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脳科学研究科学生Putu Adi Andhika Rhadityaさん(神経発生分子機能部門)の論文がDevelopmental Biologyに掲載されました。

'22年6月20日 更新

研究内容

脳の発生においては、未分化な神経幹細胞が細胞分裂を行い、引き続いてそれらが神経細胞やグリア細胞へ分化することで脳が形成されます。また、近年の研究によって、神経幹細胞の性質は発生過程で時々刻々と変化することで幹細胞から生み出される神経細胞やグリア細胞の種類や機能が多様化することもわかってきました。しかし、脳の発生過程で時事刻々変化する神経幹細胞の性質を、個々の細胞が生存した状態で把握することは不可能でした。

今回、研究グループは、マウス胎児の脳における個々の細胞が示す自発的な細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンに注目し、さまざまな発生段階のマウス胎児脳の個々の細胞から自発的な細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンを記録しました。さらに記録を行なった細胞の発生段階を調べ、未分化幹細胞、分化決定後幹細胞、分化決定後の神経前駆細胞、幼若神経細胞のグループに分類し、それぞれのグループに属する細胞が示す細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンについて細胞の発生段階との相関性を調べました。その結果、未分化な神経幹細胞は、細胞内カルシウム濃度レベルは高いが一過的な濃度変動は生じないこと、分化決定した神経幹細胞が細胞内カルシウム濃度レベルは未分化状態時に比べ低下するとともに一過的な濃度変動の頻度が増すことを見出しました。また、分化決定した神経幹細胞が示す細胞内カルシウム濃度変動は細胞膜にあるT型カルシウムイオンチャネルに依存しており、T型カルシウムイオンチャネルの発現を抑制することで神経幹細胞の分化が抑制され、未分化なまま分裂を継続することがわかりました。
これらの結果は、胎児内の神経幹細胞の分化過程における細胞内カルシウム変動の役割を明らかにしたものであり、この発見によって神経幹細胞の未分化・分化状態を細胞が生きたまま把握することが可能となるほか、細胞内カルシウム変動を指標として特定の幹細胞を回収し再生医療に用いることが可能となることが期待されます。

研究メンバー

Putu Adi Andhika Rhaditya(学生)/大石 康二(当時−准教授、現在−東京大学薬学部)/ 西村嘉晃 (当時−助教、現在−東北医科薬科大学医学部)/元山 純(教授)〈神経発生分子機能部門〉

Developmental Biology 発表論文ページ

Developmental Biology - Science Direct
実験内容の図示

論文の図

研究内容

脳の発生においては、未分化な神経幹細胞が細胞分裂を行い、引き続いてそれらが神経細胞やグリア細胞へ分化することで脳が形成されます。また、近年の研究によって、神経幹細胞の性質は発生過程で時々刻々と変化することで幹細胞から生み出される神経細胞やグリア細胞の種類や機能が多様化することもわかってきました。しかし、脳の発生過程で時事刻々変化する神経幹細胞の性質を、個々の細胞が生存した状態で把握することは不可能でした。

今回、研究グループは、マウス胎児の脳における個々の細胞が示す自発的な細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンに注目し、さまざまな発生段階のマウス胎児脳の個々の細胞から自発的な細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンを記録しました。さらに記録を行なった細胞の発生段階を調べ、未分化幹細胞、分化決定後幹細胞、分化決定後の神経前駆細胞、幼若神経細胞のグループに分類し、それぞれのグループに属する細胞が示す細胞内カルシウム濃度レベルとその変動パターンについて細胞の発生段階との相関性を調べました。その結果、未分化な神経幹細胞は、細胞内カルシウム濃度レベルは高いが一過的な濃度変動は生じないこと、分化決定した神経幹細胞が細胞内カルシウム濃度レベルは未分化状態時に比べ低下するとともに一過的な濃度変動の頻度が増すことを見出しました。また、分化決定した神経幹細胞が示す細胞内カルシウム濃度変動は細胞膜にあるT型カルシウムイオンチャネルに依存しており、T型カルシウムイオンチャネルの発現を抑制することで神経幹細胞の分化が抑制され、未分化なまま分裂を継続することがわかりました。
これらの結果は、胎児内の神経幹細胞の分化過程における細胞内カルシウム変動の役割を明らかにしたものであり、この発見によって神経幹細胞の未分化・分化状態を細胞が生きたまま把握することが可能となるほか、細胞内カルシウム変動を指標として特定の幹細胞を回収し再生医療に用いることが可能となることが期待されます。

研究メンバー

Putu Adi Andhika Rhaditya(学生)/大石 康二(当時−准教授、現在−東京大学薬学部)/ 西村嘉晃 (当時−助教、現在−東北医科薬科大学医学部)/元山 純(教授)〈神経発生分子機能部門〉

Developmental Biology 発表論文ページ

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