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【新島塾】「読書から始まる知の探究」服部先生セッション_第1回活動
9月28日(木)に服部篤子客員教授による「読書から始まる知の探究」セッション、第1回学習が行われました。

本セッションの課題図書は、進化を扱う物理学の専門書籍であるエイドリアン・べジャン著の『自由と進化―コンストラクタル法則による自然・社会・科学の階層性』(紀伊国屋書店、2022年)です。本書では、物理と経済が表裏だと表現され、物理学から経済や政治など社会科学の領域にも通じる変化のあり方を学ぶことができます。
さらにフィールドリサーチとして11月上旬には脱炭素先行地域に選出された鹿児島県沖永良部島を訪れ実際の現場で体感し、理論と実践の両面から未来創造を探索します。塾生には、活動を通じて幅広い観点から知見を得て自らの意見をもち、議論する姿勢をもつことが期待されます。
今回の学習に塾生は、事前に課題図書を精読し、疑問点や重要箇所を抜き出し事前レポートを作成した上で活動に臨みました。

5講時は、まず未来を考えるきっかけとして、自身のライフスタイルについて振り返るレクリエーションを行いました。
横線と縦線で4つに区分けされた紙を用いて、縦軸を消費スタイル、横軸を自然との関わりとして、自身のライフスタイルはどの区域に入るか自己評価を行いました。その後、他の人とその評価を見せ合いなぜその区域に入るのか相互に質問を行い、他者のライフスタイルを聞き取りました。この作業を通じて、一人暮らしと実家暮らしで差があることや現在暮らしている或いは過去に暮らしていた地域でも差があること、同じ質問内容であっても言葉の定義の仕方や捉え方が自分と他人では認識が異なる場合があることなど気づきを得ました。
また、データベースを用いて、少子化、持続可能、未来という用語のメディアへの頻度を調べたトレンドから自由に意見交換を行いました。未来を考える際に様々な軸で見ることができる中で、本セッションではどのようにアプローチしていくのか、目的や進め方について服部先生にお話していただき、活動に臨む姿勢をつくりました。



6講時は、事前レポートをもとに、課題図書の序章における論点の整理と意見交換を行いました。話し合いは3グループに分かれて行い、その後全体で共有しました。
意見の一部として、「本書では『自由』という言葉が多用されるが、ここにおける『自由』とは何を指しているのか、人によって『自由』に対する認識に違いがあるのではないか」という疑問があがりました。他には「『自由』について深堀りするために、今後の活動でそれぞれが読書で感じた『自由』の認識の共有を行うことや、フィールドリサーチで訪れる沖永良部島における『自由』とは何か突き詰めていくことができるのではないか。」という意見が出ました。このほか序章には、都市の進化について、「社会は地球規模の生命体であること。大都市が小規模な都市よりも大量かつ効率的に事物を動かすこと。しかし、都市の繁栄にかげりが見えると、田舎に向かって逆方向の移動が起こる。」といったことが描かれています。
課題図書の論点整理を通じて、今後の学習で特に何について考え、どのように未来創造を探索していくのか話し合いました。しかし、今回の活動だけではセッション全体を通じての問いやフィールドリサーチに向けた活動の方向性を定めることができませんでした。次回も引き続き論点整理を行っていきます。

最後に、次回の学習の事前学習について塾生間で確認をし、今回の活動を終えました。次回の活動は10月5日(木)に行われます。後藤琢也教授(理工学部)に来ていただき、課題図書で述べられている「コンストラクタル法則」についてご講演していただくとともに、今回に引き続き課題図書第1章の意見交換を行う予定です。より有意義な議論を行えるようそれぞれ事前準備を行った上で活動に臨みたいと思います。
(事務局・高等研究教育院事務室)
今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第4期塾生 武田さん(法学部)
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