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プレスリリース

水/水相分離によるサイズの揃ったマイクロゲルの自発的な創成 国際誌「Small」(インパクトファクター15.1)に採択

2023年8月23日 更新
Webサイトリニューアルに伴う再掲
内容に変更はありません
2023年6月6日 初出

水/水相分離によるサイズの揃ったマイクロゲルの自発的な創成に関する研究論文が国際誌「Small」(インパクトファクター15.1)に採択されました。

 本論文は、庄野真由(同志社大学大学院理工学研究科生)が筆頭著者となり、東大の柳澤実穂准教授らとの共同研究により、DNAを内包した細胞様の構造のマイクロゲルが自発的に創成することを明らかにした研究です。

 高分子溶液(ポリエチレングリコール/ゼラチン)を攪拌してガラス細管内に導入し温度を下げることで、水/水相分離によりサイズの揃った細胞サイズのゼラチン液滴が自発的に創成すること、さらにそれらのゼラチン液滴のゲル化により、大きさや形状を維持したまま細管からバルク水中に取り出せることを明らかにしました。異なる内径の細管を用いることでマイクロゲルのサイズ制御も可能です。また、興味深いことに、高分子溶液にDNAを添加すると、DNAを内包した細胞様の構造のゼラチン液滴が自発的に創成され、さらに、DNAが存在することで、温度上昇によるゼラチン液滴同士の融合が抑制され、液滴サイズが安定することも見出しています。 

 今回報告した新規手法が、ガラス細管の内壁に施した化学修飾によって制御されるスピノーダル分解に基づくことを、Cahn-Hilliard方程式を用いた理論計算から明らかにしています。従来からマイクロゲルの製造に活用されているマイクロ流体法では高価な設備が必要でしたが、本手法では、溶液を細管に導入し温度を下げるという単純な操作だけでサイズの揃ったマイクロゲルを創成できることに加え、有機溶媒や界面活性剤を必要としないため、食品や化粧品などに含まれるマイクロゲルの製造への応用が期待されます。併せて、人工細胞構築に向けての有効な新手法となると考えられます。




関連情報 Small [https://doi.org/10.1002/smll.202302193] -外部サイト-


【本件に関するお問い合わせ】
同志社大学 理工学部 化学システム創成工学科
教授 塩井 章久
TEL:0774-65-6839
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【取材に関するお問い合わせ】
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