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感情をうまく認識できず、表現できない。その悩みに、どう介入するか?
~同志社大学 若き研究者の挑戦~(下編)
感情をうまく認識できず、表現できない。その悩みに、どう介入するか?
~同志社大学 若き研究者の挑戦~(下編)
働く人のサポートや子どもの健全な成長に貢献
2025年夏に行った実験は、対象者が少数でした。次のステップとしては、対象者を増やし、介入の内容に差を付けて効果を比較できるような実験を行いたいです。
ACTには6つのプロセスがあるとされています。前回の実験では、その中の3つを取り入れて行いました。残りの3つを取り入れた実験を行ったり、6つのなかで様々な組み合わせを行って実験したりすることも今後の目標です。介入は、簡単で期間が短いほど当事者にとっての負担は少なくなります。6つのプロセスの組み合わせ方次第で、負担を少なくできる方法があるかもしれません。あるいは、「このタイプの人にはこの組み合わせがいい」というマッチングがあるかもしれません。それらを見つけていきたいです。
これらの研究の先には、社会への応用も考えられます。特に期待できるのが、産業領域です。働く人のなかには、自分でも気づかないうちに精神的な疲労が蓄積し、気がついたときには休職せざるを得ないという人もいます。その要因に、失感情言語化症があるかもしれません。もしそうなら、早い段階での介入が休職、ひいては退職の回避に役立つかもしれません。
児童福祉領域も応用が期待される分野です。虐待、特にネグレクトを受けている子どもは失感情言語化症になる割合が高いとされています。その原因は、幼少期に親から適切な言語フィードバックを受けていないことだと考えられています。感情を言語化することや親と情緒的な関わりを持つことの大切さを学校の先生や児童福祉に携わる人が理解しておくことは、子どもたちの健全な成長を支えるうえで大きな力になるはずです。
余談ですが、若者や子どもが使いがちな「やばい」「エモい」といった、多くの感情をまとめてひと言で表現してしまう言葉に私は危機感を持っています。これらの言葉は、感情の解像度を下げてしまいます。研究を通して、現代の言葉遣いや感情表現にクエスチョンを投げかけていきたいです。
自分を見つめ、「やりたいこと」をじっくりと検討を
大学進学を控えた高校生、大学院への進学を考えている学部生、そして博士後期課程を考えている博士前期課程の大学院生のいずれに対しても、「やりたいことをじっくり考えてみよう」とお伝えしたいです。高校生は偏差値や知名度で大学を選びがちかもしれません。でもやはり、やりたいことができる大学、学びたいことが学べる大学を選ぶべきです。
そのためにはまず、自分が何をしたいのか、何に興味があって何が好きなのかなどをじっくりと考えてください。大学院選びは、大学選び以上に偏差値や知名度にとらわれるべきではないです。自分のやりたいことをしっかりと考え、そのうえで、先生や研究内容とのマッチングで選んでください。そして博士前期課程で学び、研究に取り組んだうえで、「まだやりたいことがある」と思う人は、博士後期課程へ進んでください。
同志社大学は開放感のある広々としたキャンパスということもあり、「これぞ大学」という雰囲気のなかで過ごすことができます。設備や制度も充実していますし、先生方も魅力的な方ばかりです。研究にチャレンジしてみたいと思う人には、これ以上ない環境だと思います。