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トピックス

【新島塾】「読書から始まる知の探究」垣見先生セッション_第2回活動

2024年4月3日 更新

3月24日に垣見修司教授(文学部)「読書から始まる知の探究」で奈良県明日香村を散策しました。

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 3月24日(日)に垣見修司教授(文学部)による「読書から始まる知の探究」第2回学習が行われ、奈良県明日香村を散策しました。 塾生は事前に課題図書を読み、数々の歌が詠まれた万葉の風景に想像を膨らませながら活動に臨みました。
 
 明日香村は、万葉の歌が詠まれ始めた万葉第一期の面影を残す「万葉のふるさと」第一の地と言える土地です。そのような特徴をもつ明日香村に足を運び、万葉の歌に詠まれた飛鳥川や香具山などの地を実際に歩くことで、万葉の歌びとの心を感じることを目指しました。道中では垣見教授が数々の歌碑を解説してくださり、当時の風景や人々の心情を偲ぶことができました。

 まず石舞台古墳へ向かい、7世紀初め頃に築造されたとされる方墳を見学しました。石舞台古墳は1954年に特別史跡に指定されており、6世紀後半に政権を握っていた蘇我馬子の墓-上円下方墳ではないかとの考え方もあります。現在は古墳上部の盛土が失われ、巨大な横穴式石室の天井石が露出していることから「石舞台」古墳と呼ばれるそうです。石室内は大きな石に囲まれて薄暗く、苔やシダ植物が生えている様子が神秘的に感じられました。
 さらに、垣見教授から、石舞台古墳の少し東に位置する談山神社にまつわるお話をしていただきました。談山神社は藤原鎌足を祀る神社であり、鎌足と中大兄皇子が乙巳の変に関する密談をした地と言われているそうです。歴史上の人物が訪れた場所を知り、その地に自分も立っているという事実が、歴史を身近に感じさせてくれました。この日はあいにくの雨天でしたが、そのおかげで、柿本人麻呂の「ふさ手折り 多武の山霧 繫みかも 細川の瀬に 波騒きける」(巻9-1704)に詠まれた山にかかる霧の様子を感じることができました。

 続く道中では、飛鳥川沿いを歩きました。垣見教授は和歌について「普段生活している場所で、何気ない風景に自分の気持ちを落とし込んでいく」ものだと仰っていましたが、飛鳥川に沿って歩いていると、まさにそれを実感することができます。飛鳥川は雄大な川ではなく、むしろ川幅の細い小さな川でした。課題図書に「どこにでもある田舎の里川」と表現されていたように、万葉びとにとって飛鳥川は人々の暮らしの中に何気なく存在するなじみ深いものだったことでしょう。またそれは現代を生きる私たちの日常生活にも息づいているという印象を持ちました。

 次に訪れた奈良県立万葉文化館では一時間弱ほど自由に館内を見て回りました。万葉文化館は二つの建物が橋でつながっていますが、建設前の遺跡発掘調査で遺跡が見つかったために建物の配置を変更しました。その結果、予定よりも橋が長くなったそうです。そのためジャンプをすると少し橋が揺れる、といった奈良県らしい裏話を先生からお伺いすることができ、現代においても遺跡の存在を実感できました。館内は万葉集や歴史に関する知識が少なくても楽しめるようになっていました。昔の人を象った人形やその時代の食事内容の展示、万葉集の歌を絵や漫画風にした展示などがあり、あまりの楽しさにあっという間に時間が過ぎました。

 続いて真神原・飛鳥寺を訪れました。お寺の方がお寺の歴史などについてお話ししてくださりました。飛鳥寺は蘇我馬子によって創建され、他にも「法興寺」「元興寺」などの複数の呼称が存在することや昔は今よりももっと大きな寺院であったこと、御本堂に鎮座されている大仏様にまつわることなど貴重なお話を聞くことができ、学びの多い時間でした。お話のあとは順路に沿って御本堂の中を歩き遺物などを鑑賞しました。さらに、お寺にある鐘を実際に撞かせていただきました。大きな音でしたが、とても心地の良いもので心が安らぎ、昔の人々も同じくこの音を聞いていたことを考えると感慨深い気持ちになりました。その後、すぐそばの蘇我入鹿首塚に向かいました。中大兄皇子や中臣鎌足らが蘇我入鹿の暗殺を行いその際に入鹿の首がここまで飛んだという伝説のもと、江戸時代にこの首塚が建設されたそうです。

 最後に甘樫丘(あまかしのおか)に登りました。頂上では明日香村一帯を見渡すことができ、大和三山も眺めることができました。大和三山は香具山、畝傍山、耳成山の三山のことを指しており万葉集の中でも中大兄皇子がこの大和三山の争いを詠んだ有名な歌が残されており先生からお話をお聞きしました。この歌には捉え方が主に三通りあり、一つ目は香具山(男)は畝傍山(女)を愛しいとして耳成山(男)と妻を取り合って争ったという説、二つ目は香具山(女)が畝傍山(男)を男らしい者として耳成山(女)と争ったという説、三つ目は香具山(女)が畝傍山(男)を男らしい者として恋仲の耳成山(男)と別れようとして争ったというものです。いずれにせよ恋愛のこととなると今と大きく異なることなく昔も同じような恋愛沙汰が繰り広げられていたことがわかり、古い時代の人々への親近感が湧きました。

 今回万葉集にゆかりのある土地を訪れることで遺跡や遺物に触れることができ、万葉集に関しての興味がより深まりました。また、実際に遺跡や遺物を見ながら先生にお話を伺うことができ理解を深めることができました。次回は4月20日(土)に今出川キャンパスに植えられている身近な植物について万葉集ではどのように詠まれているのかを観察を通して学ぶ予定です。万葉集の歌には植物が取り上げられているものがたくさんあり、今の元号である令和も万葉集第5巻「梅花の歌32首」の序文から取られているということで万葉の植物が身近なものに感じられます。昔から存在している植物を通して、少しでも万葉の時代に生きた人々が詠んだ歌の解像度を自分たちの中で高めていきたいです。


今回のトピックスは、以下の塾生が作成しました。
新島塾第6期塾生 梅田さん(文化情報学部)
新島塾第6期塾生 池田さん(心理学部)

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