このページの本文へ移動
ページの先頭です
以下、ナビゲーションになります
以下、本文になります

2021年度に重点的に取り組んだ課題の達成状況

'22年4月19日 更新
 「同志社大学ビジョン2025 -躍動する同志社大学-」中期行動計画(第3版)の着実な実行及びその他の課題に対応するため、2021年度は重点的に以下の課題に取り組んだ。
 なお、ウイズコロナ及びポストコロナを見据えた全学的な課題への対応は、重点的に取り組む課題と並行して速やかに取り組んだ。


1.ダイバーシティの推進

 同志社大学ダイバーシティ推進委員会において「ダイバーシティキャンパス推進に関する検討について(答申)」で示された課題や他大学での取組等を参考に、学内の現状把握を行い、大学として優先的に取り組む施策を決定する。
 なお、刊行物やSD研修会等を通じたダイバーシティに係る啓発活動や、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室の運営に加え、継志寮においては多文化共生の生活環境及び地域社会と連携した教育プログラムの展開を通じて、ダイバーシティキャンパスを具現化していく。

同志社大学ダイバーシティ推進委員会において、本学のダイバーシティ推進に係る現状を把握し、課題を抽出したうえで施策に反映させるため、(1)本学におけるダイバーシティ推進の現状調査(統計情報等)、(2)学部・研究科、各機構その他組織における取組に関する調査、(3)教職員を対象とした実態把握のための調査アンケートを実施した。実施した3つの調査結果を踏まえ、推進委員会から学長に今後取り組むべき課題を提案した。また、科学技術人材育成補助事業「ダイバーシティ研究環境イニシアティブ」(調査分析)に、上智大学と共同申請し採択を受け、研究センターや委員会設置など、事業実施体制を整備するとともに調査分析事業を開始した。
ダイバーシティキャンパスの具現化においては、ダイバーシティに係る啓発として「ダイバーシティ推進の取り組みリーフレット」や「性の多様性に関するガイド」を作成し、SOGIや人権問題をテーマとしてSD研修会を実施するなど、学生及び教職員に対し多様な活動を通じて、ダイバーシティに係る理解促進や啓発を行った。また、障がい学生に対する修学支援として、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室の主導により、身体障がい、精神・発達障がいの種別を問わず窓口の一本化を実現し、合理的配慮をめぐる学部・研究科との手続き及び調整機能を統一した。さらに継志寮では、人種、性別、障がいの有無、文化等の様々な違いや背景を持つ学生が混住・交流する環境の下、多文化共生、地域社会との異世代共生を実践する生活を通して多様な価値観を理解し合い、その違いを新たな創造へ導く力を持つ人物の養成を目指して、9月から運営を開始した。


2.ポストコロナにおける本学の新たな教育のかたちの構築

 従来から掲げてきた教育内容・方法の多様化において、コロナ禍で得た経験を活かし、ポストコロナにおける本学の教育のかたちを構築する。具体的には、教育のデジタルトランスフォーメーションの一環として、ネット配信授業を活用していくにあたり、文部科学省が規定する「遠隔講義」科目の概念的整理、曜日講時を指定しない「インターネット科目」を運用するための制度整備、対面授業とネット配信授業を併用するハイブリッド型授業の検討、ネット配信授業を円滑に実施するための支援措置の検討、これらに必要な環境整備等に取り組む。
新たな授業時間割設定と学年暦編成については、ネット配信授業の活用を含んだ実施方策を提示する。

ポストコロナにおける本学の新たな教育のかたちの構築においては、文部科学省から示された「大学等における遠隔授業の取扱いについて(周知)」、「学事日程等の取扱い及び遠隔授業の活用に係るQ&A等の送付について」(事務連絡)により「遠隔講義」の概念が明確になったことを踏まえ、春学期は教務主任会議の下に4つの部会を設置し、対面授業、ネット配信授業、対面授業とネット配信授業を併用するハイブリッド型授業について、教育効果及び質保証の観点から意見を聴取した。秋学期も教務主任会議の下に2つの部会を設置し、ネット配信授業を実施できる科目の基準、ICTの積極的な活用により高い教育効果が得られるネット配信授業について意見を聴取し、教育のデジタルトランスフォーメーションを念頭に置いたポストコロナにおける本学の授業のあり方について検討を重ねた。また、ネット配信授業を円滑に実施するため、常設カメラ及び映像収録機器を増設するとともに、貸出用の大型Webカメラやデジタル4Kビデオカメラを増設するなど、教育環境の整備を進めた。
多様な教育活動に対応できる新たな学年暦編成については、教育改革推進部会において、学生支援機構及び国際連携推進機構の関係者も出席の下、機構横断的に対面授業とネット配信授業を組み合わせた授業運営の可能性を検討した。その結果、2019年度から継続審議となっていた105分・13週・6講時制に替えて、授業時間設定は現行どおりの90分7講時制を維持し、13週の対面授業と2週分(180分)のネット配信授業(オンデマンド配信)で構成する新たな学年暦編成案を策定し、2024年度から導入することについて全学的合意を得た。


3.社会の変化に対応する全学共通教育の充実

 教育内容・方法の多様化に向けた取組として、Society 5.0社会を迎える現代社会に対応しながらも、普遍性を備えた教養教育のあり方を検討する。また、学部・研究科が実施する「ALL DOSHISHA教育推進プログラム」で得られた教育効果の全学波及に取り組む。さらに、大学院における全学共通教育や分野・領域横断型教育プログラムを安定的に提供し、社会の変化に応じて柔軟に開発するための課題整理に取り組む。

全学共通教養教育検討部会において、教養教育の現状と課題を把握し、既存科目の改廃や統合、科目区分及び科目群の見直しを含む新たな体系化の考え方をまとめた。また、科学技術が高度に発達した現代社会において、文系理系を問わず全学生に必要な教養教育として「同志社データサイエンス・AI教育プログラム(DDASH)」を開発し、リテラシーレベルのプログラムを2022年度からスタートさせる。ALL DOSHISHA 教育推進プログラムについては、FD研修会において全学教職員を対象にプログラムの取組などを紹介する機会を設け、取組成果の全学波及に取り組んだ。
大学院教育においては、アドバンスト・リベラルアーツ科目群(含む「次の環境」協創コース)やGRM、Comm 5.0を人材育成プログラムとして申請し、文部科学省「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」と科学技術振興機構「次世代研究者挑戦的研究プロジェクト」に採択されたことにより、全学共通教育に対する大学院学生の関心度が高まり、文理融合型の教育環境や社会人との共修環境を充実させることができた。また、京都クオリアフォーラム、カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション、ジョブ型研究インターンシップ協議会、大学ファンドの動向や情報を収集・分析し、次の展開に向けた課題について検討した。


4.次世代を担う本学出身の若手研究者の養成

 文部科学省「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」への採択を受け、「同志社大学大学院若手研究者育成フェローシップ制度」の運用を開始する。当該フェローシップを受ける第一期の大学院学生の募集及び審査を行い、これを決定するとともに、本制度の下で展開するキャリア形成支援プログラムの充実を図る。また、博士後期課程学生支援に関する国の施策動向を見据え、本学の関連支援制度の将来構想を検討する。

次世代を担う優れた若手研究者を育成することを目的に、博士後期課程学生の処遇向上とキャリアパス確保のための取組を一体として実施する「同志社大学大学院博士後期課程若手研究者育成フェローシップ制度」(以下、「フェローシップ制度」という。)の運用を開始した。また、フェローシップ制度の運営体制を基盤として、「自由で挑戦的・融合的な研究や、海外活動への挑戦を希望する学生への経済的支援」及び「修了後のキャリアパス確保のための各種支援や人材育成プログラムの実施」を一体的に行う「同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト」を立ち上げた。支援対象学生には、フェローシップ運営委員会委員と博士キャリアコーディネーターによる年2回の定期面談を実施し、必要なアドバイスを行うとともに、研究者基礎力養成プログラムを開始することで、研究力や社会適応能力の向上を目指した各種支援と、博士キャリアコーディネーターによるキャリアパスの総合的支援を一体的に実施している。また、研究開発推進機構と高等研究教育院との連携により、4月に開設したアドバンスト・リベラルアーツ科目群に設置するキャリア形成科目の履修を義務化し、トランスファラブル能力(俯瞰力、総合力、創造力、提案力)の育成を図った。さらに文部科学省が推進し、博士後期課程の正課教育に位置付けられる「ジョブ型研究インターンシップ」の導入及び実施支援の方向性を確定させた。


5.戦略的産学連携に関する中期行動指針の推進

 本学が持つ研究シーズや本学の研究拠点による研究成果を結集させ、社会的ニーズに貢献できる分野を開発し、外部資金によって新規事業の提案を目指す新たな拠点「教育研究プラットフォーム群」の活動を推進する。本学の環境に係る教育及び研究の実績を基盤とするプラットフォームを設置し、戦略的かつ計画的に外部資金事業への採択により、それを原資として研究開発に係るマネジメント体制の強化を図る循環サイクルを生み出す。

ダイキン工業株式会社との包括的連携協力協定に基づく共同研究プロジェクト、人材育成プロジェクト(「次の環境」コース)について、組織対組織の連携を着実に進めた。7月にはダイキン工業株式会社の社員と本学教員で交流会を開催し、これを起点として新たな共同研究に発展するなど、連携を一層深化させた。
産官学連携を基軸にしたオープンイノベーションによる教育、研究及び研究成果の社会実装の推進を目的とする「教育研究プラットフォーム」の制度整備を経て、6月には「カーボンリサイクル教育研究プラットフォーム」を設置した。本学技術シーズを核とした事業構想に取り組み、学外に広く情報発信するとともに、参加企業の呼びかけを行った。参加する企業等との情報交換や技術検討の仕組として、会員制の「カーボンリサイクル技術フォーラム」を設置し、社会実装に向けた枠組の形成と共同研究を目指すことを確認した。


6.グローバルマインドの涵養とダイバーシティ推進に向けた教育研究活動の活性化

 多様性を積極的に受容するグローバルマインドの涵養を目的として、学内での共修環境を拡充するため、ICTを駆使したオンライン国際連携学習による越境的国際教育に向けた取組を強化する。同時に、ダイバーシティ推進の一環として外国人留学生受入体制の再構築を図る。学術研究交流においても、オンラインを利用した国際シンポジウム・セミナー・講演・教員交換等を実施する。海外拠点の戦略的強化においては、EUキャンパスでの知見を活かし、国・地域(特にアジア圏)ごとの特色に応じて機能を分化させた運営に向けて協議を始める。

外国人留学生の新規入国と本学学生の海外渡航の厳しい状況が続くなか、COILについての理解を深めるために、JPN-COIL協議会へ加盟し、COIL研修会を開催した。EUキャンパスプログラムにおいても「COIL型」授業を試験的に実施した。
グローバル化推進検討部会では、学内での共修環境の拡充とダイバーシティ推進の一環として外国人留学生受入体制の再構築について検討を行った。前者に関しては、オンラインを活用した国際交流、SAPセンターとの連携強化等の重要性と課題を確認した。後者については、グローバル教育センターと日本語・日本文化教育センターの組織的統合を目指す「国際教養教育院の実質化案」の継続的な議論の方向性を定めた。
EUキャンパス整備推進部会では、EUキャンパスの運営が軌道に乗ったことを踏まえ、当部会を発展的に解消し、EUキャンパス運営委員会の設置を確定させた。
また、同志社創立150周年記念事業(大学事業)である「『国際主義』の深化に向けた『人を植ゆる』の事業」が掲げる事業を具現化するためのワーキングを新たに立ち上げ、EUキャンパスの拡充的運用はもとより、アーモスト大学との新たな交流に向けて、学長会談を皮切りに交渉を開始した。「ダイバーシティ・プロジェクト in アジア(仮称)」構想を実現させるべく、その工程の検討に入るとともに、ACUCA副幹事校の任に就き、アジア地域にあるキリスト教主義大学との連携の強化を図った。


7.意欲があり主体性を持つ生徒の受入れへの対応

 2020年度に構築したアクティブ・ラーニング型の高大接続プログラムを「キリスト教主義学校の連携ネットワーク」校等で試行する。また、法人内高等学校とは大学入学準備講座の知見の活用等も視野に入れながら連携を図り、新たな高大接続方策を開発する。

本学が求める意欲があり主体性を持つ生徒を受け入れるべく、2020年度に構築した汎用的スキルの育成を目的としたアクティブ・ラーニング型高大接続プログラムをベースとして、これまで実施してきた大学と高等学校の1対1の関係に留まることなく、同じキリスト教主義教育を掲げる連携ネットワークの大学・高等学校間の魅力ある取組として広く展開するため、複数校同時開催による高大接続プログラムを策定した。2021年度の実施に際しては、「キリスト教主義学校の連携ネットワーク」に加盟する高等学校のうち、従前から本学と連携実績のある3高等学校(九州学院、近江兄弟社、新島学園)を対象とし、本学及び各高等学校との組織的連携による新たな高大接続プログラムを試行展開し、2022年度以降の戦略的展開の礎を築いた。
また、法人内高等学校とは、新しい時代にふさわしい高大接続方策のパイロット・モデル構築に向けて、法人内高等学校との複数回に及ぶ意見交換会を経て制度の提案等を行った。これにより、法人内高等学校のニーズに則した大学設置科目の履修や単位認定を中心とした新たな高大接続プログラム構築に向けた方向性を見出した。


8.ブランディングの強化と推進

 関西での大学イメージに大きな影響力を与える大阪、対首都圏との競争力のバロメーターとなる中京地区、北九州地区の重点地域に加え、高校総体が予定されている北信越地区での広報活動を強化する。「同志社大学ビジョン2025」と「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を軸とした本学の取組や姿勢を発信するとともに、「教育研究プラットフォーム群」等によって創出される研究大学のイメージ強化を図る。また、発信力強化のため、大学公式HPの改訂及び東京サテライト・キャンパスの活用方法の検証に着手する。
卒業生との生涯にわたる連携においては、リモート会議の活用やデジタルコンテンツ等による情報発信を積極的に行い、国内外の校友との繋がりをコロナ禍においても永続できる多様な取組を推進する。

2020年度に引き続き、大阪、名古屋、福岡を重点拠点と定め、中京テレビを媒体とするフィラー広告(「お天気リポート」)や大阪(梅田駅)における「同志社大学ビジョン2025」を報せる大看板の掲出を継続した。高校総体が実施された北信越地区では、福井放送・福井テレビ・テレビ新潟にてテレビCMを放映するとともに、同地域の「ファミリーマート」店内でアナウンス広告とレジ広告を展開した。「同志社大学ビジョン2025」が掲げる目標の中でも、とりわけ「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を軸とした広報活動については、朝日新聞、讀賣新聞、AERAなどの新聞・雑誌を通しての情報発信や、首都圏のマスコミ関係者を対象とした「東京メディア懇談会」の開催によって本学の取組を発信した。また、オンライン形式での「記者レク」開催に挑戦し、研究大学のイメージ強化を意識したマスコミへの情報発信を展開した。大学や学部・研究科の公式HPとの連動をコンセプトとする『大学案内』の全面改訂は滞りなく初版を発行し、並行して大学公式HPのリニューアル作業を年度計画どおり進めている。東京サテライト・キャンパスについては、運営面におけるコンプライアンス上の改善や情報環境の整備を行い、より多彩なキャンパスの活用を見据えた整備を行った。
卒業生との生涯にわたる連携においては、校友会本部との連携強化に重点をおき、学生生活支援への協力体制を構築した。2020年度に引き続き、学生への食支援事業を7月と12月に実施し、延べ10万8千人の学生が校友会食支援事業を利用した。また、コロナ禍によりホームカミングデーの対面形式での開催が困難であったため、校友会・同窓会と連携しホームカミングデーをオンライン形式にて開催した。海外からのアクセス数150件を含む、延べ5,000件ものアクセスがあり、新たな連携のかたちを展開した。


9.同志社創立150周年記念事業(大学事業)の推進

 「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業)」(2020年度第25回部長会承認)に基づき、計画を着実に進める。また、「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業以外)」の検討体制を構築し、学校法人同志社とも連携のうえ「同志社大学ビジョン2025」に則した事業計画の策定に取り組む。

「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業)」については、京田辺キャンパスリニューアル事業、今出川校地新図書館建設事業、スポーツコンプレックス事業の3つの事業において、各事業を計画どおりに進捗させるため、事業毎に委員会を立ち上げ、同志社創立150周年に向けて検討を開始した。また、「同志社創立150周年記念事業(大学事業)」については、「『国際主義』の深化に向けた『人を植ゆる』の事業」、「ブランド戦略の展開『志その先へ』の事業」を事業化し検討を開始した。


10.「同志社大学2025 ALL DOSHISHA募金」の活動展開

 「2021年度から2025年度の同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金の展開について」(2020年度第31回部長会承認)に基づき、募金活動を通じて企業・団体との更なる連携強化体制を構築するとともに同志社大学奨学金基金の拡充を検討する。
また、「同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金」実行委員会及びその下にある部会の運営を通して、卒業生や教職員、法人や団体等、対象ごとに効果的な募金活動を展開し、コロナ禍で困窮する学生の支援や大規模事業を実現するための財源確保に努める。

2020年度に引き続き、法人においては緊急事態宣言下での訪問は難しく、解除された時期に重点を置き企業訪問を行った。企業訪問時に出された大学への要望に対して、学内関連部門と調整をすることにより、大学と企業の関係を構築した。その結果として、訪問先のうち56%の企業からあらためて寄付の申込みを受けることができた。個人を対象とする募金活動については、校友会本部や支部と協力して活動を展開したことにより、校友の寄付者は2021年3月から比べ118%の5,391人(約840人の増加)となった。
また、更なる寄付者の獲得につなげるため、「芳名録」に募集期間全ての寄付者氏名を掲載した。他方で、海外はGive 2 Asiaを通じた寄付が可能となり、校友会海外支部への依頼準備まで進めることができた。継続的な寄付者の獲得にも努め、2021年度の個人寄付者のうち、過去に寄付実績のある寄付者は67%を占めている。
2022年3月末現在、募金事業全体では対前年度比4,864件増(+37.5%)、約2億4,700万円の増額となった。コロナ禍等で困窮する学生への支援としては、校友会支部から会員に対し「特定寄付奨学金」への協力要請等を行ったことにより、目標金額である5,000万円に到達した。


11.財政基盤の確立

 同志社大学の財務関係比率上の指標・目標及び中・長期財政計画並びに学校法人同志社の中期財政目標及び中期財政計画を見据えて、事業計画の検証を進めながら、限られた予算で最大の効果を挙げる財政運営を行い、2022年度予算において収支均衡を目指すとともに、将来は繰越支出超過額の解消に取り組む。

2021年度は、収支均衡した予算編成及び支出超過の解消のために、収入の増加に向けた取組の推進、とりわけ、2023年度及び2024年度入学生の学費の検討を進めるとともに、支出面では、事業計画と財政計画との両立を進めた。
2023年度及び2024年度入学生の学費については、財務部会から出された答申に基づき、授業料と実験実習料の一体化及び授業料の改定方法について検討を行った。授業料と実験実習料については、2023年度及び2024年度入学生から一体化し、実験実習に係る経費を含め、授業料として徴収することになった。このことにより、学費費目の整理が一歩進み、高等教育の修学支援制度においても、実験実習料相当額も減免対象となる可能性を開いた。また、学費の改定方法についても、本学を取り巻く経済状況や社会状況の変化等を踏まえて、学部と大学院ともに、従来の学年進行に伴い額が漸増する方式を廃止し、在学中の学部は、各年次同額とすることに決定した。
事業計画と財政計画の両立については、これまでの事業計画の成果の検証結果に基づき、2022年度予算編成に係る特定事業の予算額については、経常勘定は6億円以内、建設勘定は17億円以内とするとともに、新たに情報基盤整備のための情報基盤整備資金の組入や奨学金制度充実のための同志社大学奨学金基金への組入再開を決定するとともに、中・長期財政計画(2021年度~2029年度)に基づき、教学施設設備整備資金の組入計画も変更した。さらに、「同志社大学ビジョン2025」の取組期間後の施設整備に向け、「2026年度から2030年度の大規模建設事業に係る財政計画」も策定し、確固たる財政基盤の確立も図った。

 「同志社大学ビジョン2025 -躍動する同志社大学-」中期行動計画(第3版)の着実な実行及びその他の課題に対応するため、2021年度は重点的に以下の課題に取り組んだ。
 なお、ウイズコロナ及びポストコロナを見据えた全学的な課題への対応は、重点的に取り組む課題と並行して速やかに取り組んだ。


1.ダイバーシティの推進

 同志社大学ダイバーシティ推進委員会において「ダイバーシティキャンパス推進に関する検討について(答申)」で示された課題や他大学での取組等を参考に、学内の現状把握を行い、大学として優先的に取り組む施策を決定する。
 なお、刊行物やSD研修会等を通じたダイバーシティに係る啓発活動や、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室の運営に加え、継志寮においては多文化共生の生活環境及び地域社会と連携した教育プログラムの展開を通じて、ダイバーシティキャンパスを具現化していく。

同志社大学ダイバーシティ推進委員会において、本学のダイバーシティ推進に係る現状を把握し、課題を抽出したうえで施策に反映させるため、(1)本学におけるダイバーシティ推進の現状調査(統計情報等)、(2)学部・研究科、各機構その他組織における取組に関する調査、(3)教職員を対象とした実態把握のための調査アンケートを実施した。実施した3つの調査結果を踏まえ、推進委員会から学長に今後取り組むべき課題を提案した。また、科学技術人材育成補助事業「ダイバーシティ研究環境イニシアティブ」(調査分析)に、上智大学と共同申請し採択を受け、研究センターや委員会設置など、事業実施体制を整備するとともに調査分析事業を開始した。
ダイバーシティキャンパスの具現化においては、ダイバーシティに係る啓発として「ダイバーシティ推進の取り組みリーフレット」や「性の多様性に関するガイド」を作成し、SOGIや人権問題をテーマとしてSD研修会を実施するなど、学生及び教職員に対し多様な活動を通じて、ダイバーシティに係る理解促進や啓発を行った。また、障がい学生に対する修学支援として、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室の主導により、身体障がい、精神・発達障がいの種別を問わず窓口の一本化を実現し、合理的配慮をめぐる学部・研究科との手続き及び調整機能を統一した。さらに継志寮では、人種、性別、障がいの有無、文化等の様々な違いや背景を持つ学生が混住・交流する環境の下、多文化共生、地域社会との異世代共生を実践する生活を通して多様な価値観を理解し合い、その違いを新たな創造へ導く力を持つ人物の養成を目指して、9月から運営を開始した。


2.ポストコロナにおける本学の新たな教育のかたちの構築

 従来から掲げてきた教育内容・方法の多様化において、コロナ禍で得た経験を活かし、ポストコロナにおける本学の教育のかたちを構築する。具体的には、教育のデジタルトランスフォーメーションの一環として、ネット配信授業を活用していくにあたり、文部科学省が規定する「遠隔講義」科目の概念的整理、曜日講時を指定しない「インターネット科目」を運用するための制度整備、対面授業とネット配信授業を併用するハイブリッド型授業の検討、ネット配信授業を円滑に実施するための支援措置の検討、これらに必要な環境整備等に取り組む。
新たな授業時間割設定と学年暦編成については、ネット配信授業の活用を含んだ実施方策を提示する。

ポストコロナにおける本学の新たな教育のかたちの構築においては、文部科学省から示された「大学等における遠隔授業の取扱いについて(周知)」、「学事日程等の取扱い及び遠隔授業の活用に係るQ&A等の送付について」(事務連絡)により「遠隔講義」の概念が明確になったことを踏まえ、春学期は教務主任会議の下に4つの部会を設置し、対面授業、ネット配信授業、対面授業とネット配信授業を併用するハイブリッド型授業について、教育効果及び質保証の観点から意見を聴取した。秋学期も教務主任会議の下に2つの部会を設置し、ネット配信授業を実施できる科目の基準、ICTの積極的な活用により高い教育効果が得られるネット配信授業について意見を聴取し、教育のデジタルトランスフォーメーションを念頭に置いたポストコロナにおける本学の授業のあり方について検討を重ねた。また、ネット配信授業を円滑に実施するため、常設カメラ及び映像収録機器を増設するとともに、貸出用の大型Webカメラやデジタル4Kビデオカメラを増設するなど、教育環境の整備を進めた。
多様な教育活動に対応できる新たな学年暦編成については、教育改革推進部会において、学生支援機構及び国際連携推進機構の関係者も出席の下、機構横断的に対面授業とネット配信授業を組み合わせた授業運営の可能性を検討した。その結果、2019年度から継続審議となっていた105分・13週・6講時制に替えて、授業時間設定は現行どおりの90分7講時制を維持し、13週の対面授業と2週分(180分)のネット配信授業(オンデマンド配信)で構成する新たな学年暦編成案を策定し、2024年度から導入することについて全学的合意を得た。


3.社会の変化に対応する全学共通教育の充実

 教育内容・方法の多様化に向けた取組として、Society 5.0社会を迎える現代社会に対応しながらも、普遍性を備えた教養教育のあり方を検討する。また、学部・研究科が実施する「ALL DOSHISHA教育推進プログラム」で得られた教育効果の全学波及に取り組む。さらに、大学院における全学共通教育や分野・領域横断型教育プログラムを安定的に提供し、社会の変化に応じて柔軟に開発するための課題整理に取り組む。

全学共通教養教育検討部会において、教養教育の現状と課題を把握し、既存科目の改廃や統合、科目区分及び科目群の見直しを含む新たな体系化の考え方をまとめた。また、科学技術が高度に発達した現代社会において、文系理系を問わず全学生に必要な教養教育として「同志社データサイエンス・AI教育プログラム(DDASH)」を開発し、リテラシーレベルのプログラムを2022年度からスタートさせる。ALL DOSHISHA 教育推進プログラムについては、FD研修会において全学教職員を対象にプログラムの取組などを紹介する機会を設け、取組成果の全学波及に取り組んだ。
大学院教育においては、アドバンスト・リベラルアーツ科目群(含む「次の環境」協創コース)やGRM、Comm 5.0を人材育成プログラムとして申請し、文部科学省「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」と科学技術振興機構「次世代研究者挑戦的研究プロジェクト」に採択されたことにより、全学共通教育に対する大学院学生の関心度が高まり、文理融合型の教育環境や社会人との共修環境を充実させることができた。また、京都クオリアフォーラム、カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション、ジョブ型研究インターンシップ協議会、大学ファンドの動向や情報を収集・分析し、次の展開に向けた課題について検討した。


4.次世代を担う本学出身の若手研究者の養成

 文部科学省「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」への採択を受け、「同志社大学大学院若手研究者育成フェローシップ制度」の運用を開始する。当該フェローシップを受ける第一期の大学院学生の募集及び審査を行い、これを決定するとともに、本制度の下で展開するキャリア形成支援プログラムの充実を図る。また、博士後期課程学生支援に関する国の施策動向を見据え、本学の関連支援制度の将来構想を検討する。

次世代を担う優れた若手研究者を育成することを目的に、博士後期課程学生の処遇向上とキャリアパス確保のための取組を一体として実施する「同志社大学大学院博士後期課程若手研究者育成フェローシップ制度」(以下、「フェローシップ制度」という。)の運用を開始した。また、フェローシップ制度の運営体制を基盤として、「自由で挑戦的・融合的な研究や、海外活動への挑戦を希望する学生への経済的支援」及び「修了後のキャリアパス確保のための各種支援や人材育成プログラムの実施」を一体的に行う「同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト」を立ち上げた。支援対象学生には、フェローシップ運営委員会委員と博士キャリアコーディネーターによる年2回の定期面談を実施し、必要なアドバイスを行うとともに、研究者基礎力養成プログラムを開始することで、研究力や社会適応能力の向上を目指した各種支援と、博士キャリアコーディネーターによるキャリアパスの総合的支援を一体的に実施している。また、研究開発推進機構と高等研究教育院との連携により、4月に開設したアドバンスト・リベラルアーツ科目群に設置するキャリア形成科目の履修を義務化し、トランスファラブル能力(俯瞰力、総合力、創造力、提案力)の育成を図った。さらに文部科学省が推進し、博士後期課程の正課教育に位置付けられる「ジョブ型研究インターンシップ」の導入及び実施支援の方向性を確定させた。


5.戦略的産学連携に関する中期行動指針の推進

 本学が持つ研究シーズや本学の研究拠点による研究成果を結集させ、社会的ニーズに貢献できる分野を開発し、外部資金によって新規事業の提案を目指す新たな拠点「教育研究プラットフォーム群」の活動を推進する。本学の環境に係る教育及び研究の実績を基盤とするプラットフォームを設置し、戦略的かつ計画的に外部資金事業への採択により、それを原資として研究開発に係るマネジメント体制の強化を図る循環サイクルを生み出す。

ダイキン工業株式会社との包括的連携協力協定に基づく共同研究プロジェクト、人材育成プロジェクト(「次の環境」コース)について、組織対組織の連携を着実に進めた。7月にはダイキン工業株式会社の社員と本学教員で交流会を開催し、これを起点として新たな共同研究に発展するなど、連携を一層深化させた。
産官学連携を基軸にしたオープンイノベーションによる教育、研究及び研究成果の社会実装の推進を目的とする「教育研究プラットフォーム」の制度整備を経て、6月には「カーボンリサイクル教育研究プラットフォーム」を設置した。本学技術シーズを核とした事業構想に取り組み、学外に広く情報発信するとともに、参加企業の呼びかけを行った。参加する企業等との情報交換や技術検討の仕組として、会員制の「カーボンリサイクル技術フォーラム」を設置し、社会実装に向けた枠組の形成と共同研究を目指すことを確認した。


6.グローバルマインドの涵養とダイバーシティ推進に向けた教育研究活動の活性化

 多様性を積極的に受容するグローバルマインドの涵養を目的として、学内での共修環境を拡充するため、ICTを駆使したオンライン国際連携学習による越境的国際教育に向けた取組を強化する。同時に、ダイバーシティ推進の一環として外国人留学生受入体制の再構築を図る。学術研究交流においても、オンラインを利用した国際シンポジウム・セミナー・講演・教員交換等を実施する。海外拠点の戦略的強化においては、EUキャンパスでの知見を活かし、国・地域(特にアジア圏)ごとの特色に応じて機能を分化させた運営に向けて協議を始める。

外国人留学生の新規入国と本学学生の海外渡航の厳しい状況が続くなか、COILについての理解を深めるために、JPN-COIL協議会へ加盟し、COIL研修会を開催した。EUキャンパスプログラムにおいても「COIL型」授業を試験的に実施した。
グローバル化推進検討部会では、学内での共修環境の拡充とダイバーシティ推進の一環として外国人留学生受入体制の再構築について検討を行った。前者に関しては、オンラインを活用した国際交流、SAPセンターとの連携強化等の重要性と課題を確認した。後者については、グローバル教育センターと日本語・日本文化教育センターの組織的統合を目指す「国際教養教育院の実質化案」の継続的な議論の方向性を定めた。
EUキャンパス整備推進部会では、EUキャンパスの運営が軌道に乗ったことを踏まえ、当部会を発展的に解消し、EUキャンパス運営委員会の設置を確定させた。
また、同志社創立150周年記念事業(大学事業)である「『国際主義』の深化に向けた『人を植ゆる』の事業」が掲げる事業を具現化するためのワーキングを新たに立ち上げ、EUキャンパスの拡充的運用はもとより、アーモスト大学との新たな交流に向けて、学長会談を皮切りに交渉を開始した。「ダイバーシティ・プロジェクト in アジア(仮称)」構想を実現させるべく、その工程の検討に入るとともに、ACUCA副幹事校の任に就き、アジア地域にあるキリスト教主義大学との連携の強化を図った。


7.意欲があり主体性を持つ生徒の受入れへの対応

 2020年度に構築したアクティブ・ラーニング型の高大接続プログラムを「キリスト教主義学校の連携ネットワーク」校等で試行する。また、法人内高等学校とは大学入学準備講座の知見の活用等も視野に入れながら連携を図り、新たな高大接続方策を開発する。

本学が求める意欲があり主体性を持つ生徒を受け入れるべく、2020年度に構築した汎用的スキルの育成を目的としたアクティブ・ラーニング型高大接続プログラムをベースとして、これまで実施してきた大学と高等学校の1対1の関係に留まることなく、同じキリスト教主義教育を掲げる連携ネットワークの大学・高等学校間の魅力ある取組として広く展開するため、複数校同時開催による高大接続プログラムを策定した。2021年度の実施に際しては、「キリスト教主義学校の連携ネットワーク」に加盟する高等学校のうち、従前から本学と連携実績のある3高等学校(九州学院、近江兄弟社、新島学園)を対象とし、本学及び各高等学校との組織的連携による新たな高大接続プログラムを試行展開し、2022年度以降の戦略的展開の礎を築いた。
また、法人内高等学校とは、新しい時代にふさわしい高大接続方策のパイロット・モデル構築に向けて、法人内高等学校との複数回に及ぶ意見交換会を経て制度の提案等を行った。これにより、法人内高等学校のニーズに則した大学設置科目の履修や単位認定を中心とした新たな高大接続プログラム構築に向けた方向性を見出した。


8.ブランディングの強化と推進

 関西での大学イメージに大きな影響力を与える大阪、対首都圏との競争力のバロメーターとなる中京地区、北九州地区の重点地域に加え、高校総体が予定されている北信越地区での広報活動を強化する。「同志社大学ビジョン2025」と「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を軸とした本学の取組や姿勢を発信するとともに、「教育研究プラットフォーム群」等によって創出される研究大学のイメージ強化を図る。また、発信力強化のため、大学公式HPの改訂及び東京サテライト・キャンパスの活用方法の検証に着手する。
卒業生との生涯にわたる連携においては、リモート会議の活用やデジタルコンテンツ等による情報発信を積極的に行い、国内外の校友との繋がりをコロナ禍においても永続できる多様な取組を推進する。

2020年度に引き続き、大阪、名古屋、福岡を重点拠点と定め、中京テレビを媒体とするフィラー広告(「お天気リポート」)や大阪(梅田駅)における「同志社大学ビジョン2025」を報せる大看板の掲出を継続した。高校総体が実施された北信越地区では、福井放送・福井テレビ・テレビ新潟にてテレビCMを放映するとともに、同地域の「ファミリーマート」店内でアナウンス広告とレジ広告を展開した。「同志社大学ビジョン2025」が掲げる目標の中でも、とりわけ「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」を軸とした広報活動については、朝日新聞、讀賣新聞、AERAなどの新聞・雑誌を通しての情報発信や、首都圏のマスコミ関係者を対象とした「東京メディア懇談会」の開催によって本学の取組を発信した。また、オンライン形式での「記者レク」開催に挑戦し、研究大学のイメージ強化を意識したマスコミへの情報発信を展開した。大学や学部・研究科の公式HPとの連動をコンセプトとする『大学案内』の全面改訂は滞りなく初版を発行し、並行して大学公式HPのリニューアル作業を年度計画どおり進めている。東京サテライト・キャンパスについては、運営面におけるコンプライアンス上の改善や情報環境の整備を行い、より多彩なキャンパスの活用を見据えた整備を行った。
卒業生との生涯にわたる連携においては、校友会本部との連携強化に重点をおき、学生生活支援への協力体制を構築した。2020年度に引き続き、学生への食支援事業を7月と12月に実施し、延べ10万8千人の学生が校友会食支援事業を利用した。また、コロナ禍によりホームカミングデーの対面形式での開催が困難であったため、校友会・同窓会と連携しホームカミングデーをオンライン形式にて開催した。海外からのアクセス数150件を含む、延べ5,000件ものアクセスがあり、新たな連携のかたちを展開した。


9.同志社創立150周年記念事業(大学事業)の推進

 「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業)」(2020年度第25回部長会承認)に基づき、計画を着実に進める。また、「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業以外)」の検討体制を構築し、学校法人同志社とも連携のうえ「同志社大学ビジョン2025」に則した事業計画の策定に取り組む。

「同志社創立150周年記念事業(大学建設事業)」については、京田辺キャンパスリニューアル事業、今出川校地新図書館建設事業、スポーツコンプレックス事業の3つの事業において、各事業を計画どおりに進捗させるため、事業毎に委員会を立ち上げ、同志社創立150周年に向けて検討を開始した。また、「同志社創立150周年記念事業(大学事業)」については、「『国際主義』の深化に向けた『人を植ゆる』の事業」、「ブランド戦略の展開『志その先へ』の事業」を事業化し検討を開始した。


10.「同志社大学2025 ALL DOSHISHA募金」の活動展開

 「2021年度から2025年度の同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金の展開について」(2020年度第31回部長会承認)に基づき、募金活動を通じて企業・団体との更なる連携強化体制を構築するとともに同志社大学奨学金基金の拡充を検討する。
また、「同志社大学 2025 ALL DOSHISHA 募金」実行委員会及びその下にある部会の運営を通して、卒業生や教職員、法人や団体等、対象ごとに効果的な募金活動を展開し、コロナ禍で困窮する学生の支援や大規模事業を実現するための財源確保に努める。

2020年度に引き続き、法人においては緊急事態宣言下での訪問は難しく、解除された時期に重点を置き企業訪問を行った。企業訪問時に出された大学への要望に対して、学内関連部門と調整をすることにより、大学と企業の関係を構築した。その結果として、訪問先のうち56%の企業からあらためて寄付の申込みを受けることができた。個人を対象とする募金活動については、校友会本部や支部と協力して活動を展開したことにより、校友の寄付者は2021年3月から比べ118%の5,391人(約840人の増加)となった。
また、更なる寄付者の獲得につなげるため、「芳名録」に募集期間全ての寄付者氏名を掲載した。他方で、海外はGive 2 Asiaを通じた寄付が可能となり、校友会海外支部への依頼準備まで進めることができた。継続的な寄付者の獲得にも努め、2021年度の個人寄付者のうち、過去に寄付実績のある寄付者は67%を占めている。
2022年3月末現在、募金事業全体では対前年度比4,864件増(+37.5%)、約2億4,700万円の増額となった。コロナ禍等で困窮する学生への支援としては、校友会支部から会員に対し「特定寄付奨学金」への協力要請等を行ったことにより、目標金額である5,000万円に到達した。


11.財政基盤の確立

 同志社大学の財務関係比率上の指標・目標及び中・長期財政計画並びに学校法人同志社の中期財政目標及び中期財政計画を見据えて、事業計画の検証を進めながら、限られた予算で最大の効果を挙げる財政運営を行い、2022年度予算において収支均衡を目指すとともに、将来は繰越支出超過額の解消に取り組む。

2021年度は、収支均衡した予算編成及び支出超過の解消のために、収入の増加に向けた取組の推進、とりわけ、2023年度及び2024年度入学生の学費の検討を進めるとともに、支出面では、事業計画と財政計画との両立を進めた。
2023年度及び2024年度入学生の学費については、財務部会から出された答申に基づき、授業料と実験実習料の一体化及び授業料の改定方法について検討を行った。授業料と実験実習料については、2023年度及び2024年度入学生から一体化し、実験実習に係る経費を含め、授業料として徴収することになった。このことにより、学費費目の整理が一歩進み、高等教育の修学支援制度においても、実験実習料相当額も減免対象となる可能性を開いた。また、学費の改定方法についても、本学を取り巻く経済状況や社会状況の変化等を踏まえて、学部と大学院ともに、従来の学年進行に伴い額が漸増する方式を廃止し、在学中の学部は、各年次同額とすることに決定した。
事業計画と財政計画の両立については、これまでの事業計画の成果の検証結果に基づき、2022年度予算編成に係る特定事業の予算額については、経常勘定は6億円以内、建設勘定は17億円以内とするとともに、新たに情報基盤整備のための情報基盤整備資金の組入や奨学金制度充実のための同志社大学奨学金基金への組入再開を決定するとともに、中・長期財政計画(2021年度~2029年度)に基づき、教学施設設備整備資金の組入計画も変更した。さらに、「同志社大学ビジョン2025」の取組期間後の施設整備に向け、「2026年度から2030年度の大規模建設事業に係る財政計画」も策定し、確固たる財政基盤の確立も図った。