プレスリリース
英語で話せない学生をどう変えるか?― 支援的な教室環境がコミュニケーション意欲を高めることを実証 ―
研究のポイント
外国語として英語を教える教室では、支援的な環境が学習者の心理的動機づけとコミュニケーション意欲を高める。特に重要な発見は、教師からの支援とは独立して、学習者自身がクラスに対して行う支援的な行動が学習満足度に寄与している点である。
- 教室内の支援は、学習者の心理的ニーズの充足と有意に関連する
- 心理的ニーズの充足は、英語でコミュニケーションを行おうとする意欲を高める
- 教師・仲間・学習者自身の支援が相互に作用し、支援的な教室環境を形成する
研究概要
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部の中田賀之教授の研究グループは、日本の5大学に在籍する396名の学生を対象にアンケート調査を行い、
・教師からの支援
・学習者同士の相互支援
・学習者自身によるクラスへの貢献(自己からクラスへの支援)
といった教室内の支援要因と、心理的ニーズの充足、英語でのコミュニケーション意欲との関係を、個人レベルおよび教室レベルの両面から統計的に分析した。
特に、本研究は、学習者の心理的ニーズを満たし、支援的な教室環境を構築するための具体的な示唆を提示しており、英語学習のより効果的な促進につながることを示した。
背景
外国語として英語を学ぶ学生は、英語でのコミュニケーションに対してためらいや消極性を示すことが多く、その結果、学習目標の達成が遅れることがある。読解、作文、リスニング、スピーキングといった言語技能は、英語での効果的なコミュニケーションに不可欠であり、国内外における教育的・職業的成功とも密接に関連している。多くの非英語圏の国々では、学生は将来の進路のために外国語として英語(EFL)を学んでおり、効果的な学習とコミュニケーションを支える教室環境の整備が重要となる。
研究では、自己決定理論(Self-Determination Theory: SDT)の枠組みが言語学習に適用された。SDTは、心理的動機づけに関わる3つの重要な要因を提示している。すなわち、自律性(主体的に取り組む感覚)、有能感(成功や成長が可能であるという感覚)、関係性(他者とのつながりや所属感)である。本研究では、EFL教室において、教師からクラスへの支援、学習者自身からクラスへの関わり、そして学習者同士の相互支援が、それぞれこれらの心理的ニーズの充足にどのように寄与するかを検討した。本研究は、同志社大学中田賀之教授と早稲田大学の鈴木祐一教授、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)のアンドリュー・J・マーティン教授およびガオ・シュエソン(アンディ)教授による国際共同研究として実施された。
研究成果
Yoshiyuki Nakata, Andrew J. Martin, Yuichi Suzuki, Xuesong (Andy) Gao, Students' willingness to communicate in the foreign language learning classroom: Exploring the roles of classroom support and psychological needs satisfaction, British Journal of Educational Psychology, 2026
DOI : https://doi.org/10.1111/bjep.70070
本研究成果は「Students' willingness to communicate in the foreign language learning classroom: Exploring the roles of classroom support and psychological needs satisfaction」の題目にて国際学術誌Wiley出版のBritish Journal of Educational Psychology誌に2026年 3月 13日付(UK時間)で公表されました(オープンアクセス)。
論文情報
- 掲載誌:British Journal of Educational Psychology
- 論文タイトル:Students' willingness to communicate in the foreign language learning classroom: Exploring the roles of classroom support and psychological needs satisfaction
- 著者:Yoshiyuki Nakata, Andrew J. Martin, Yuichi Suzuki, Xuesong (Andy) Gao
- DOI : https://doi.org/10.1111/bjep.70070
研究者プロフィール
中田 賀之(ナカタ ヨシユキ)
同志社大学 グローバル・コミュニケーション学部 教授
専門分野:英語教育学、応用言語学
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同志社大学 広報課
TEL:075-251-3120 |
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