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2025年度に重点的に取り組む課題

2025年4月15日


 同志社創立150周年を迎える2025年度は、大学のあり方を見つめ直す絶好の機会となる。同志社大学が同志社オリジン(建学の理念)を「再発見」、「再解釈」し、唯一無二の誇りある輝きをもって社会を照らし、次世代社会のための新しい価値を生み出すことができれば、それは正に「同志社ルネサンス」と言える。理念に新たな命を吹き込み、大学を希望に満ちた未来へと導く「同志社ルネサンス」実現のために、私たちの日常を自由と創造性に満ちたものとし、同志社をトランスフォームしていく。充実した自由な時間こそが大学にとって、もっとも重要な資本であるという認識のもと、Doshisha Transformation (DX)にむけたステップとして、2025年度は以下の課題に重点的に取り組む。

1.150周年とその先へ - 未来に向けた基盤づくり -

 同志社創立150周年という節目の機会に、同志社の歴史を振り返り、学生・教職員・卒業生が誇りを持って活動ができるよう、150周年以降を展望する新たなビジョンを確立し、中期行動計画を策定する。150周年を迎えることのできる喜びや新たな使命を共有するために、本学構成員が一体となって「同志社創立150周年記念事業(大学事業)」を着実に進め、社会における本学のプレゼンスを向上させる。また、急速な人口減少をはじめ、高等教育を取り巻く状況が急激に変化する中、未来に向けた基盤づくりのために、企画・立案機能の強化や職場環境の改善等を目指して組織改編に取り組む。

2.「新たな教育」のための基盤強化

 教育の質をより向上させるため、2024年度に導入した新学年暦を多面的に評価し、必要な改善を加える。また、学生の主体的・自律的な学びを促し、自ら成長を実感できるよう、学生調査の回答率の向上をはじめとする学修成果の把握・可視化に取り組む。数理・データサイエンス・AI教育については、これまで先導的に取り組んできた「同志社データサイエンス・AI教育プログラム」(DDASH)等の裾野を広げ、データ分析能力を身に付ける学生層の拡充を目指す。大学院においては、研究科等連係課程による新学位プログラム(データ科学・AI)の検討を進める。また、知・徳・体の適切なバランスをはかるため、「同志社大学スポーツ憲章」に基づき、同志社スポーツにおける施策を検討する。

3.境界を越える次世代教育の展開

 多様なライフステージにある人々を受入れるべく、本学の教育理念に立脚したリカレント教育の展開を目指す。学ぶ志を持つすべての人に、魅力的な教育コンテンツを開発するとともに、オンデマンド動画の配信をはじめとする社会人が学びやすい学修環境の構築を検討する。リカレント教育を展開する場として、東京サテライト・キャンパスの活用も検討する。
 また、既存の教育システムを前提とする様々な境界、すなわち、高校と大学、学部と大学院、学生と社会人、国内学生と留学生、キャンパスと地域社会の境界を越える取組を推進する。特に大学院教育を充実する上では、学部と大学院の境界を越える連続的な教育の展開が有効であり、その先端的取り組みの一つとして、理系と文系の学問領域をつなぐ、新たな大学院共通プログラムの具体的な検討を進める。

4.教養と専門の調和した総合知の形成

 現代では、基礎的・俯瞰的な教養と専門知を組み合わせ、新たな価値を生み出す「総合知」の創出・活用が求められている。複雑化する現代社会において、新たな価値を創造できる力を養うことを目的として、2025年度から全学共通教養教育科目として始動する「同志社イノベーション・ゲートウェイ」(DIG)を着実に実施するとともに、大学教育と社会貢献活動を統合したサービスラーニングの導入についても検討する。
 大学院教育については、アドバンスト・リベラルアーツ科目群等により産学連携の学びをさらに多様化するとともに、「同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト」の活用により、博士後期課程の更なる充実を図る。

5.新しい価値の創造と社会貢献のための研究基盤の強化・多様化

 本学が高等教育機関として新しい価値を創造し続けるべく研究力強化を図り、研究基盤の再構築に取り組む。教員の研究時間の確保に向け、リソース配分を見直して研究支援体制を強化し、全学的なエフォートバランシングを検討する。個人研究や共同研究を基盤として、多様な研究分野が融合するプロジェクト型研究を生み出し、新たな研究課題や研究領域が創出されやすい研究環境を整備する。また、本学の研究力に対する定量的・客観的なデータ収集・分析を通して、大学が主導して取り組む研究領域を設定し、分野横断的に研究力を統合させた特色ある社会貢献を進める。
 JST「スタートアップ・エコシステム共創プログラム【拠点都市プラットフォーム共創支援】」を推進して、大学発スタートアップ、アントレプレナーの支援体制・制度を整備する。また、本学と理念を共有できる国内外の大学、企業、国立研究所、自治体等との戦略的な組織連携を進め、質の高い社会貢献のフィールドを拡大する。

6.国際主義とキリスト教主義の連携によるグローバル化の推進

 同志社創立150周年記念事業(大学事業)である「「国際主義」の深化に向けた「人を植ゆる」の事業」に掲げられたアメリカ系、ヨーロッパ系、アジア系の各事業を着実に遂行するとともに、身近にある地域課題とグローバルな課題を往還し関係づける教育プログラムを検討する。また、2025年度に幹事校を務めるACUCA(Association of Christian Universities and Colleges in Asia)において、全加盟校の関係者を迎える大会と、加盟校の学生を集める学生キャンプを本学にて開催し、今後の本学のアジア戦略を検討する一助とする。さらに、中長期的な視点から、国際交流の質を高めるべく、現在の海外協定大学との連携状況の再点検を継続する。海外拠点の戦略的強化として、EUキャンパスを擁するテュービンゲン大学と本学との間で教育とともに研究交流を拡充させる。加えて、学校法人同志社150周年記念事業等とも連携しながら、アーモスト大学との関係をより強化する。

7.「深山大沢」としてのキャンパスの形成

 新島は「深山大沢、龍蛇を生ず」等の言葉によって、大学の理想像を「深山大沢」として示した。様々な個性を生かし育む、多様性と驚きに満ちた環境の創造を意味する「深山大沢」の理想を現代において追求するため、自然環境と人間社会が調和するキャンパスを目指す。
 「同志社大学環境宣言」に基づき、同志社大学カーボンニュートラルロードマップに掲げた温室効果ガス削減目標の達成に取り組む。さらに環境推進に取り組む学生のネットワーク構築に向けた施策を検討する。また、「同志社大学ダイバーシティ推進宣言」に基づき、男女共同参画・ライフサポート、多文化共生・国際理解、障がい者支援、SOGI理解・啓発の4つの重点項目に対する具体的対応策の検討・実施と関連部署間の連携を図り、インクルーシブなキャンパスを構築する。

8.DDX推進とブランディングの強化

 「Doshisha Digital Transformation(DDX)宣言」に基づき、教育、研究、事務の各分野の効率化、高度化、新たな価値創出を図る。組織全体のデータ活用を見据え、エビデンスに基づいた合理的な政策立案を行うため次世代のデータ分析基盤及び教学等の分析ツールの導入について検討を開始する。教務系システムと次期インフラ系情報システムの更新及び業務DX推進については、計画に基づき着実に実行する。
 また、ブランディング戦略の強化を図るべく、大学公式コンテンツの質をより向上させ、学内外への積極的な情報発信に努める。加えて、学内エンゲージメントの向上を企図し、教職員間でのインターナル・コミュニケーションを促進する基盤を整える。さらに、同志社フェアや同志社校友会支部総会等における交流の機会を活性化させ、本学の発展に資する同志社コミュニティの形成を推進する。

9.安定的財政基盤の確立

 特色ある教育研究活動の推進及びその環境充実のためには、財政基盤の安定が必須であるため、引き続き予算編成大綱を基軸とした財政運営を行う。2025年度は、2027年度入学生以降の学費について、財務部会において検討する。また、法人及び大学の財務関係比率上の指標・目標の達成を目指し、明確な財政規律による財政計画に基づき、収入面では、入学定員の確保を重要事項とし、収入の多様化への検討も行う。一方、支出面では、事業計画の成果検証を進めるなど、効果的な財政運営を行う。2026年度予算においても収支均衡を目指した予算編成を行うとともに、この5年間で進展した繰越支出超過額の解消に取り組む。
 また、「同志社大学2025 ALL DOSHISHA 募金」の検証を行うとともに、2026年度以降の新たな募金事業について検討する。