んでいるのだと初めて気付きました。
 図書館やスーパーのように、当事者の意見を聞いて街自体をやさしいものにバージョンアップするほど、認知症の人もそうでない人も住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる街に近づいていけると感じました。当事者ミーティングも同じで、当事者の困りごとという「本人の声」があるから成立するものです。本人同志にしかわからないこともある中で、やりたいことや家族のことを話せる仲間の存在は大きく、「いっしょにがんばろう」という声には自分も相手も前向きな気持ちになれる力強さがあると感じました。
 竹下様のお話しから、これからの多様性を包摂する社会はどうあるべきか-。その一端を垣間見た気がしました。
 最後にあった「カップラーメンは200円出せば買えるのに、私たちはラーメン屋さんで1000円近く払って食べる。そのお金はお店の専門性に払っている。おむつ交換や相談援助ではなく、私という専門性にお金が払われているのであれば、見合う価値を提供し、技術を高めていかなければならない。目の前にある課題をその人自身の力で解決できるようにする環境を一緒につくることが社会福祉士の役割だ。」というお話しからは福祉専門職としての強い使命感を感じました。

7.リレートーク 活動×認知症

 最後は、大牟田市中央地区地域包括支援センターの生活支援コーディネーターで介護支援専門員の由布様に、認知症の方と一緒に活動した事例をVTRとともに紹介いただきました。VTRには、認知症になりふさぎこんでいた人が、由布様の働きかけを通して同じ悩みを抱えた人とともに時間を過ごすことで徐々に活力を取り戻し、前を向いてまた立ち上がるまでの姿がありました。かつて得意だったことを活かした活動の場として、認知症カフェ「十日市カフェ こっぽらぁーと」で1日限りのおでん屋台を開店することになりました。VTRでご本人が言われていた私は働きたい。できることをしたい。何かにトライしたい。」「できること、まだいっぱいあるから。」という声は静かなものでしたが、決意表明のように力強く聞こえました。支援者が前面に出て環境を用意するのではなく、できることに目を向け、本人が自分の意思で自発的に無理のない形で地域と繋がれることが、生きる力の源泉となることがVTRからよく分かりました。この方は、それがおでんの屋台だったということです。
 当事者が自分のことばで発信でき、自分の居場所を見つけ、今の自分にできる役割を果たすことのできる社会こそが、認知症を抱えた人と共に生きる社会といえるのではないでしょうか。
 由布様からお話しのあった「認知症の当事者を中心に」する考え方は、認知症の「症状」ではなく、その「人」に着目し、尊重することの重要性に触れられたもので、午前の講演で梅﨑様が言われた「パーソン・センタード・ケア」と同じだと考えました。
 当初は、VTRに出ていたご本人に登場してもらう予定だったと伺いました。また、おでんの屋台が出店していた商店街は松永様にインタビューした商店街だったこともあり、フィールドワークで現地訪問が叶わなかったことが、本当に残念でした。
 猿渡様の講演にもありましたが、認知症になっても施設ではなく地域で生活していくためには、認知症になった人を地域が支えることに加え、その人が“自分にできる形で”社会に参画、貢献し社会を構成する一員であることを実感できることが必要です。加えて、その人なりに自己実現できることがなにより重要なことで、もしかしたらそれを「生きがい」というのではないかと感じました。

(その4.へつづく)

(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が主に作成しました。
新島塾第2期塾生 西澤さん(生命医科学部)
新島塾第2期塾生 小林さん(文化情報学部)
新島塾第3期塾生 山本さん(生命医科学部)
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同志社大学新島塾(事務局 高等研究教育院事務室)
TEL:075-251-3259
FAX:075-251-3152
E-mail:ji-ktken@mail.doshisha.ac.jp
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