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同志社で出会った、自分の生きる道 〜ドラマ「デスゲームで待ってる」制作陣インタビュー〜(後編)
2024年11月22日 更新

キャンパスライフを振り返って
みなさま同志社大学ご出身ということで、同志社を選ばれたきっかけは。
- 諏訪
- もともと予備校の先生が劇団をやっている人で、いろいろと話を聞くうちに演劇に興味を持ちました。同志社の京田辺キャンパスに見学に行ってみると、とにかくキャンパスのきれいさに惹かれました。そこに演劇のチラシとかも置いていたりして、ぜひとも同志社に行きたいと思いましたね。
- 上田
- 僕が高校生のときは、京大や立命館は演劇が盛んなイメージがあったんですが、同志社にあまりそういうイメージはなかったんです。同志社は洋風な建物があったりしてきれいなキャンパスで、こんなところで自分の好きなアングラ感のある演劇をやってみたら、そのギャップが逆に面白そうだなと思いました。今思えば、同志社という環境だからこそ、活動をやるときも、割とポップに見せようというのを意識していた気がします。そこが他の劇団との差別化になったかなと。
- 田端
- 私は高校生の時からテレビの仕事をやりたいと思っていて、予備校のチューターさんに同志社の社会学部を薦められたんです。ちょうど私の入学年に文学部社会学科新聞学専攻から社会学部メディア学科になるという年で、第1期生になるというのもちょっとかっこいいなと思いました。もちろんオープンキャンパスに行ってかっこいい大学だと思ったし、絶対行きたい!というのはありました。
キャンパスライフを振り返って、いかがでしたか。

- 上田
- 京都にある、僕の実家の元お菓子工場がヨーロッパ企画の事務所なんですけど、学生のころからそこがたまり場みたいになっていました。そこや、サークルのボックスで諏訪さんや他のメンバーともたくさんしゃべってたくさん遊んで。やはりそういう場所から生まれるものがたくさんあったと思います。
- 諏訪
- 今出川キャンパスの学祭『EVE』で初めて劇団が公演をしたのもヨーロッパ企画なんです。所属していた同志社小劇場(※)から独立してからは、一時期サークルを発足させてみるなど色んな経験をしました。
- 上田
- 演劇を始めるにあたって、学生劇団以外になにか方法ある?というくらい、同志社小劇場で演劇の基礎を学びました。自分で客席並べていましたから。学生のころにそういう基礎を先輩方に教えていただいて、そして諏訪さんをはじめ仲間に出会って、そんな出会いが一番大きかったなと思います。
- 田端
- 確かに私も出会いはたくさんありました。友達などの人間関係もそうですが、今まで興味を持たなかった新たな分野への出会いも多かったと思います。メディア学科の講義の中で映画やCMを見る、というのもあるのですが、自分では選ばなさそうな作品でも見てみると心底感動するものがあったり、新たな発見があったり。あと、メディア学科では1年次生から少人数クラスでの演習科目が必修だったので、早くからテレビ業界についてじっくり勉強する機会があり、その時にテレビの世界への興味が一層強くなったのではないかと思います。
- 上田
- 大学の研究では、僕はプログラミングとかアルゴリズムとかを学んでいたのですが、脚本もプログラムみたいなものだと思っています。一つ一つ要素を組み立てていって、システムのように動かしていく。ただ演劇が実際のシステムと違うのは、一つや二つエラーがあっても、人間が演じているからなんとかなる、ということですかね。そこがまた面白くて。
- 諏訪
- 僕もプログラムの一つなんだなあと思いながら演じてます。笑いの入れ方 とか、まさにそんな感じ。
- 田端
- ヨーロッパ企画さんの舞台って、本当に細かい部分まで丁寧に組み立てられていて、最後まで飽きないんです。毎回新作を見せていただくたびに、これが一番おもしろかったと言っている気がします。
※)同志社小劇場=1921年に設立された、同志社大学公認演劇サークル

メッセージ
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
- 諏訪
- もちろん勉強も大事ですが、大学は勉強だけがすべてじゃないと思います。自分で考えて行動していると、いろんな仲間との出会いがあります。自分自身その出会いが今につながっていると思うので、ぜひみなさんにもそんな経験をしてほしいなと思います。
- 上田
- 今は何でもネットで拾える時代ですけど、学生時代を振り返ると、やはり自分がたまたま出会った人とかお店とか、そんなのが一番おもしろかったなと思います。僕は“同志社”という名前が好きなんです。同じセンスや美意識を持った人が周りにいる、つまり“同志”がいる、という環境がすごく良かったです。
- 田端
- 自分が本当にやりたいことは何か、とことん向き合うことができるのが大学の魅力だと思います! テレビ業界を目指す人にとって目標となる存在でありたいなと思うので、これからも良い作品を作っていけるよう頑張ります!
カンテレドラマ「デスゲームで待ってる」は毎週木曜日深夜0時25分から。
上田 誠氏
京都府生まれ。劇作家、演出家、脚本家。ヨーロッパ企画代表。舞台や映画・テレビドラマの脚本、番組の企画構成も手掛ける。舞台「来てけつかるべき新世界」で第61回岸田國士戯曲賞を受賞。映画「リバー、流れないでよ」では第33回日本映画批評家大賞脚本賞受賞。近年の仕事に、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(日本語版脚本)「四畳半タイムマシンブルース」(原案・脚本)「前田建設ファンタジー営業部」(脚本)、テレビドラマ「時をかけるな、恋人たち」(脚本)「魔法のリノベ」(脚本)、テレビアニメ「ドラえもん誕生日スペシャル−のび太とギリシャのケーキ伝説−」などがある。1998年同志社大学工学部入学。
諏訪 雅氏
奈良県生まれ。俳優、脚本家、演出家。ヨーロッパ企画所属。映像作品や舞台に数多く出演するほか、脚本や映像監督、舞台演出も手掛ける。日テレ「探偵☆星鴨」ではシリーズ脚本を担当。「諏訪ミュージカル」シリーズや、舞台「チコちゃんに叱られる! On STAGE」では脚本演出と作詞を担当。1996年同志社大学工学部入学。
田端 綾子氏
大阪府生まれ。バラエティのAD・ディレクターを経て、現在は番組制作会社メディアプルポ東京支社でドラマプロデューサーとして「魔法のリノベ」「GTOリバイバル」など幅広く担当。2005年同志社大学社会学部メディア学科入学。