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トピックス

同志社大学新島塾「合宿で鍛える知的基礎体力」1日目

2023年9月5日 更新

同志社大学新島塾「合宿で鍛える知的基礎体力」1日目


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 新島塾の合宿「合宿で鍛える知的基礎体力」が9月1日から4日までの4日間、同志社びわこリトリートセンターで行われました。この合宿には塾生の他、7名の学部1年次生が体験参加学生として参加しました。 
この合宿は「私たちの現在地」をテーマに設定し、講義と演習、議論によって2040年頃の時代でも通用する普遍的な学力は何か知り、学知の基礎をどのように獲得するのか具体的な学習方法を身に付けることを目的としています。

 合宿1日目は、「中世の価値観から現代を考える」というテーマで、新島塾塾長の植木学長によるセッションから始まりました。セッションでは、まず古典文学における「虫」の表現に注目しました。害虫として描かれている作品や、虫そのものを主人公にして滑稽に描いた作品など、さまざまな古典文学を紹介したのち、人が支配するものではなく、人間と調和し、時には同一化していくものだという中世の自然観を学びました。また、中世の自然観は、信仰の対象として畏怖されつつも親しみと滑稽さを併せ持っているということも学びました。次に、中世のジェンダー観について注目しました。男装した女性をテーマにした作品や、当時の芸能者が己の性別を越境して演じていたことなどを取り上げました。そこから、中世のマイノリティへの視線として、当時は排除一辺倒ではなく社会に受け入れられていた部分もあったと学びました。これらのことから植木学長は「多様な性のあり方を受け入れると日本の伝統に反するであるとか、社会が変わってしまうという保守的な意見もあるが、それは必ずしも正しいとは言えない。」と指摘されました。また、価値観が多様化している現代では、物事を正しいと断定することは難しく、だからこそ広い視野を持って疑問に思い、納得するまで考えることが大切だと学びました。

 1日目の後半は、株式会社文藝春秋で編集者をされている西 泰志先生によるセッションが行われました。課題図書『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』の著者であり、世界的知識人の一人で著名な歴史人口学者であるエマニュエル・トッド氏についてお話しいただきました。まず、トッド氏から新島塾生に向けて60分以上におよぶビデオメッセージをいただきました。その中で、現代では社会がどのように機能しているのか、なぜ危機が起きているのかといったことが思考放棄されており、だからこそ歴史について考える必要性があると指摘されました。未来のことを知るためには、まずはこれまでの長期的な歴史の視点を理解することが重要だと学びました。次に、西先生よりトッド氏の生い立ちや著書の内容について解説いただきました。その上で、著書でも触れられていた高等教育の意義について、塾生がグループで話し合い議論を行いました。議論の中で「高等教育の意義は、自分の学びたいことを学ぶことができ自己実現できることにある。」という意見や「受験によって社会階層の移動が可能になる。」という意見が出ました。また、これらの意見に対する質問や反論も飛び交う活気にあふれる場となりました。

 セッション終了後、塾生たちには一日の活動の振りかえりとして、2つのレポート作成が課題として課されました。課題は「1.メリトクラシー(能力主義)についてどう考えるか」「2.日本の家族構造を考慮した上で、女性の社会的活動を担保するためにあなたは具体的にどのような行動をとるか」それぞれ600字程度でまとめ所定の時間までに提出するというものでした。難解なテーマでしたが、時には塾生間で相談したり先生方の助言やアドバイスを得たりしながら、すべての塾生が締切までに提出できました。

  夜には2階ラウンジで塾長、佐藤先生、西先生と歓談する場を持ちました。将来や夢、就職活動など思い思いに語り合い、学部や学年の異なる塾生間で交流を深める様子は合宿の醍醐味のひとつです。通学形式で行われたここ数年の新島塾合宿では見られなかった光景で夜遅くまで続きました。
2日目は、西先生のセッションの後半と理工学部の津田先生に講義いただきます。

(事務局・高等研究教育院事務室)

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今回のトピックスは、新島塾第3期修了生・チューターの野村さんが作成しました。


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