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第146号

第146号

第146号|2018.10

同志社時報146号 表紙第146号
2018.10 発行

同志社時報は、学校法人同志社が年2回(4月・10月)発行している機関紙です。

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関西テレビ放送株式会社編成局アナウンス部 中島めぐみさん

関西テレビ放送株式会社編成局アナウンス部
中島 めぐみさん

関西テレビの人気アナウンサー 取材現場も制作現場も真摯な姿勢で全力投球

多彩な番組で活躍中の、アナウンサーの登場です。
映像によって多くを伝える面白さ、多くが伝わってしまう怖さを伺いながら、アナウンサーという仕事の魅力に迫りました。

メディア人としての能力を磨き続けた学生時代

──
アナウンサーを志望された動機を教えてください。
中島
アナウンサーのきれいな日本語や所作に、子どもの頃から憧れがありました。高校時代は学園祭でのステージパフォーマンスやその準備に打ち込むなど、仲間と共に何かを制作していく過程が大好きでした。その中で特に好きだったのが、人前で話すことです。人に何かを伝えて喜んでいただく仕事がしたいと思うようになり、憧れだったアナウンサーを目指すことにしました。決めたからには、現場をご存じの方の教えを受けたい。そう考え、放送局でプロデューサーを長年務められた影山貴彦先生のおられる、同志社女子大学情報メディア学科への進学を志望しました。
──
マスメディアの中で、特にテレビに関心を持たれた理由は何ですか。
中島
新聞のように文字として残すだけでなく、リアクションも含めて映像で伝えることに関心があったからです。報道や情報番組などでは、各界のさまざまな方にお会いでき、多方面で多彩な体験ができ、感じたことを自分の言葉で伝えられます。それによって視聴者の方に情報が伝わり、発見をして楽しんでいただくことが私の喜びになると考えました。
──
大学時代、印象に残った授業や出来事を教えてください。
中島
影山先生からは、ゼミを含めて本当に多くのことを教わりました。先生のゼミや「ジャーナリズム論」から学んだのは、物事を多角的に捉えることの大切さです。例えば同じ新聞を購読し続けていると、その新聞の論調に自身の考えが慣れてきます。しかし大きなニュースになるほど、他紙と読み比べたとき、自分の考え方はたくさんある考え方の一つに過ぎないことが分かる。そういう視点、つまりメディアリテラシーの重要性を深く学びました。テレビでは時間的制約があったり見やすい編集を行ったりするため、すべての情報や多角的な考え方を一度に伝えることは困難です。でも、そこで偏った考えを伝えてしまったり、別の考えを持つ方を傷つけてしまったりしてはいけない。伝え手にはそういう自覚が必要であることを、情報メディア学科で学びました。

現場を大切にしながら信頼されるアナウンサーを目指す

──
現在は報道からバラエティーまで、多くの番組を担当しておられます。一番好きな仕事は何ですか。
中島
実は、ナレーションです。声のトーンや表現によって、いろいろな挑戦ができるからです。同じナレーションでもドキュメンタリーでは、映像の良さを壊さないよう注意しつつ、耳から自然に伝わるような語りを工夫しています。
関西テレビ放送株式会社編成局アナウンス部 中島めぐみさん
──
現場へ取材に行かれる際、大切にしておられることは何ですか。
中島
そこへ行かなければ分からない、当事者の心情やご苦労などの「実際」を大切にしたいです。以前、「大阪LGBT100人会議」を取材したことがありました。性的マイノリティーの方々が直面する問題といえば、私たちは婚姻制度などの問題を漠然と思い浮かべがちです。でも実際にお話を伺ってみると、例えば社員旅行では男性・女性の、どちらの部屋に泊まるのかなどの問題にも悩んでおられました。普段は隠れていて見えない問題を取材で少しでも引き出し、社会全体へ理解が広まるための役に立てたらと思います。
──
やりがいを教えてください。
中島
スタッフや取材先の方の喜ぶ表情を見られたときに、一番のやりがいを感じます。友人や街で出会った視聴者の方から、面白かったと言っていただけたときも嬉しいですね。
──
良い仕事とは何でしょうか。
中島
仲間から「また一緒に仕事しよう」と言ってもらえるような仕事です。視聴者の皆さんに対しては分かりやすく丁寧に、真摯に情報を伝えることです。報道番組では、私はサブキャスターなので自分の感情が入ってしまわないよう、できるだけフラットに原稿を読むよう注意しています。
──
良い仕事をするために、普段からどんな準備をしておられますか。
中島
どんなことにも丁寧に全力で取り組み、楽しい雰囲気で仕事ができる現場づくりを心がけています。2年前から番組ごとにノートを作り、準備や反省に活用するようになりました。円滑な現場づくりのためスタッフ全員の名前を書いて覚えたり、出演者の情報を整理したり、自分の出演時の反省点を書いて勉強したり。アシスタントを務めるバラエティー番組では、話題の展開を予想して、かなり細かい情報も準備しておきます。使わずに終わる情報も多いですが、自分にとっての安心材料にもなります。また普段から、人を傷つけたり困らせたりすることのない表現を探すことにも心を砕いています。
──
アナウンサーとしての志を教えてください。
中島
前に出過ぎず、黒子に徹しながら、自分に求められた役割をきちんと果たす。それによって仕事仲間にも視聴者の皆さんにも信頼される、安定感のあるアナウンサーになりたいです。フジテレビ系列で使うアナウンサー用テキストがあります。冒頭に「声は人なり」と書いてあります。自分に自信がなかったり心によどみがあったりすると、それは声に表れてしまう。映像はすべてを映します。この言葉を原点として、真面目すぎるかもしれませんが、人格も磨いていかなければと思っています。

(2018年7月27日、大阪市にて)

目次

第146号|2018.10

新島襄の言葉
不破ノ妻君ノ尤周到ナル看護ニヨリ、
実に摂生法ニ於テハ申分ナキ
岡山 寧子
(女子大学看護学部教授)
表紙裏
グラビア
大学 「ALL DOSHISHA 教育推進プログラム」シンポジウムを開催!
女子大学 京田辺キャンパス「ラーニング・コモンズ」を設置
中学校・高等学校 80年以上続く伝統の由良キャンプ
香里中学校・高等学校 体育祭
女子中学校・高等学校 中一修養会
国際中学校・高等学校 高校球技大会/Isolde Kurz Gymnasium交換プログラム
小学校 6年生修学旅行
国際学院 初等部:Grade4 Overnight Trip to Miyama and Miyazu
国際部:Toyooka Trip
幼稚園 花の日礼拝/慰問
私の志
物づくりとは互いを信じ合うチームプレーである 有名メンズバッグブランドを統率
藤井 安さん
4
取材現場も制作現場も真摯な姿勢で全力投球 関西テレビの人気アナウンサー
中島めぐみさん
6
特集
「読書時間の減少・活字離れ」の現状と学校教育 8
新聞業界の動向 伊藤 高史 9
「読むチカラ」を向上させるための取り組み 河村麻紀/塩野淳子/植田阿津子/Andrea FORBES 15
大学での読む力の必要性とその支援体制 濱嶋 幸司 22
「衰退」する読書行動から虚構世界の拡大へ 諸井 克英 28
同志社小学校の道草教育をもとにした取り組み 髙松 真也 33
レクチャー
シンポジウム「All Doshisha 教育推進プログラムが目指すもの」 40
建物案内
恵愛館(女子大学 ) 47
同志社の逸品
セイヴォリー家の家族聖書 同志社社史資料センター 49
同志社ナウ
日本学術振興会賞受賞に寄せて 飛龍志津子 51
メディア創造学科名称変更記念公演
平田オリザ作・演出 アンドロイド演劇《さようなら》について
森 公一 52
尺八、国境を越えて Gabriel Frost JOHNSON 53
近畿税理士会主催の「租税教室」に片岡愛之助さんが来校 藤井 宏樹 54
全国高等学校アーチェリー選抜大会準優勝 山田 慎吾 55
私の研究・私の授業
賛美歌だって時にはポップなのである 関谷 直人 56
会計の視点から企業経営を検討する 河合 隆治 58
手のかかる マグネシウムを 手入れする 湯浅 元仁 60
翻訳の思想、思想の翻訳 三ッ木道夫 62
澱粉ワールドの面白さ ―マクロからミクロを探る― 山本 寿 64
人と本をつなぐビブリオバトル 加藤美穗子 66
同志社クローズ・アップ
クリエイティブ・ジャパン科目と創造都市 髙木 繁光 68
同志社女子大学大学院看護学研究科看護学専攻(修士課程)開設
「同志社らしい看護学教育のさらなる発展をめざして」
岡山 寧子 70
国境も立場も越えて世界とつながるプロジェクト〜Asia STEAM Camp〜 沼田 和也 72
オープンキャンパス 国語の体験授業
─平安貴族の雅な遊び「貝合わせ」を体験しよう─
中條あさ子 74
同志社女子中学校の「スプリング イングリッシュ キャンプ」
―視野を広げ、物事を多角的に見る力を求めて―
吉永 真 76
スーパーグローバルハイスクール(SGH)の授業における本校の学び 坂下淳一/帖佐香織 78
特別寄稿
最初の校舎「中井屋敷」の謎 ─143年前の同志社寺町校地─ 本井 康博 80
紀行
びわ湖疎水通船の復活 青木 真美 88
新刊紹介
一神教とは何か―
キリスト教、ユダヤ教、イスラームを知るために
小原克博著 93
竹田からくりの研究 山田和人著 93
憲法で読むアメリカ現代史 阿川尚之著 94
人権条約の解釈と適用 坂元茂樹著 94
銀幕の大統領ロナルド・レーガン―現代大統領制と映画 村田晃嗣著 95
近代日本の庶民史―ふつうの人々の暮らしと人生を紡ぐ 西村卓著 95
「ネコ型」人間の時代―直感こそAIに勝る 太田肇著 96
臨床舞踊学への誘い―身体表現の力 阪田真己子他著 96
『君たちはどう生きるか』に異論あり!
―「人間分子観」について議論しましょう
村瀬学著 97
政策税制の展開と限界 占部裕典著 97
外国にルーツをもつ子どものバイリンガル読書力 櫻井千穂著 98
奨励・説集 嵐と風と不思議なマント 三木メイ著 98
「稼得とケアの調和モデル」とは何か
―「男性稼ぎ主モデル」の克服
田中弘美著 99
公共部門のガバナンスとオンブズマン
―行政とマネジメント―
山谷清秀著 99
食通のおもてなし観光学 山上徹著 100
高校生たちのゆくえ
―学校パネル調査からみた進路と生活の30年―
尾嶋史章編 100
お知らせ
同志社大学古本募金 同志社女子大学DWCLA古本募金 ご協力のお願い 101
ハリス理化学館同志社ギャラリー展示ご案内 102
新島旧邸公開のお知らせ 103
同志社女子大学史料センター第23回企画展 学寮140年のあゆみ 104
松岡敬学長と佐藤優氏の新刊図書発売 105
編集後記 106
お問い合わせ

同志社大学 広報課

TEL:075-251-3120
FAX:075-251-3080
E-mail:ji-koho@mail.doshisha.ac.jp

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